□ 「謎多き美女」という言葉には、どこか淫らな気持ちを掻き立てられる。秘密を抱え、上品な笑みを浮かべている謎の女性に、男性たちの興味と股間は膨れ上がるばかりだ。
週刊ポスト(小学館)のグラビアページ「祥子の事。」でセクシーな姿をさらけ出し、注目を集めている「祥子」。
整った目鼻立ちと長く美しい髪、そして、知的なエロスを漂わせている彼女の素性は明らかにされておらず、まさに絵に描いたような「謎多きの美女」なのだ。
そのミステリアスな出で立ちは読者のおじさまたちの好奇心を惹きつけてやまず、今年発売した写真集『祥子 愛にゆく人』は写真集不況の時代に3万部を売り上げた。
いったい彼女は何者なのか……、そして、ベッドではどんな姿をしているのだろうか……艶かしい彼女に、いつの間にか世の男性たちはすっかり心を奪われてしまった。
そんな彼女の秘密のベールが剥がされた映画が、今年公開された『D坂の殺人事件』だ。
江戸川乱歩の原作によるエロティックサスペンスの金字塔として知られる本作で、彼女はその美しく洗練されたカラダを惜しげもなくカメラの前にさらけ出している。
今作の監督を務めたのは、同じく江戸川乱歩の小説『失恋殺人』を宮地真緒主演で監督し、その過激なヌードシーンで大ヒットさせた窪田将治。今作でも、極めて淫靡なシーンが次々と繰り出される窪田節は健在だ。
「ポスト壇蜜」の呼び声も高い祥子が演じるのは物語の鍵を握る古本屋の妻。和服姿の妖艶な彼女からほのかに漂う色気が、彼女に思いを寄せる青年の心を縛り上げてゆく……。
覗きから始まった関係は、やがてSMプレイの倒錯した恋愛へと発展する。
映画初出演ながら、オールヌードでのベッドシーンや、縄で縛られた上に後ろから犯されるというハードな緊縛シーンなどにも果敢に挑戦を行った彼女の姿態に、いったいどんな男が欲情せずにいれるだろうか!?
美しい映像、繊細な世界観、倒錯したセックスと名探偵明智小五郎が推理する殺人事件のサスペンス……114分の映像には、まさに乱歩の持つ耽美でエロティックでスリリングな魅力がぎゅぎゅっと凝縮されているのだ!
このエロ過ぎる緊縛を終えて
「実際やるまではハードなイメージがあったのですが、いざ縛られてみると悪くないというか、心地よいものでした」とインタビューで語り、
さらには舞台挨拶でも「縄って悪くないなと思いまして、もし私の好きな相手が望むのであれば、喜んで縛らせていただきたいなと思います」と感想をコメントしている祥子。
どうやら、性の快楽にはただならぬ関心を持っているらしく、個人的にも緊縛の欲望に目覚めてしまったようだ……。う~ん、女優としても女としても、その底力は測り知れない!
アイドルをはじめ、若いばかりが取り柄の女性に血道を上げて、見せられる所をすべて見せてしまうことが「過激」であるともてはやされている昨今の風潮。
しかし、能の大家・世阿弥が「秘すれば花」と語っているように、単純な過激さや若々しさばかりが本当のエロではない!
着物の合わせ目からほのかに香り、男たちをそこはかとなく惹きつけてしまうエロティシズムは、日本が古来から培ってきた伝統的な男女のカタチ。
本作の醸し出す淫靡で知的で痴的なエロスは、もはや情緒すら感じられる美の世界へと達しており、見終わった後には「日本人でよかった」と心から思えるだろう。
この映画には、オタクよりも、アニメよりも、Kawaiiファッションよりも、クールジャパンの真髄が詰まっている!
[引用/参照:http://www.cyzo.com/2015/05/post_21846.html]
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