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博報堂「ビジネスパートナーへの配慮」ジャニーズ事務所への忖度認める セクハラ問題などの記述削除で騒動

大手広告代理店「博報堂」が発行する雑誌『広告』で、ジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川氏の問題を取り上げたものの、同社広報室長の判断で掲載が見送られていたことが分かった。

広報室は取材に「当社のビジネス上配慮が必要とした原稿に関しては、掲載の可否含め編集長と相談の上、判断をしています」と答える。

「今号の検閲は、本当に無意義だった」

博報堂が1948年に創刊した『広告』の最新号(2023年3月31日発売)では、「文化」を特集テーマに35本の記事を掲載した。

社会学者・田島悠来氏と批評家・矢野利裕氏の対談では、「ジャニーズは、いかに大衆文化たりうるのか」との表題でジャニーズの歴史を紐解いた。

しかし、記事末尾には「本記事は、ビジネスパートナーであるジャニーズ事務所への配慮の観点から、博報堂広報室長の判断により一部表現を削除しています」と記されていた。

矢野氏は3月31日、投稿サイト「note」で内情を打ち明けている。

対談では、英BBCが報じたジャニー喜多川氏の「セクシュアル・ハラスメントの問題」について言及していたものの、編集サイドから終了後に

「博報堂という企業の立場上、一部の発言が使えない可能性があります」

「自分もそのような企業文化は良くないと思ってる」

などと伝えられていたという。

削除された部分も公開しており、「必要以上の『配慮』をする博報堂広報室に強い疑義を呈すると同時に、もし組織内での交渉・闘争があったのならば、その点に関しては敬意を表したいと思います」とコメントしている。

編集長で博報堂社員の小野直紀氏は、SNSでnoteを引用し「今号の検閲は、本当に無意義だった」と「検閲」という強い言葉を使って会社の対応を疑問視している。

小野氏は今回の号で編集長を退任となり、今後の体制は未定となっている。

博報堂の見解

博報堂広報室は3日、J-CASTニュースの取材に、『広告』は自社の広報誌という位置づけだとした上で、「記事については、編集部・編集長が企画・編集していますが、最終的には発行人として博報堂広報室長が記事内容について確認をしています」と掲載手順を説明する。

今回の騒動に限らず、「当社のビジネス上配慮が必要とした原稿に関しては、掲載の可否含め編集長と相談の上、判断をしています」としており、「検閲」との批判への受けとめを尋ねたが「詳細につきましては、編集上の守秘義務等もございますので、当社からは差し控えさせていただきます」とのみ答えた。

削除の検討、判断は「ジャニーズ事務所様は全くご存知なく、当社のみでの判断となります」としている。

[via:J-CAST]
https://www.j-cast.com/2023/04/03459165.html

削除された矢野氏の発言部分

著作権や肖像権管理の厳しさだとか、あるいは囲い込み、独占するようなコントロールをマスメディアに対して影響力を持ってやってきて……。いまの時代はとくに、メディアの独占的なコントロールやハラスメントなどはその問題性を追及されるべきところだと思います。

広報室長の判断で削除

博報堂が発行する雑誌『広告』で、ジャニーズ事務所による「メディアの独占的なコントロールやハラスメント」に言及した箇所が削除されていたと著者が訴えていた件について、『広告』編集部が削除は事実であると認めました。《中略》

矢野氏によるnoteの記事のなかでは、対談後の『広告』編集部サイドとのやり取りについても触れられています。

対談中に矢野氏が創業者・ジャニー喜多川氏による性加害、ジャニーズと博報堂の関係性に言及したところ、終了後に小野編集長をはじめとした編集部サイドから、「博報堂という企業の立場上、一部の発言が使えない可能性があります」という趣を、申し訳なさそうに言われたとのこと。

矢野氏は一方で、編集部サイドから「自分もそのような企業文化は良くないと思ってる」「だから、不本意なことがあったら(対談後の記事校正時に)がんがん書いてくださってけっこうです」という言葉もかけられたとしています。

矢野氏の証言からも編集部サイドは報道機関が持つ独立性「編集権」を意識していたことがうかがえます。《中略》

矢野氏は削除の経緯について、推察の部分が多いとしつつも、

「話したときよりいくぶんマイルドな表現にすることで編集部サイドはぎりぎりのラインで矢野の批判的言及を残してくれた。

しかし、上がってきた原稿に対して『博報堂広報室長』がNGを出した。とはいえ、編集部の独立性を全面的に譲ることにならないように、『削除』の事実および『削除』の主体を明確にする付記を載せた」

