『秘湯ロマン』旅人の梨木まい
日曜深夜26時55分。ピアノの調べとともに美女が登場し、都会の喧騒を離れた山あいの温泉に浸かり、宿を満喫する──。隔週深夜の放送ながら根強い人気で20年間放送を続けてきた長寿番組のロケに密着した。
テレビ朝日『秘湯ロマン』には派手な観光案内や大げさな食レポはない。賑やかな演出が多い民放番組の中において異色の構成だ。
ナビゲーターである 「旅人」の美女は人気を得てしばし話題にのぼることも多い。1998年の放送開始から今年で20年。放送は420回を超え、各地を案内してきた旅人は100人以上。この長寿番組の秘密とは一体何なのだろうか。
9月某日、長野県。ロケ一行は昼過ぎに湯田中温泉の老舗旅館「よろづや」に到着した。この日の「旅人」は、女優として活躍する梨木まい。ロケ隊は彼女を入れて6名と意外にも小所帯だった。
宿に到着するなり撮影が始まる。露天風呂など共同浴場の撮影は、一般客の邪魔にならぬよう撮影時間が限られているため時間との勝負でもある。ここでロケ隊の長年にわたって蓄積されたプロの技が光る。
タオル姿の梨木は、木漏れ日の中で温泉に浸かりながら、目を閉じて恍惚の表情を浮かべる。そこに余計な説明はない。
この静寂のなかで色気をも捉える演出は同番組ならでは。台風一過の大晴天も後押しし、短時間ながら美しい映像を収められた。
温泉街を紹介し、宿に戻って内観、屋内大浴場、自慢の郷土料理、と撮影は進む。この宿だけで3回目の入浴シーンとなる内風呂撮影を終えた20時にロケは終了した。
タイトな1日だったが、ロケ隊はさらにこれを数日繰り返す。
それでも「前日は撮影中に地元のおばあさんが入浴にいらして、旅人と仲良くなるひと場面もありましたよ(笑い)」(ディレクターの有馬廉士氏)と、分刻みのスケジュールながら道中の出来事を楽しむ余裕も忘れていない。
旅人には素肌が美しく清潔感のある20~40代の女優が起用される。明確な基準はないが自ずと温泉と温泉地に調和する女性が選ばれてきた。番組が培った雰囲気を連綿と続けてきたこの姿勢が人気の秘訣なのではないだろうか。
今回の撮影は、全5日間のロケ日程になる。これまで何度も旅人として登場してきた梨木は、「スタッフと5日間ずっと一緒にいるので、ロケはまるで家族旅行のような雰囲気です」とほほ笑んだ。明日はまた別の温泉地へと旅立つ。
※今回の撮影の模様は、11月18日深夜に放送予定
[via:NEWSポストセブン]
https://www.news-postseven.com/archives/20181018_781597.html