摘発された「ラプンツェル秋葉原」
マッサージなどのサービスを提供する「リフレ店」で女性従業員に売春を行わせたなどとして、警視庁は17日、東京・秋葉原のリフレ店の経営者ら3人を逮捕したと発表した。
同店は裏オプション、いわゆる“裏オプ”を行う店として知られ、秋葉原でもかなりの人気店。ホームページでは「都内ナンバーワン」などとうたっていた。
都内有数の大型リフレ店が御用
逮捕されたのは「ラプンツェル秋葉原」の経営者ら3人で、1月と4月に20代の女性従業員2人に売春を知りながら個室を提供した、売春防止法の場所提供業の容疑。
リフレ店が売春防止法違反で摘発されたのは3月8日の「Cherry×Cherry(ちぇりちぇり)」が初めてで、今回が2例目となる。
同店は「エース秋葉原」として2020年4月から営業を開始。しかし、前出の摘発騒動があったことで現在の店名に変更し営業を続けていた。
朝日新聞によると、同店は女性従業員約30人が在籍する“本格店舗型リフレ都内No.1”をうたい、これまでの約2年間で8400万円以上を売り上げていたという。
旧店名「エース秋葉原」
驚きのリフレの実態
「裏オプのみが収入」
リフレ=とはリフレソクロジーの略で、足裏マッサージの事だが、添い寝リフレ店の本質はそこにはない。女の子と添い寝しながら2人で楽しくおしゃべりできる店だ。
料金はまちまちだが、おおよそ40分で5000円から6000円が相場。女性従業員は時給で働いているパターンが多いという。
膝枕、耳かき、足絡ませ、ハグ、向かい合い添い寝…さまざまな追加オプションがあり、そのオプション代が女性従業員の収入になっていく。
ところが“裏リフレ店”になると、基本給がない場合がほとんどで、オプション代だけが女性従業員の身入りになる。つまり、客をとってオプション代を稼がないかぎり無給となり、働いている意味がまったくない。
そのため、女性従業員の方から積極的に裏オプションを客に勧めるという仕組みになっているのだ。
裏オプションの内容や金額は女性従業員の裁量に任されており、ボディタッチのみだったり、口淫や手淫などの性的行為を行う。しかし、積極的に稼ぎたい女性の場合は本番行為もいとわない。
売春まで行うのは女性従業員の意志決定なので、店側は「自分たちが売春を強要していない」と言い逃れしやすいというわけだ。
本番をすれば売春防止法違反、性行為をすれば風営法違反になるが、もともと男女二人が個室にいたら何をしているかは当事者にしか分からない。
そもそも添い寝リフレ店と裏リフレ店の区別は明確ではなく、SNSなどを使った口コミで「あの店は裏オプあり」「●●ちゃんはゴムあり2万円でできる」などの情報が飛び交っているのが実情。
昨年秋から、秋葉原の摘発は加速度を増している。そうなると、裏リフレ店は店舗営業をやめて、全てが派遣型に切り替わる可能性が出てくる。
30分1200円程度で借りられるシャワー付きのレンタルルームに客が先に入り、女性従業員をその部屋に出張させる。店舗で本番行為をさせないので、経営者側は売春防止法の場所提供業の抜け道になる危険性もある。
また、秋葉原は摘発の恐れがあるとのことからリフレの聖地を離れ、学問の神様で有名な「湯島天神」で知られる湯島エリアに移転する店舗も増加傾向にあるという。
摘発を厳しくすれば地下に潜ったり、場所を移動したりを繰り返すイタチごっこ。しかし、警察は今後さらに摘発を強化するものとみられ、秋葉原からリフレ店が消滅するのは時間の問題かもしれない。
[via:MAG2NEWS]
https://www.mag2.com/p/news/539216
摘発を受けた「Cherry Cherry」の入り口
文春オンラインでは3月に摘発された「Cherry×Cherry」での“裏オプション”の実態を報じている。当時の記事を再公開する(初出2022年3月12日、肩書き、年齢等は当時のまま)。
カーテンで仕切られただけの薄暗い部屋で向かい合う男女。「はじめまして」の挨拶もそこそこに、20歳前後の女性が男性にかけた言葉は“裏オプション”の誘いだった――。
3月8日、東京・秋葉原にあるリフレ店「Cherry×Cherry(ちぇりちぇり)」の経営者らが、売春防止法違反の疑いで逮捕された。同店は約30人の女性を雇い、売春の場所を提供し、客と性行為をさせていたと見られている。
もともとリフレ店とは主に男性の客に対して、女性スタッフが会話やハグ、添い寝などのサービスを提供する店である。
今回摘発された「Cherry×Cherry」は雑居ビルの一角に店舗を構える“店舗型”と言われる店だった。秋葉原には他にも多くのリフレ店が営業しているが、売春防止法違反の摘発は初めてだ。
以前から本番店として有名
逮捕の顛末について、全国紙の社会部記者はこう説明する。
「3月6日の夜に警察のガサ入れがあり、店長の外山健太(35)が現行犯で逮捕されました。その時、店には2人の女性スタッフと2人の客がいました。翌7日には経営者の山崎一輝(30)も自ら出頭したようです。
『Cherry×Cherry』は2021年5月まで『秋葉新地』という名前で営業していて、昨年6月からは今の名前に変わりましたが、経営陣や女性スタッフの大半はそのままだったようです」
旧店名「秋葉新地」
「Cherry×Cherry」のシステムは、基本料金が30分で4000円、指名料が1000円。それに加えて添い寝し放題5000円などのオプションが追加されるというものだ。