と考察しています。

【関連リンク】
批評家 矢野利裕氏による告発
博報堂の雑誌『広告』(2023年3月31日)におけるジャニーズをめぐる対談の「削除」について

編集長が抗議したワケ

小野編集長は4月4日、『広告』編集部によるnoteの記事で、その経緯について詳細を説明しています。

広報室長からジャニーズへの配慮を理由に一部表現の削除を要求されたものの、小野編集長はその場で削除要求の拒否および抗議をしたとのこと。

①利害関係、人間関係にまつわる忖度はある程度理解するが、そこに社会問題や犯罪がかかわる場合の忖度は不適切である。

②社外の方の発言であり著作者人格権の侵害にかかわる問題である。

③削除したほうがリスクがある(話題になる)。

編集長が広報室長に提示

また、小野編集長は覚悟を示すため、「もしそのまま掲載して何か問題が起きたら、自分がクビになることはまったく構わない。自分が取れる責任はすべて取る」と伝えたとのこと。

しかし、設定していた校了予定日を約1週間過ぎており、雑誌が発刊してしまう可能性があったため、要求を呑む代わりに該当箇所を別の表現に変更するか、削除の旨を明記するか、という2つの選択肢を広報室長に提示したといいいます。

①以下の言葉を別の表現に変更する。
「メディアの独占的なコントロール」「ハラスメント」

②上記を含む矢野氏の発言を削除し、その旨を以下の文面を記事の末尾に記載する。
「本記事は、ビジネスパートナーであるジャニーズ事務所への配慮の観点から、博報堂広報室長の判断により一部表現を削除しています。」

広報室長が選択したのは②でした。

小野編集長は今回の削除の背景について、

「ことなかれ主義、隠蔽体質、ブラックボックスでのやりとり。これらは広告会社の悪しき『文化』です。すべてが不正とは思いませんが、今回のような不適切なケースについては決定権を持つ上層部が先導してなくしていくべきだと考えます」

と言及。「博報堂のいち社員として、間接的にでも博報堂の悪しき慣習に加担していることを自覚したうえで、博報堂の善い部分が強化され、悪い部分が浄化されることを心から願います」と述べています。

【関連リンク】
雑誌編集長による経緯説明
『広告』文化特集号での広報室長判断による一部表現の削除について

[via:ねとらぼ]
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2304/03/news095.html


博報堂の雑誌「広告」[1959年(昭和34年)]

ネットの反応

・まぁこんなもんよな
・やっぱり忖度あるんだね
・博報堂らしい対応
・ビジネスパートナーなら性的虐待加害も容認しますって?
・大手のくせにモラル低いねぇ。
・電通といい、広告代理店はどこも腐ってるな。
・広告会社の自主規制
・削除したことで却って話題になると考えてやったのかもよ
・ジャニーズ事務所への「忖度」を赤裸々にしつつも、結果的に「忖度」を貫く。これが現在の博報堂のバランス。
・そもそも『広告』誌は論壇誌でもジャーナリズムでもなく、博報堂の広報誌(PR誌)。
・博報堂は報道機関ではない。
・自称公正中立なマスゴミならともかく、広告代理店がクライアントに配慮するのは当然だろ。
・闇深いけどパートナーシップ考えるとそらそやろって感じやなぁ
・「忖度」を明示したのが驚き。
>当社のビジネス上配慮が必要
・それを忖度という。
・忖度って言葉をあの時みんな学べてよかったなぁ
・隠したって事は真実なんだろな
・博報堂だろ そらジャニ敵に回せんだろ
・辞めたJr小原裕貴を引き取ってるからね
・たかがアイドルの事務所ごときになんでそんなに忖度するの?忖度して何になるの?
・いっその事ジャニーズなんて潰れた方が芸能界の為にはいいと思うよ
・広告代理店て全部腐ったイメージしかないんじゃが
・大手広告代理店は全て国民の血税を盗む消費者の敵
・ジャーナリズムは無い。真実よりビジネス優先と言う日本メディアの実態が明らかに。
・さすが報道の自由ランキング下位の国
・自浄能力が無い業界だな
・この内容こそ視聴率やスポンサーを気にしなくて良いNHKが取り上げるべき。
・今のジャニーズにビビってるメディアは情けない
・結局、日本のメディアは忖度しないと生きていけない状況になったってことか。
・あとは週刊誌か…まともなジャーナリズムを期待します
・メディアやマスコミがこの問題をスルーして、どの口が「ハラスメント撲滅」や「ダイバーシティの推進」とか言うねんて話や。
・この編集長は別の活動場所を見つけて頑張ってほしい。

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コメント

  1. 1
    名無しさん 2023/04/07 23:29

    報道だのジャーナリズムだの格好付けても所詮は商売、ビジネス、金儲け。
    放送法の解釈を巡る問題にしても、言論の自由が~等と問題視しても、結局は野球WBCの話題が視聴率稼げると見ればトップニュースになる。
    この国では報道なんてのは自分たちの金儲けになるかどうかだ。
    そんな報道姿勢の政治批判に正義を感じるのは反権力思想の強い左翼だけ。

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