昨年末のNHK紅白歌合戦にて、「熱い予感 終わりじゃない 私たちはひとりじゃない」と歌い上げた歌姫、中森明菜。完全復帰が期待されるも、体調がいまいちなというのがファンの懸念材料だ。
2010年から、免疫力低下などを理由として無期限活動休止している明菜が、紅白に生中継出演したのは、約4年5ヶ月ぶりの登場だった。
緊張した面持ちで挨拶した後、最盛期ほどの声量はないものの、新曲の「Rojo-Teirra-(ロホ ティエラ)」。
もちろん視聴者を魅力する力は健在で、年が明けて1月21日にリリースされた最新シングルはオリコンウィークリーランキングのトップ10入りを果たしたほどだ。
80年代に鮮烈なデビューを飾り、次から次へとヒット曲を生んだ明菜は、次第にシャーマンのごとく神々しく歌唱する姿が話題になっていった。
そして、それに拍車をかけるかのごとく、当時、彼女の周りでは不可解な現象が起こっていたと噂されている。
80年代のアイドルの1人、岡田有希子が絶頂期に所属事務所のビル屋上から飛び降り自殺を図ったのを覚えているだろうか。
ポスト聖子とまで称えられた岡田が死を選んだ理由は、失恋…仕事のプレッシャー…など様々に噂された。
その2ヵ月後に「歌のトップテン」にて「ジプシー・クイーン」を明菜が歌う最中、何と背後にワンピース姿の岡田有紀子が立っていたと噂になった。
視聴者からの問い合わせが殺到したというので、かなり真実味のある話だ。
また89年には、「ねるとん紅鯨団」放送中に、ゲストの明菜が映った直後暗転。その後は画像が乱れるなどの異変が起こり、視聴者が何事かと懸念した。
当日の番組はそのまま終了したが、後日の再放送では番組が進行していたことが明らかになった。
司会のとんねるずが明菜に理想のタイプを質問すると、「ミヤザキツトムさん」と答えた明菜。
すぐさま、石橋貴明に、「山崎努さんの間違いなんじゃないの~?」とツッコまれ、明菜は訂正しつつも「な~んでだろう、私……?」と困惑していた。
このとき、明菜はなぜ自分が「ミヤザキツトム」と答えたのか不思議だと発言。何てことのない一場面だったが…
放送の1ヵ月後、「東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件」の容疑者として逮捕された人物こそ、宮崎勤だった。
さらに1ヵ月後、明菜はかねてから交際の噂のあった近藤真彦の自宅にて自殺未遂を計った。原因は、結婚を望む明菜に近藤が頷かなかったからと言われている。噂では明菜が近藤に多額の金を貢いでいたなどという説もあったが、定かではない。
しかし、確かなのは、明菜の人生がこのときから狂っていったことだ。
安田浩一氏が週刊ポスト(小学館)にて連載していた「孤独の研究 中森明菜とその時代」第10回で、明菜が当時所属していた事務所社長が語っていた。
「異常にとんがったアンテナを持っているの。異常なくらい敏感な。そう、いろいろなものを感じてしまう。だからこそ、歌に感情移入できるし、そして人一倍、傷つきやすい」(原文ママ)
明菜の感性は、ときに霊感のようなものだったのかもしれない。
自殺未遂騒動後に約1年間の休業宣言が出た後、再び歌姫として復帰するも、2010年には体調不良で無期限活動休止を宣言した明菜。
近藤といえば、明菜とは映画「愛・旅立ち」での共演がきっかけでつきあい始めたという。
85年に公開されたこの映画は、天涯孤独で不治の病に侵された少女・小泉ユキ(中森明菜)が事故で親友を失くした五代誠(近藤真彦)と出会い、恋に落ちるというストーリー。
宇宙空間で母親と赤ん坊がスピリチュアルトークを交わす冒頭では、「宇宙は神様であなたも私も神様」と赤ん坊にやさしく語りかける母親がいる。
明菜演じるユキは定時制高校に通いながら、読書を楽しむ女学生。先天性の心臓疾患を持つ彼女は、心臓発作に倒れて入院したのをきっかけに不思議な光を目にする心霊現象を感じ始める。
愛読書であるラフカディオ・ハーンの「怪談」に出てくる一話「耳なし芳一」の主人公がユキにからんできたりするトンデモな展開が繰り広げられていく。
五大は交通事故で親友を失ってから元気をなくしていたが、不思議な老人・丹波哲郎が語る死後の世界に共感していた。そんな五大がユキと出会って恋に落ちたのは運命そのものだったが、ユキの容態は悪化し、ついに帰らぬ人となった。
五大は「ユキを病理解剖に回す」との医師の言葉に抵抗し、上半身裸でユキに人工呼吸。その間、ユキは天国の住人と会話して臨死体験をしていた。
この世では五大が「殺すなら俺を殺せ!」と叫び、その瞬間、関東地方に巨大地震が発生。振動のショックで目を覚ましたユキは五大と再会を喜ぶが、再び死んでしまう。
「ユキ、ほんのちょっと待っててくれ。俺も仕事が終わったらすぐに君の元にすぐに帰る。そして2人で太陽のように燃えよう。宇宙の旅を続けながらね……」五大はユキにそう語りかけ、彼女の死を受け入れるのだった。
五島勉原作の特撮『ノストラダムスの大予言』の監督の舛田利雄を迎え、『大霊界』など、名だたる霊界関連映画で知られる丹波哲郎が出演したため、一気に心霊色が強くなってしまったトンデモ作品なのだが、霊感の強い明菜がキャスティングされたのは、運命だったのかもしれない
[引用/参照:http://news.infoseek.co.jp/article/tocana_36955?p=2]