吉木りさに怒られたい
予告動画の再生回数は90万回を超えるなど注目の番組を手がけた高橋弘樹プロデューサー(33)に、吉木さんの起用理由や番組誕生秘話を聞いた。
◇AD時代の妄想から......
番組は、2013年2月に深夜の単発枠で放送され、「画面越しに美女たちに激怒される」という斬新な内容で話題を集めた番組「美しい人に怒られたい」が進化したもので、8月限定のレギュラー番組として1日から放送中。
美しい人に怒られたい
グラビアクイーンの吉木さんに会った瞬間から、番組としての手応えを感じたという高橋プロデューサーに起用理由を聞くと、「普段怒らないイメージの人がいいと思った。まったく怒らなそうな人が怒っている方が、意外性があってびっくりすると思った」と明かす。
可愛い笑顔を振りまいているグラビアのイメージから「明るくて、常に笑顔で、怒らないイメージ」という吉木さんのキャラクターに加え、「"薄い顔"の人の方が、怒っても愛せると思った」とビジュアル面でもぴったりハマッたと明かす。
◇「普段から怒らない」吉木さんは当惑そして"大デレ"へ
第1話「部下をすぐ『さとり世代』とディスる男に怒る美女」の放送後には、「怒りすぎ」「怖すぎ」という感想も寄せられたが、番組はアドリブではなくちゃんと脚本が用意されている。
視聴者がまるで吉木さんと話しているような感覚になるように、吉木さんに向かって語りかけるセリフはテロップとして登場するが、撮影では高橋さんがテロップ部分のセリフを担当。
「普段からあまり怒らない」という吉木さんにとっては当初戸惑いもあったが、「もっと怒って」という高橋プロデューサーの演技指導のおかげもあって、「だんだんやってくるうちにスカッとするのか、ツボをつかんできた」という。
吉木さん自身、ツイッターで「自分で見ても怖い」と紹介するほどの怒りっぷりだが、吉木さんと「1メートル強ぐらいの場所」で"お説教"を受けた感想について、高橋プロデューサーは「トラウマになるんじゃないかぐらい怖かった......」と漏らす。
一方で、VTRの最後には、吉木さんが大きく"デレる"キュートなシーンが盛り込まれるため、「怖いのを我慢した分だけ、最後が相当かわいい。スタッフもみんな吉木さんのファンになっていた」とそのギャップにメロメロだったことを明かす。
◇"怒られ経験"が脚本に
第1話では、"激ギレ"する吉木さんが見られたが、今後もさまざまな怒られパターンが登場する。放送作家2人とともに脚本を手がけた高橋プロデューサーは、「いろんな人に怒られることが多かったから、怒られるパターンをすごく持っていた」と"怒られ経験"が脚本に生きたと語る。
一方で、自身に対しての自戒を込めて書いている部分もあるといい、「僕が一番胸が痛いと思う......」と苦笑いも。
番組の今後について、「レギュラーでできたらうれしい」と話した高橋プロデューサーは、「金曜日は一週間を総括する日。失敗したこともあると思うし、飲み会で部下にいやな説教をしてしまったりした日もあると思う。吉木さんに怒られて、週末を有意義に過ごしてください」とユーモアたっぷりに呼びかけた。
「吉木りさに怒られたい」は、毎週金曜深夜1時53分から放送。放送終了後には、グラビアアイドルの中村静香さんなどが"怒る美女"として登場する姉妹番組「新・美しい人に怒られたいWEB」が、「テレ東プレイ」で配信中。[MANTAN WEB]
http://mantan-web.jp/2014/08/08/20140807dog00m200041000c.html
■『吉木りさに怒られたい』番組としての評価は?
当初から、ネットユーザーたちを意識した番組作りのため、ネット上で話題を集めるのは当然のことと指摘する関係者。
しかし、番組冒頭から「なんだこら!」と怒りの声を上げる吉木に対して、ネット上では、「怖すぎる」「想像以上」といった意見があり、ときおり発せられる、漫画『島耕作』に関連したワードや、政治学者の「カール・シュミット」や、就職難や貧困の悩む現代の若者だが、その実態は幸福であると謳う『絶望の国の幸福な若者たち』で有名な古市憲寿の「ふるいちでも読んで出直せ」といった言葉に共感するコメントも多く寄せられている。
しかしその一方で、迫真の演技を見せる吉木や、その少々マニアックな物言いには、「なんか違う」「もうちょっと諭すように怒ってほしい」「うまいこと言ってるつもりだけどうまくはない」など、違和感を抱く視聴者もいた模様。
番組の予告動画では、怒る吉木が最後に、「お前が好きなんだよ!」と叫ぶというオチが用意されていたが、初回の本放送でも同じような結末があり、ネットユーザーたちの中には、「最後まで怒ってほしい」「媚び売らなくていい」などといった声も見られた。
番組サイドとしては、胸キュン狙いのオチで、「ツンデラ」ならぬ、怒りながら照れる「いかテレ」を狙ったのかもしれないが、一般の視聴者にはウケても、純粋に怒られたい願望の強いネットユーザーにとっては、物足りないラストになってしまったのかもしれない。
いくらネットユーザーを意識した番組といっても、実際に放送されているのは地上波のテレビ放送なわけで、そこに生じる溝をきっちりと埋めるのは難しい。
しかし番組の放送枠は7分間で、実質でいえば5分弱の中身だった『吉木りさに怒られたい』。番組の最後に企業広告が差し込まれているところなどを踏まえると、その構造はネット動画そのものといった印象。
加えて、放送終了後には姉妹番組がテレ東動画で配信されており、まるで今回のテレビ放送がインターネット版の宣伝だったかの印象すらある。[メンズサイゾー]
http://www.menscyzo.com/2014/08/post_8125.html
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