将棋の加藤一二三九段(77)が20日、東京都渋谷区の将棋会館で行われた第30期竜王戦6組昇級者決定戦・高野智史四段(23)戦に敗れ、同日付で現役を引退した。
63年間の棋士人生の最後まで「ひふみん劇場」を展開した。
午後8時10分。投了を告げた史上最高齢現役棋士は、対局相手と勝負を振り返る「感想戦」をせず席を立った。対局室に20社約50人の報道陣が殺到したが、ひふみんは包囲網を突破。
タクシーに乗り込んで帰途に就いた。終局前、敗北を覚悟した時点で将棋連盟側に「感想戦なし。コメントもなし」と告げていた。
[via:http://www.hochi.co.jp/topics/20170620-OHT1T50219.html]
詰みが決定した局面で長い時間席を立ち、戻ってきた加藤九段。押し入れから鞄を取って畳に置き、将棋盤の隣に置いていた腕時計をスーツにしまうと、記録係の人に「感想戦しませんから」と言い、相手に向き合うと、「あ。負けました」と言い、感想戦もせずに、多くの報道陣にフラッシュをたかれながら、タクシーに乗って消えた。
“感想戦なし”ネットで反響
ネットでは、対局後の加藤九段が一局を振り返る「感想戦」を行わず将棋会館を後にしたことが話題に。SNSでは加藤九段の対応に賛否あったものの、
「加藤一二三の感想戦しない気持ち、かっこいいと思った」
「よっぽど悔しかったんかなぁ。最後までレジェンドだった」
など、最後の戦いを終えた御大を称える声が多くあがった。
また対局後、報道陣を振り切り無言で会館を去った加藤九段があえてツイッターで胸中を語ったことにも
「感想戦なしでTwitterアップしてるひふみんは、現代っ子みたい」
「ツイッターで感想戦もいつか期待」
など、キャラクターが愛される“ひふみん”らしいと注目を集めていた。
[via:http://www.oricon.co.jp/news/2092809/full/]
感想戦、マスコミの取材をすっぽかした理由
引退についてコメントを求める多くのマスコミに対しても、コメントを拒否した加藤九段。普段は饒舌な加藤九段が言葉を発しなかったのは、理由がありました。
引退表明の翌日、マスコミの取材を受けた加藤九段。先日取材を受けなかった理由について「一番最初は、家族に報告したかったから」と語りました。
棋士・羽生善治さんの妻である羽生理恵さんは、このようにツイートしました。
「先生、私、号泣です」
#加藤一二三 対局から一夜明けたインタビューで『引退会見をしないで帰宅したのは、まず帰宅し今まで支えてくれた家族に報告し、お疲れ様、有難うと家族と励ましあってからだと思う。記者会見はその後だという認識。それが自分の常識です』と。記者会見より家族に報告!先生、私 号泣です。 pic.twitter.com/IOgm7gZ61y
— 羽生理恵🐰うさぎファース党 (@yuzutapioka) June 21, 2017
あの時、加藤九段が取材を受けなかったのは「面倒だったから」「マスコミが嫌いだから」といった理由ではありません。
棋士としての自分を長年傍で支えてくれた、大切な家族…加藤九段は、棋士としての人生に幕を引いたこと、そして感謝の気持ちを家族に伝えたかったのです。
「取材受けずに帰るのか、大人げないなあ」と思っていたけど、そんな理由があったんですね。感動しました。ひふみん、本当にお疲れさまでした!家族思いの優しい方ですね。これが、加藤一二三という棋士なのですね。生きざまを感じました。
本日を持ちまして、わたくし加藤一二三は公式戦からは現役を退く運びとなりました。当時の史上最年少記録となる14歳7ヶ月でのプロデビュー以来、63年もの長きに亘り、各棋戦を主催いただき多大なる御支援賜りましたすべてのスポンサーの皆様、報道関係者の皆様には、心より厚く御礼申し上げます。
— 加藤一二三【2024年棋士デビュー70周年 皆様への感謝を込めて】 (@hifumikato) June 20, 2017
10歳のとき新聞の観戦記に触れ将棋の本質を悟ったわたくしが、天職である将棋に、最善の環境の中、生涯を懸け全身全霊を傾け打ち込むことができましたのは、御支援賜りましたスポンサー、将棋ファンすべての皆様おひとりおひとりのおかげに他なりません。幸せな棋士人生をありがとうございました。
— 加藤一二三【2024年棋士デビュー70周年 皆様への感謝を込めて】 (@hifumikato) June 20, 2017
[via:http://news.livedoor.com/article/detail/13241289/]
『アウト×デラックス』引退翌日に独占インタビュー
29日の『アウト×デラックス』(フジテレビ 毎週木曜 後11:00)は、「加藤一二三九段アウト名人への道」と題して、同番組に加藤九段が初登場してからの5年間の名場面が紹介される。
引退が決まった対局後には一局を振り返る「感想戦」を行わずに将棋会館を後にするなど、最後まで棋士としてのプライドと負けず嫌いな一面で魅了。
番組では、引退翌日にインタビューを行い、ひふみんがこれからの生き方や将棋界の未来について語っている様子も放映される。
[via:http://news.livedoor.com/article/detail/13241289/]
ネットの反応
・あの場で感想戦をしなかったのは、家族と棋士人生の感想戦をしたんだね。
・長年支えてくれた家族に感謝してから記者会見に臨む、それが当然の振る舞いだと思うと話されていました。
・え、加藤一二三先生、棋士の美学じゃなくて家族サービス優先だったんだ。お疲れ様でした。
・こりゃ負けるなぁって分かって自分でタクシー呼んで感想戦断ってとにかく帰ってまずは家族に負けましたって報告するってなんか泣けてきた
この人、ビートたけしと同類なのか、何言ってるか分からない。