クラブ創設18年目にしてリーグ初優勝を果たした名古屋からは年間MVP候補7人がエントリーされた。
その中から田中マルクス闘莉王(29)がMVPに選出されれば、Jリーグの品格が疑われかねない。
リーグ初優勝に闘莉王は「クラブハウスのひとたちや社長までみんなで勝ちとった、熱い優勝だ」とご機嫌。
確かに名古屋初Vの立役者であることは間違いない。
しかし、その行動は問題ありだ。
右ひざ内側側副じん帯損傷の検査と治療のため、8日に故郷のブラジルに帰郷することが名古屋から発表された。
名古屋は2011年元日に決勝が行われる天皇杯の8強まで進出。
まだ勝ち残っているにもかかわらずブラジルへ帰郷するということは、「天皇杯軽視」といわれても仕方がない。
闘莉王の場合、天皇杯欠場はこれが初めてではない。
浦和時代にも故障を理由にチームが勝ち残っているにもかかわらずリーグ戦終了と同時にとっととブラジルに帰郷した"前科"がある。
今季も闘莉王は、なにかとお騒がせなことばかり。
W杯直前の親善試合でコートジボワール代表のFWドログバを跳び蹴りで骨折させた。
自身の故障についても、"いわく付き"だ。
岡田ジャパンでは「とにかく、すぐ『あっちが痛い、こっちが痛い』と言い出す。
じゃ、試合に出なくていいというと『そんなけがではない』という始末だからね…」と協会幹部。
闘莉王の実力は認めつつも、その評判はことのほかよくない。
Jリーグのベストイレブンをはじめ、年間表彰選手は選手投票が軸となる。
そしてJ1クラブ社長らで構成される選考委員会で決まるが、選手投票は最終節を待たずに回収されている。
「最終順位が確定していない時にベストイレブンを決めろといわれても…」と苦笑いする選手もいた。
昨季MVPに選ばれた鹿島MF小笠原満男は「もっと、ウチ(鹿島)の選手がベストイレブンに選ばれるべき」と表彰式の壇上でその選考方法にクギをさした。
万が一、06年に続いて闘莉王が初の2度目のMVPに選ばれたら、日本サッカーにとってもマイナスになりかねない。
天皇杯を安易に欠場するする選手が後を絶たなくなるからだ。
リーグMVPが、あっさり天皇杯を捨てて帰郷してしまうのだから。
[ZAKZAK]
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