「すっごく困るのよ、こっちが掃除ができなくてさ…」
そんな感じでぼやいているのは、某ラジオ局を中心に派遣で清掃業を担当している中川さん(仮名)。現在60歳の彼女を私は敬愛の意を込めて中川おばちゃんと呼んでいる。
さて、中川おばちゃんが言うところのその“場所”とは、放送局内の女子トイレである。現在、この放送局の女子トイレの掃除は“厄介なもの”になっているそうだ。
「掃除するじゃない? そしたら、局長クラスの人を呼ぶのよ。そして、チェックされるの、カメラを仕込んでいないかって…」
中川おばちゃんいわく、最近、盗撮などの問題から、タレント事務所から局への女子トイレについて「ちゃんとチェックしてほしい」という注文が増えているそうだ。
たしかに社会問題でもあるが、実際に掃除する方にとってみれば、面倒ではあるようだ。
「厳重体制のもと、女性タレントは用を足すのよ。たとえば、今はほぼ引退している状態の大企業の社長婦人になった女優でIっていたじゃない?
彼女の場合、まず最初に事務所スタッフが個室をチェックするの。
サニタリーボックスの中まで見て、中に捨てられているものが多いと、“予防のために”って、アタシらを呼んで、ゴミを捨てさせてゴミ袋を新しいものに変えさせるの。
で、空っぽ状態にしてI様をお招きするんだから!(笑)」
さらには、彼女がトイレにいる間は、入り口前に、それこそチビるような迫力の屈強な男性スタッフが立ち、他に入ろうとする利用者に「少々お待ちを!」とストップをかけ、一切、中に入れさせなかったのだそうだ。
「アタシだったら、逆に恐縮しちゃって出るものが出なくなる(笑)」
しかも、今、テレビでそこそこ売れている女性タレントのほとんどが『厳重トイレ』状態で用を足すのだという。
「その間、アタシらは掃除ができないので困ってるのよ! とくに改変期とか生放送の特番で女優がたくさん利用することが想定される日は、前日から大変なの」
また、最近では、あるアイドルグループのトイレの利用の仕方にも困っているという。
業界では『A式』と呼ばれるトイレの利用方法は、卒業間近の一番トップが最初に入ることが鉄則で、その選抜系から優先的に利用していくとか。
「やっぱり、盗撮・盗聴を防ぐためにトイレ内は基本的に、一人体制。
もしくは、仲良し同士のツレションで二人までしか入らないから、下っ端の子たちなんか、入り口までストッパー役をしながら30分以上待たされてるのよ? 膀胱炎にならないか心配(笑)」
そんな放送局の女子トイレを掃除して20年以上のキャリアを持つ中川おばちゃんが一番驚いたのが『貼紙事件』だった。
「これはご本人もラジオで話したことだから、あえて実名を出すけど、一時期、某局の女子トイレには『和田アキ子さんは女性です』という貼紙があったのよ」
ある日、アッコさんがトイレに入った時のこと。スッピン・帽子姿だったので清掃員が本人だとは気付かずに、「ちょっと、アンタ! ここは男子トイレじゃないよ!」と注意してしまったとか。
それをアッコさんが面白おかしく、自分の放送でオンエア。
「本人は笑い話にしたんだけど、真っ青になったのは放送局よね。失礼があったことを詫び、清掃業者にも厳重注意して、注意を促すために貼ったのが、例の貼紙よ」
これには「どっちが失礼なんだよ!」と、今度はガチ怒りをしたというゴッドねえちゃん。まぁ、そりゃそうだろう。いくらトイレの話でも水に流せなかったようだ。
[引用/参照:http://www.menscyzo.com/2015/06/post_9981.html]
不覚にも笑ってしまった