中国漁船と海上保安庁巡視船との衝突で注目を集める沖縄・尖閣諸島。
調べてみると、日本固有の領土でありながら私有地のため上陸は禁止され、一目見るだけで280万円近くもかかる孤高の地であることが分かった。
尖閣諸島は魚釣島、北小島、南小島、久場島、大正島という5つの島と3つの岩礁で構成される。
明治時代に福岡出身の実業家・古賀辰四郎が大正島以外を開拓し、アホウドリの羽毛採取やかつお節生産といった事業を興した。
明治末期の最盛期には99戸248人が移住したが、1940年には資源の枯渇や渡島の燃料調達が難しく、無人島に。
古賀家が78年に旧知だった埼玉県の個人に売却し、現在に至る。
登記簿によると、現在の所有者は同県内で不動産賃貸業などを営む男性。
男性は2002年から魚釣島、北小島、南小島を総務省に賃貸。
3島を管理する内閣府は「平穏かつ安定的な維持管理のため賃借している」と説明し、年間約2450万円の借地代を男性へ支払っている。
大正島は国有地だが、久場島は男性の母親名義で、1972年から防衛省(旧防衛施設庁)が賃借し、「黄尾嶼射爆撃場」として米軍に演習場として提供。
だが、79年以降は使われていない。
この尖閣に行き、上陸するには、どういう方法があるのか。
内閣府は「上陸は、平穏かつ安定的な維持管理のため、何人も禁止している」と説明。
人の行き来は年に1回、海上保安庁の職員が灯台の保守管理で上陸する程度という。
「日本の領土なのにおかしな話です」と憤るのは、日本最西端・与那国島の実業家、新嵩喜八郎氏(63)だ。
新嵩氏は30年以上前から領土保全運動のため尖閣諸島に通い、魚釣島の灯台建設や管理にかかわってきた。
だが、使用する船が使用目的外や近海を航行する設備を満たしていないなど、海保が船舶安全法違反を厳格に適用するため、同乗者を募ることはない。
同法に従って尖閣を見に行くには、かなり大きな船の調達が必要で、新嵩氏は「まず(調達は)無理でしょう」というから海路はあきらめるしかない。
一方、日本の領土問題をルポした『誰も国境を知らない』(情報センター出版局)の著者で旅行作家の西牟田靖氏(40)はこう話す。
「2006年、取材で与那国島を訪れた際、『行ってもいい』という船主を見つけたが、『スケジュールがいっぱい』という理由で断られた。そこで那覇から小型機をチャーターして島の上空を約25分間旋回してもらった。
魚釣島はかなり大きい島だが、人の住めるような場所ではない」
ちなみに当時、航空会社から提示されたチャーター代金は最大3人乗りで、56万~62万円。
現在、この航空会社は事業を行っていないため、那覇空港から別会社のヘリコプターをチャーターし、石垣空港経由で15分間、尖閣を旋回すると約275万円-。
尖閣は政治的にも経済的にも日本で最も行きづらい領土となっている。
[ZAKZAK]
国が買い上げた以上は責任を持って整備しなきゃな
中国人が来たら殺してしまえ!