漫才日本一決定戦「M-1グランプリ2021」の決勝が19日、行われ、お笑いコンビ錦鯉が悲願の初優勝を果たした。
長谷川雅紀(50)は昨年49歳での「最年長ファイナリスト」に続いて、「最年長チャンピオン」の栄冠を、相方の渡辺隆(43)とともに手にした。今回で第17代目の王者となる。
松本人志ら審査員7人中5票を集めて優勝が決まった瞬間、長谷川は感極まって号泣し、相方の渡辺隆(43)と抱き合った。
優勝直後、号泣した長谷川雅紀。「相方が僕に抱きついてきて、耳元で『ありがとう』って言ったんですよね。それで涙があふれてしまって。普段、ありがとうって言わない人間なので」と明かした。
最終決戦では「街に出た猿との戦い」をテーマに爆笑をさらった。オール巨人がオズワルド、上沼恵美子がインディアンスに入れた他は、立川志らく、サンドウィッチマン富澤たけし、中川家・礼二、ナイツ塙宣之、ダウンタウン松本人志の5人が錦鯉に投票した。
富澤は「賞金で歯、入れてください」と言いながらベテランの奮闘に目をうるませた。
塙は「本当、ごめんなさい。モグライダーが残念でなりません」と、冗談交じりながら、言葉を詰まらせて目頭をおさえた。
M-1は08年以降、吉本興業所属芸人の優勝が続いており、07年のサンドウィッチマン(グレープカンパニー所属)が吉本以外で“最後の優勝”となっていた。
塙が所属するナイツもマセキ芸能社所属で、優勝候補にたびたびあげられながら悲願に届かなかった。2人は錦鯉に対して、そんな共通点からくる感情もあったのかもしれない。
◆錦鯉
ソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)所属。長谷川雅紀(71年7月30日、北海道生まれ)と渡辺隆(78年4月15日、東京都生まれ)によるコンビ。12年結成。2年連続決勝進出で、昨年49歳の長谷川はファイナリスト最年長記録。
[via:日刊スポーツ]
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202112190001049.html
SMAお笑い賞レース3冠
非吉本勢の優勝は、2007年のサンドウィッチマン以来となったが、これにより、2人が所属するSMA(ソニーミュージックアーティスツ)が、2012年に『キングオブコント』を優勝したバイきんぐ、16年に『R-1ぐらんぷり』を優勝したハリウッドザコシショウ、翌17年に優勝したアキラ100%を擁することから、非吉本勢で“お笑い賞レース3冠”の快挙を達成する形になった。
M-1 優勝者一覧
2001年度 中川家
2002年度 ますだおかだ
2003年度 フットボールアワー
2004年度 アンタッチャブル
2005年度 ブラックマヨネーズ
2006年度 チュートリアル
2007年度 サンドウィッチマン
2008年度 NON STYLE
2009年度 パンクブーブー
2010年度 笑い飯
2015年度 トレンディエンジェル
2016年度 銀シャリ
2017年度 とろサーモン
2018年度 霜降り明星
2019年度 ミルクボーイ
2020年度 マヂカルラブリー
[via:オリコン]
https://news.yahoo.co.jp/articles/3f7b80d32d858ec88b7264d932a535ddb5b3057d
ザコシ&小峠にネタ見せ
渡辺:去年、松本さんに「パチンコのネタがわからない」と言われたので、合コンはやってると思うので合コンのネタをやってみました。それでいい結果が出たので、わかりやすいネタをするといいと学びました。
長谷川:同じ事務所の先輩のハリウッドザコシショウ、バイきんぐ小峠にネタを観てもらって初めてアドバイスをしてもらった。それがつながったと思います。本当に感謝しかないです。
渡辺:最終的には「やりたいようにやれ」って言ってくれました。それが一番いい力が出ると。
[via:お笑いナタリー]
https://news.yahoo.co.jp/articles/cbba97ff9e95b3c4c81095554712473a7bacc115
「芸人の墓場」と呼ばれた事務所
かつては所属先を解雇された芸人たちが最後に行き着く「墓場」とも呼ばれた。錦鯉やバイきんぐなどを見いだし、人気事務所に押し上げた一人のマネージャーの存在を追う。
M-1決勝に、今年も駒を進めた錦鯉。昨年のM-1決勝では4位に終わったが、年齢(長谷川雅紀49歳、渡辺隆42歳/当時)でも注目を集めた。
50歳目前での決勝進出は初の快挙だったからだ。20代でお笑いを始めた長谷川が、現事務所のSMAに所属したのは34歳。SMAには錦鯉のような遅咲きの芸人が多く所属する。
昨年まで世間からノーマークだった二人をブレークさせ、その他にもバイきんぐやハリウッドザコシショウ、アキラ100%といった賞レース王者が輩出したSMA。他所から解雇された芸人を「再生」したマネジメント術は大きな注目を集めた。
その立役者が部長の平井精一(53)だ。
「錦鯉は売れる要素を備えていたと思います」
30年近く芸人を見てきた平井は、錦鯉と売れている芸人に共通点があると話す。その一つが「スキがある」ことだ。
「お笑いの偏差値が高いと、自分でオチまで用意してしまう。それも一つの正解だと思いますが、番組だったらそこで展開が終わってしまう。
