2010年も残りわずかとなり、音楽業界でも年間売り上げベストなどの各種統計がまとまりつつある。
AKB48と嵐がCDのアルバム売り上げの上位を独占する一方、今年はケータイやPCを通じたダウンロード販売の不調ぶりが際立っているという。
「ファンが特典目当てに複数枚購入するAKB48と、旬を迎えた嵐が非常に好調である一方、2009年まで業界のけん引役であったダウンロード系のアーティストがヒットを出せませんでした。西野カナが小ヒットを飛ばしたくらいで、JUJUや青山テルマ、SEAMOといったダウンロードでブレイクした歌手は早くも過去の人になりつつあります。これは、ケータイユーザーの多くがスマートフォンに移行し、YouTubeの利用が増えたことに加え、ここにきて違法ダウンロードがまた活況を呈していることも一因です」(レーベル関係者)
実際、株式上場を果たしている着うた配信会社の決算短信資料をみると、本年度のダウンロード販売は各社とも軒並み不振に陥っている。
「CDパッケージ販売からダウンロード販売へ」と期待を込めて語られていた業界スローガンはすっかり色あせた形だ。
「そこで見直されているのが、CDを今も買っている30代後半~50代のシニアマーケットです。DVD付の初回特典盤はもちろん、CDにブックレットや写真集、さらにはTシャツ等をセットにすることで、付加価値をつけて利益率を高める販売戦略ですが、業界全体がAKB48モデルへと向かっているとも言えますね」(前出・レーベル関係者)
一方、何かと話題となることの多かったのがK-POPと呼ばれる韓国出身の歌手やグループ群。
少女時代やKARAといった女性グループが人気を呼んだが、CDの売れ行きはそれほどでもない。
「K-POP系はどれも話題先行型で、少女時代が夏に出したアルバムも10万枚に達していません。これはCD購入の主力である30歳以上のファンを取り込めていないことも大きいでしょう。K-POPに関しては、やはり本命候補はポスト東方神起となりうる男性グループ。徐々に人気を集めている FTIsland、2PM、SHINeeあたりの中から、アラフォー女性の心をガッチリつかむグループが出るかどうか」(音楽雑誌編集者)
若年層の人数減少と収入低下が進む中、10~20歳代のマーケットはどうやら蚊帳の外に置かれているようだ。
昭和80年代半ばの頃ビックリマンシール集めが流行ってビックリマンチョコのシールだけ取ってお菓子はあちこちに捨てられてあったのを思い出した
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