実はチョコレートの原料のひとつであるカカオの生産を取り巻く環境が、ここ数年で大きく変化している。
農家の後継ぎ問題やバイオ燃料への利用により、カカオの需給バランスが大きく崩れ始めているようだ。
近年、発展目覚ましいアフリカは、チョコレートの原料カカオの世界的な生産地である。
2009年の統計によれば、カカオの総生産量の約70パーセントをアフリカが担っている。
ところがここ数年で、カカオの生産農家を取り巻く環境が大きく変わり始めているようだ。
ガーナに拠点を置く「ネイチャー・カンバセーション・リサーチ・カウンシル」によると、カカオ生産農家の後継ぎ問題が深刻になっているという。
カカオは収穫を得られるまでに3~5年かかる。
手間がかかる割りに、儲けの少ない農業に就きたくないと考える若者が増えているようだ。
若者たちは農地を離れ、都市部へ移住してしまうケースが後を絶たない。
そして、チョコレートの消費量は世界的に拡大の一途を辿っているにも関わらず、生産量は落ち込む一方。
それに追い討ちをかけるように、最近バイオ燃料としての需要が高まっており、カカオそのものが不足する事態が懸念されている。
これ以上カカオの生産が落ち込んだ場合には、「代替品としてキャロブ(イナゴマメ)を普及させるしかない」と、指摘する料理専門家もいるようだ。
その反面、「何らかの打開策が生まれるはず」と楽観視する見方もある。
しかし「すぐではないにしても、いずれ高級品になる日が来るだろう」と、別の専門家も価格上昇は必至の事態と予測しているのだ。
どうやらチョコレートの未来は、決して甘くないようである。
[ミッドデイ]
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