しかし客の支払った基本料金は全て店側の懐に入り、女性スタッフの収入はオプション代のみだった。女性スタッフにとっては収入がゼロになる可能性さえあるシステムだが、“裏オプありき”だからこそ成立していたのだという。
入り口扉に貼られた料金表 ©文藝春秋
「『Cherry×Cherry』は以前から性行為ができる“本番店”として有名で、ほとんどの客は裏オプ目当てで来店していたようです。
2019年からの3年間で1億1500万円にものぼる売上があり、警察は経営者たちも本番行為についての認識があったものとみて立件に踏み切りました」(同前・社会部記者)
男性客が語る“裏オプ”の実態
昨年末に同店を訪れたことがあるという30代の男性は、「女の子からすぐに裏オプを誘ってきましたよ」と証言する。
「秋葉のリフレユーザーの間でも『Cherry×Cherry』は“本番店”として有名で、いつ摘発されてもおかしくないと噂になっていました。それで、摘発される前に……と思って昨年12月に店に行きました。
3階まで階段で上がり、扉を開けるとすぐ受付。その日出勤している女の子のチェキが壁に貼ってあり、その中から1人選んで男性スタッフにお金を払うと、部屋に案内されました」
男性が案内されたのは3畳ほどの小さな部屋。廊下との間に申し訳程度のカーテンはあるものの、中の様子はちらちら見え、音も筒抜けの個室とも言えない作りだという。
「部屋数は5個か6個くらいで、中には綺麗とは言い難いシングルサイズの薄い布団と枕がひとつ置いてあるだけでした。
服をハンガーにかけて数分布団の上に座って待っていたら、制服姿の若い子が『失礼しま~す』とカーテンを開けて入ってきました。本人は20歳の大学生と言っていて、ギャル系で愛嬌がある茶髪のかわいい子でした」
営業していた頃の「Cherry×Cherru」のツイート
ソックスからコンドームを取り出すと…
お互いに「初めまして」と挨拶を交わすと、すぐに女性は“ある提案”をしてきたという。
「部屋にきてすぐ、女の子が『オプションはどうする? 裏オプションありますよ』と提案したんです。こちらもそのつもりだったので詳細を聞くと、『フェラなら1万円、ゴムありで2万円。生挿入なら3万円でいいよ』と。
値段を聞いて少し迷っていると『ゴムありなら1万円でもいいですよ』といきなり半額に値切ってきました。それならばと了承して、財布から1万円を出して手渡しました。
女性はその1万円を自分のソックスの中に入れ、同時にソックスからコンドームを取り出したんです」
あまりにスムーズな流れに戸惑っていると、女性は目の前ですぐに服を脱ぎだした。
「『じゃあ、始めよっか』と言って躊躇する様子もなく制服を脱いで裸になりましたが、私が払った1万円札を差し込んだソックスだけは履いたままでした。
彼女が布団に横になっている間に渡されたコンドームを自分でつけ、キスや前戯もなくすぐに挿入するように促されました。挿入しても『周りに聞こえちゃうから……』と声を出すこともなく、部屋には私の動く音だけが響いていました。
私は15分くらいで果て、部屋に置いてあったティッシュでコンドームを包んで彼女に渡すと、『ちょっと待っててね』と彼女は制服を着直して受付の方へ。
その間に自分も服を着て、戻ってきた女性とはほとんど会話もせず、時間がきたら出口まで見送られて店を出ました」
[via:文春オンライン]
https://bunshun.jp/articles/-/54421
氷山の一角?秋葉原の状況は?
秋葉原にはメイドやコスプレをテーマにしたリフレ店、マッサージ店が点在しているが、いまどんな状況なのか。秋葉原ナイト事情に詳しい、元ガールズバー店長の男性に話を聞いた。
マイクロビキニで添い寝
男性は「違法なリフレ系の店は増えている。千葉、埼玉エリアから東京入りして最初の繁華街が秋葉原~上野エリア。なので他県の若い女性が集まりやすい」と分析する。
「アキバには萌えを特徴にした全うなエステ・リフレ店もあります。しかし、今回摘発された店舗型リフレ店のほか、派遣型にはアウトな店がまだまだ潜在しており今回の逮捕劇は氷山の一角。
制服、メイド服やスクール水着、マイクロビキニを着用して添い寝や密着マッサージを受け、性行為まで及ぶ『裏オプ』を用意する店はあります」(ガールズバー元店長)。
性行為の交渉は客から
性的なオプションを用意する偽装リフレ店は「女の子が勝手に客と交渉した」という体をとるという。
「各店、HPには詳細なサービス内容を明かしておらず、エステマニアたちが“隠語”を使って日々レビューをネットに上げており、客はその情報を見て店を選び、現場で嬢を見てから値段交渉をするんです」(前出・ガールズバー元店長)。
その言葉通り、ネット上には「○○…1万円、▲▲…3万円」など卑猥な単語を並べレビューするブログが多数存在することが確認できた。
違和感あるカップルの姿
元店長によると、秋葉原で派遣型リフレを利用する客の大半は“駅向こう”である昭和通りエリアのレンタルルームと安ホテルを使うのが主流だという。
「オタク系外見の中年男性と若い地雷系ファッションの女子がよくホテルの出口まで出てきていますよ。それも短時間で何組も(笑)。最後はお互い『バイバーイ』と手を振って…。
ガールズバーやコンカフェと一緒で、女性経験がほとんどない男性であれば、一回ハマったら抜け出せないんでしょうね」(前出・ガールズバー元店長)。
家電量販店とパーツ専門店、そしてアニメショップ、メイド喫茶といった魅力的な文化で街を繁栄させてきた秋葉原が、いま少しずつ変わろうとしている。
[via:Sirabee]
https://sirabee.com/2022/05/18/20162857877/