今も昔もエンターテインメント業界に憧れる若者は多いが、業界人に話を聞くと裏方スタッフの中には"どんなに頑張って働いても報われない職業"があることがわかってきた。ここではそんな職業について紹介していきたい。
□ ラジオ局関係者が選ぶ報われない職業
―レコード会社・プロモーター
まず話を聞かせてくれたのは、とあるラジオ局の関係者だ。
「レコード会社の社員であるプロモーターは報われない職業の代表格です。プロモーターという肩書きは立派ですが、一言で表現するなら雑用係です。
プロモーターの中には"局担当"と呼ばれる存在が何十人かいて、テレビ局やラジオ局の担当をさせられるんです。
"局担当"は自分が担当するテレビ局やラジオ局にほぼ常駐して、新曲が出るたびにスタッフに頭を下げてCDを配り、曲を流してもらう依頼をしたりして、アーティストの出演を売り込むんです」(ラジオ局関係者)
プロモーターとは言うなればレコード会社の営業マンというところか。しかし、この職業が雑用係と言われる理由はなんだろう?
「番組へのゲスト出演が決まれば本番当日にプロモーターが立ち会いますが、アーティストが局入りするのを入口で待ち構えたり、番組スタッフに挨拶して回ったり、飲み物を用意したり資料を配ったりと、ADよりも忙しく雑用をこなさなければなりません。
これだけの仕事量を抱え、年収は300万円以下というケースが多いようです」(同・ラジオ局関係者)
低年収で激務のプロモーターは話を聞くだけでも厳しそうだが、それでも成り手はいるらしい。特にアーティストが好きな女性が目指すケースが多いようだ。
□ テレビ局関係者が選ぶ報われない職業
―TV制作会社・アシスタントプロデューサー
次に、どの仕事も激務で大変といわれる、テレビ局関係者に報われない職業について聞いた。
「番組を制作するアシスタントプロデューサーですね。プロデューサーとは名ばかりで、AD業務に毛が生えたようなことしかやっていません。
ロケ弁の手配や台本の印刷業務、スタッフへの連絡などを行うため、徹夜が当たり前みたいですよ」(テレビ局関係者)
AD業務と大差がないように感じるが......。
「何か問題が起こったときの責任を取らされるという点で異なります。プロデューサーと名がついているために不祥事の事後処理は彼らの役目です。
視聴者や取材先へ謝罪に行くのは、大抵、彼らですから。それに制作会社と局や、芸能事務所と番組間の調整を行ったりと、なにかとストレスがたまる仕事も多いですよ」(同・テレビ局関係者)
なんとも、胃が痛くなりそうな仕事ではあるが、晴れて"アシスタント"の文字が取れてプロデューサーデビューを果たすことはあるのだろうか?
「プロデューサーへの登竜門のように思えますが、実際にプロデューサーとなる人は最初からプロデューサーの肩書をもって働いています。
そのため、アシスタントプロデューサーからプロデューサーに這い上がる人はごくわずかなんです。年収は制作会社所属ならば400万円程度。ぶっちゃけADと給料の額面は大差ありません」(同・テレビ局関係者)
レコード会社のプロモーターにテレビ番組のアシスタントプロデューサー。今この瞬間もこの肩書きを背負って働く人が業界内には多数いるはずだ。報われないとは言われているが頑張っていただきたいものである。
しかし、これからエンタメ業界を目指そうという若者には、慎重に検討すべき職業と言っておきたい。
[引用/参照:http://tocana.jp/2015/05/post_6455_entry.html]
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