アイドルグループ・乃木坂46のトイレ盗撮動画を公開すると、海外サーバを使った有料動画サイトで告知された。ところが、これは直前になって公開中止に。
ファンの間でサンプル画像を元に検証が行われ、被害女性も撮影場所もほぼ特定されてしまい、騒動が大きくなった事から刑事事件化される可能性が高まり、サイト運営側が逃げたのではないかと思われる。
さて、今回ここで述べたいのは上記のタレント盗撮問題についてではない。なぜこのような動画が海外のサイト(便宜上)に流出してしまうのかについてだ。
<中略>
wwwという単語が指すように、ネット空間に入ってしまえば世界中の誰とでも繋がれてしまう。
国ごとやサイトごとにブロックする、アクセスを遮断することも可能だが、それは本来インターネットの基本を無視するナンセンスな行為だ。
そういったネットの性質を既存の法律では受け止め切れず、サーバが置かれた(運営拠点のある) 国の法に基づいて判断するという方法論になってしまっているため、運営会社に対して直に責任を負わせる事が難しくなっている。
<中略>
インフラやコンテンツを提供する運営側には(最低限の知識さえあれば)リスクが殆どなく、それを利用する客にばかり大きなリスクがある。それが『日本人相手の海外サイト』の特徴なのだ。
次に、どうしてそうしたサイトに今回の芸能人のトイレ盗撮といった、国内ではどんなAVメーカーも及び腰になるようなコンテンツが集まってしまうのかについてだが、最大の理由は「日本国内でAVメーカーとしてやるよりは、よっぽど安全にかつ確実に金にできるから」である。
これが国内のエロ屋であれば、何かあった場合に逃げ場がないため、自衛と利益を天秤にかけて判断するしかない。
今の衰退し尽くした日本のエロ業界では、賠償金や刑事罰や水面下でのヤクザ屋さんとの戦いといったリスクを考え、おそらく今回のような現役アイドルのトイレ盗撮動画など手が出せないだろう。<中略>
機材さえ集められれば、素人であっても簡単に素材を作れてしまう。 そして素材さえ集まれば、今は海外サイトという買い取り屋がいるのだから、これまた簡単に金に替えられてしまう。
このような流れで、次から次へと危険な動画素材が『日本人相手の海外サイト』に集積されて行くのである。
最後に、どうしてそんな摘発もままならない面倒臭い状況になってしまったのかについてだが、これも一言でぶった斬れる。
警察や政治家や様々な団体などが「叩きやすい場所から叩け」とばかりに国内のエロ業界など “弱い立場の業界” を締め上げた結果、人材も知識も機材も「海外を経由させたブラックビジネス」に流出してしまったのだ。
これが、日本国内でもう少し余裕を持ってビジネスが出来る状況であるならば、わざわざ海外に拠点を移そうと考える人間も多くはなかっただろう。
そうであれば、彼らが国内で何かヤラかしたとしても、既存の法律で堂々と裁けたはずだし、エロ屋からしても何が危険なのか解り切っているのだから、ハナから危ない橋は渡らない。
よって、今よりはずっと “管理” も “監視” も簡単だったはずだ。
しかし「エロだから叩ける」「○○だから締め上げても反発が少ない」といった思惑でイジメ過ぎたがために、知恵のある優秀な人間からどんどん海の向こうに行ってしまい、国内の法律が適用できず、警察がギリギリ言うしかない現状を招いてしまった。
これは昭和の時代に政治家と警察がヤクザを一方的に裏切ったがために、ヤクザ業界の情報が集められなくなり、より巧妙に、より凶悪になってしまったという世紀の大失敗にとても似ている。
私は無駄に業界の内部事情を知り過ぎているために、もしかすると飛躍が過ぎる内容だと受け取られてしまうかもしれないが、『日本人相手の海外サイト』という厄介な存在を生み出したのは、他の誰でもない “日本のオカミ” なのである。
[引用/参照/全文:http://n-knuckles.com/case/doubt/news002040.html]