でも、長谷川はスキだらけだから、司会者や共演者に突っ込まれてさらに笑いが生まれる。そうすると制作側もまた呼びたくなるんです」
キャッチボールの中でさらに大きな笑いを生む、それが長く残る秘訣だと考えている。
「あとは笑いに対して真面目なこと。長谷川や渡辺はお笑いに対するしっかりとした意見を持っているから、建設的な話し合いができたんです」
錦鯉のツッコミ担当・渡辺は平井を「非情」と評する。
「仲間内で楽しそうにやっている売れない芸人に『それは違うよ』って言える人。これまで頑張ってきたからとかそんなのは関係ない。
若い頃は、いつか誰かがわかってくれると思いたがるものなんですが、平井さんは『自分が変わらなければ誰も気づいてくれないこと』を教えてくれました」
事務所の若手にはわかりやすいネタ、最短経路でウケるネタを作れとたたき込む。錦鯉が長谷川の「おバカ」キャラクターを前面に出して一皮むけたのは、まさに「わかりやすさ」そのものだ。
「まずはわかりやすいネタで目を引く。ただそれだけだとあっという間に消費されちゃうからトーク力も必要です。テレビと同じくらい動画が力を持つ時代になった今でもそれは変わらないと思うんです」《中略》
SMA入所時はマッサジルという別のコンビを組んでいた長谷川
錦鯉・長谷川「みんなやる気になった」
事務所ライブは月一回、ネタ見せは毎週行われている
SMAには募集からひと月で30組の芸人が集まっていた。平井が最初に狙ったのは『爆笑オンエアバトル』(NHK)だ。観客が評価するそれまでなかったタイプの番組で、幅広い芸風を受け入れる懐の深さも特徴だった。平井は、所属芸人のネタを録画・編集して局の担当者に売り込んだ。
「芸人のキャスティング担当者が音楽畑の頃から面識がありまして。新しい事務所に興味を持ってくれたんです」
オンバトという目標を設定して平井は芸人たちの競争を促した。錦鯉・長谷川はこのシステムに感銘を受けた。
「当時、他の事務所は売れている一部の人間しかテレビに出られませんでした。SMAではライブの成績で明確に序列を作り、一番上のクラスでトップにいればテレビに出られるかもしれないというわかりやすいシステム。みんなやる気になりましたね」(錦鯉・長谷川)
平井は芸人たちの目の色が変わるのがわかった。
「目標がないと芸人も事務所も不幸になります。目標を与えたら努力を求める。それが僕の仕事だと思ったんです」
<ここで頑張ったらいいことがある>
「エンタの神様」(日本テレビ系)でコウメ太夫が人気を博したことは事務所にとって明るいニュースだった。
「意外と不器用なところがあって、売れるのは厳しいかなって、最初は思っていたんです」
平井の助言で、そりの合わない構成作家を変えたのが功を奏す。「裏声で演じた方がいい」「締めに怒った方がいい」というアドバイスも素直に聞き入れるようになった。その翌月にはテレビからコウメ太夫に声がかかるようになった。
この頃から、お笑い番組のスタッフがSMAのライブにカメラを入れて、ネタをチェックし始める。
「どんどん芸人を受け入れているから、テレビ向きの新しい人材が現れる可能性があったんです」
生き馬の目を抜く芸能界で、平井はSMAという事務所が徐々に認知されていることを感じた。ここで一番を取れと、平井はくすぶる芸人たちに言い続けた。
一流大学を出てお笑い界に入ったにたりひょん吉も、平井の薫陶を受け露出を増やしつつある
「東京では人気者はなかなか芸人にはなろうとしない。クラスでCランクの人気者が芸人になって一発逆転を夢見るけど、努力は簡単には報われない。でも、せっかくこの世界に入ったんだから、ここで頑張ったらいいことあるよってずっと言い続けました」
やがて、AMEMIYA、キャプテン渡辺など人気芸人が生まれる。さらに2012年、バイきんぐが「キングオブコント」で優勝したのが事務所にとってさらなる転機となった。《後略》
[via:Yahoo!ニュース]
https://news.yahoo.co.jp/articles/3167efa346120a168d1414a8c5d36d2c8c65fadc
ネットの反応
・長谷川の涙からの塙や富澤の涙は、本当に来るものがあった。笑いと涙は背中合わせ。
・富澤や塙からしたら先輩だからな。
・今年のM1は素晴らしい大会だったと思う。腹抱えて笑ったラストで涙腺が緩んだ。
・富澤は苦労してM1で結果を出し人生を変えた経験があるからそれを思い出してウルっと来たんだろうね。
・非吉本芸人として、切磋琢磨してたんだなと
・かつてないほど面白いM-1だったと思ったし、誰が優勝しても納得。
・優勝したコンビが泣いて、審査員も泣く。お笑いのコンテストなのに。観てる方も泣いた。
・若くてすぐ売れた第七世代もいいけど、こういう何年も苦労したコンビが活躍するのは嬉しいよね。
・M-1、KOC、R-1の3大タイトル制覇したの吉本の次がSMAだもんな、スゴいね!
・ソニーの芸人だったんだ中々快挙なんじゃないの
・SMAの持ってる劇場が音吸収するタイプだから所属芸人はみんな声でかくなって賞レース強いらしいな。
・SMAって今やメインストリームなんだよなあ、ドキュメンタルの覇者二人いるし
・そんななかソニーをやめたモダンタイムス
・SMAにはもう駒がねえよ
・SMAは音楽も役者もお笑いも全部強くなってきたな
・巨人と上沼の二人が錦鯉選ばなかったのが審査員の特徴をよく表してるな