大会名は『元気ですか!! 大晦日!! 2011』(さいたまスーパーアリーナ)。主催はDREAMとアントニオ猪木率いるプロレス団体・IGFによる実行委員会だ。
単なる『12.31DREAMさいたま大会』なら、あえて大晦日に開催する意味はない。この1年、コアなファンに向けた好カードを組んできたDREAMだが、やはり大晦日は特別な舞台なのである。
■それでもなお、アントニオ猪木に頼るワケ。
IGFにはジェロム・レ・バンナ、ピーター・アーツ、長島☆自演乙☆雄一郎といった格闘家もレギュラー参戦しているが、プロレスと"混ざる"ことに拒否反応を示す格闘技ファンも少なくない。もちろん、DREAM首脳陣もそのことは予想できていたはずだ。
にもかかわらずIGFと組んだのは、イベントのスケールを拡大し、話題を広く提供するためだろう。大晦日という特殊な"祭り"には、数多くのスポンサーを持つIGFの資金力と猪木というアイコン、つまり"顔"の力が必要だったのだ。
13日には、追加カードとしてエメリヤーエンコ・ヒョードルvs.石井慧が正式発表された。このマッチメイクからも、世間との勝負というテーマを読み取ることができる。
■ファンが持つ、ヒョードルへの特別な思い。
昨年から今年にかけ3連敗を喫したヒョードルだが、格闘技ブーム全盛期のスターだっただけに知名度は抜群だ。石井も現役日本人格闘家としては数少ない世間に知られた顔。「ヒョードル、まだやってたの?」、「石井って弱いじゃん」という見方も含めて"伝わる"力のあるマッチメイクと言っていい。
ましてヒョードルと石井はボビー・オロゴンやボブ・サップに代表される、かつてのような"テレビ用キャスティング"ではない。日本人ファンのヒョードルに対する思い入れは相当なもの。それは3連敗という"落日"によって、さらに濃いものになっているのではないか。「日本で見られるのは最後かもしれない」という気持ちで会場に足を運ぶ人も多いはずだ。
一昨年のデビュー戦は吉田秀彦に敗れ、昨年はバンナに苦戦した石井だが、それで見切りをつけるのはまだ早い。現在、石井はアメリカに長期滞在中。UFC参戦を目標に"本場"の練習環境で世界基準のMMAファイターになるべく腕を磨いている。
格闘技としての濃さと、世間に対する起爆力。その両方をギリギリのところで兼ね備えたカードがヒョードルvs.石井なのだ。
ただし、アピールする対象としての"世間"は、これまでと同じではない。
中継メディアはスカパー!とニコニコ生放送のPPV。その一方で同時間帯にスポーツ関連の特番を放送するTBSとの交渉も続いているが、こちらは苦戦しているようだ。また、ヒョードル出場によってロシア国営放送での生中継が決定し、アジア各国からのオファーもあるという。
スポーツ新聞や雑誌での話題性を狙うのはこれまで通り。地上波で何試合かでも放送されればそれに越したことはない。だが同時に「テレビよりニコ生のほうが面白い」と感じているネットユーザー、あるいはUFCがまだ大会を開催していないアジアのファンにどれだけインパクトを残せるかの勝負でもある。
大晦日、DREAMはネットユーザーやアジアマーケットといった"近未来の世間"にも勝負を仕掛けようとしているのだ。
[Number Web]
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20111219-00000004-number-fight
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ビックマウス。カッコ悪いなコイツ。
予想通り負けました。154秒って…。もう辞めな。吉田選手よりセンスないじゃん。
石井のフルボッコ見ていたいな(*´艸`)