大観衆のスーパーアリーナ
しかし、格闘技人気が低迷する日本において、果たして客は集まるのか――。12年ぶりのUFCジャパンに対し、そんなネガティブな声が多く聞かれた。だが、結果は満員札止め。最寄りの駅前には「チケット譲ってください」というプラカードを持つ者まで現れた。日本の格闘技ファンたちは、この新しいソフトに大きな期待を寄せていたわけだ。
シンプルさは、会場に映し出される試合前のVTRにも表れていた。K-1やPRIDEでは、選手それぞれの背景を物語にし、映像化する『煽(あお)りVTR』が定番だった。しかしUFCは、簡単なインタビュー映像を流すだけ。すぐに選手は入場し、試合が始まる。そもそも煽りVTRは、地上波でテレビを見ているお茶の間に向けて、試合背景をわかりやすく解説するためのものだ。だが、UFCにそういった考え方はない。ズッファ社長のデイナ・ホワイトが「アメリカでやっていることを日本にそのまま持ち込む」と宣言していた通り、日本的な演出は排除されていた。唯一、あったとすれば、ランペイジ・ジャクソンがPRIDEのテーマ曲で入場し、観衆のノスタルジーを煽(あお)ったぐらいだろう。
舞台装置もなく、煽りVTRもない雰囲気を、日本のファンは受け入れられるのかと思ったが、それも杞憂(きゆう)に終わった。ハリウッド映画ばりのVFX(視覚効果)を駆使したオープニング映像や、妖艶なラウンドガールが会場を練り歩く光景や、当然ながらすべて英語のリングアナウンスは、まるでアメリカの4大メジャースポーツや、ブロードウェイのミュージカルを観ているかのようで、エンターテインメントの真髄を感じさせてくれた。また、興味深かったのが、試合後、会場のモニターに試合の映像を流し、勝者がポイントやフィニッシュシーンを解説した点だ。いかにもスポーツとエンターテインメントをほどよくミックスした、実にアメリカらしい演出だった。
試合内容も、単に一本やKOを狙う派手なものではなく、緻密なタクティクス(戦術)を用いたパズルのような攻防を披露し、目の肥えた日本の格闘技ファンも酔いしれるレベルの高い試合が連続した。特にメインを張ったフランク・エドガーとベン・ヘンダーソンとのライト級タイトルマッチは、両者とも日本に馴染みの薄い選手であるにもかかわらず、スピードとテクニック、そして選手の身体能力の高さから、判定決着でも十分に満足できる内容だった。
印象的だったのは、ほぼイーブンの激闘で迎えた最終ラウンド前、日本の観衆からどこからともなく歓声が広がり、この日一番の盛り上がりを見せたことだ。派手な打ち合いの場面でもないのに会場が大きく波打ち、内容で観衆を納得させた光景を見るにつけ、今後、UFCは日本での地位をさらに高めていくだろうと実感した。日本の総合格闘技から、世界のMMA(ミックスド・マーシャルアーツ)へ――。日本の格闘技界にとってエポックメイキングな日となった、UFCの日本上陸だった。
[webスポルティーバ]
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120228-00000305-sportiva-fight
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日本の格闘技もこういったいい所をパクってやれよ。ヤクザ絡ませたりな、バカ絡ませて何が残った?純粋に格闘技のみをやれ。クダラネェパフォーマンスなんかいらない。んな金あんなら違う方向に使え。
内柴召還!亀田効果狙いてのは?
魔裟斗のように、スパッと引退すればいいのにキッドみたいにいつまでもいつまでもは止めた方がいいと思うのは俺だけかね?日本格闘技界 はアホなチンピラ絡ませないで、キチンとした経営者にやらせれば盛り上がるでしょう。でも、盛り上げるヒーローって言うか、人気者が出ないとね。