元プロレスラーのアントニオ猪木が9月13日から18日まで北朝鮮を訪問した。
アントニオ猪木の訪朝は実に20回目とももなり、アントニオ猪木の北朝鮮での認知度は非常に高く、街を歩けばファンが集まってくる人気者ぶりだ。
アントニオ猪木が北朝鮮でここまで人気があるのには、実はこんな理由があるのだという…
アントニオ猪木が今回訪朝したのは彼の主演映画「ACACIA-アカシア-」が「平壌国際映画祭」で上映されるので招待されたことによる。
今回のアントニオ猪木の北朝鮮訪問にはいくつか目的があり、5日間の日程で政府要人2人と会談、「拉致問題」「後継者に関する質問」を率直に尋ねたという。
残念ながら回答は得られなかったが北朝鮮にとってアントニオ猪木はそういう話題を口に出来る存在なのだという。
彼が本題の映画祭以上に緊張したのが万寿台議事堂での勲章授与式だった。
これは猪木が長年に渡りスポーツを通じて日朝の友好に貢献したことから「親善勲章第1級」を授与する運びとなったものだ。
同勲章は外国の大統領クラスにしか与えられないという貴重な勲章であり、北朝鮮が猪木が両国の親善に貢献してきたことを高く評価している証である。
楊亨燮(ヤン・ヒョンソブ)最高人民会議、常任副委員長が直接、猪木の首に勲章をかけると緊張した表情ながら猪木は「元気ですか! 元気があればなんでもできる」といつもよりは声が小さめだが気合を入れた挨拶を。
ではアントニオ猪木がどうしてこれほど北朝鮮から評価されているのか。
その理由はこれまでの彼の実績を見るとよく分かる
彼が初めて北朝鮮を訪れた時はスポーツ平和党から出た参議院議員だった。
当時世界的に「北朝鮮の核疑惑」が問題となっており、猪木は北朝鮮を訪れると政府の要人に「ミサイルが日本に向けられているそうですね」とズバリと切り出したのである。
そんなアントニオ猪木を北朝鮮の国民が知ることとなったのは、1995年に彼が主催した「平和のための国際スポーツと文化の祭典」によるところが大きい。
特にメインイベントのアメリカのプロレスラー、NWA世界チャンピオンのリック・フレアーとアントニオ猪木の対戦は、北朝鮮では本来考えられないカードなのである。
試合会場には38万人が集まりテレビの視聴率は95%となった。つまりほとんどの国民がこのイベントを見ていたことになるのだ。
猪木はその後も主要な大会などに招待されるなどして北朝鮮を訪れており、今回20回目となったのである。
今の若い世代にも人気がありゲームセンターの腕相撲ゲームの顔がアントニオ猪木をモデルにしたものとなっているほどだ。
また、猪木が遊園地を視察していると、彼に気づいたジャージ姿の女子高生と思われる一団が「イノキー!」と叫びながら集まってきた。
嬉しそうに「イノキ」と呼び捨てにするノリはアイドルへのそれと似ている。
彼女らは8人で猪木を囲むと「ダー!」と腕を突き上げてポーズをとり記念撮影していた。
今も北朝鮮の多くの国民から愛されるアントニオ猪木。
これからも文化という面から日朝関係を語る上で、貴重な存在であることは間違いない。
視聴率95%はもの凄いですね。
下手な駆け引きをせず、ズバリと要点をつく姿勢も気にいられたのでしょうか?
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