かつての1億ドル右腕がメジャー7年目のシーズンを見据えてひっそりと日本を後にした。依然として所属先が決まらない前レッドソックスの松坂大輔(32)のことだ。


松坂大輔

約1カ月半の日本滞在を終えて16日に渡米。自宅のあるボストン行きの便に機体トラブルが発生したため急きょ、ニューヨーク行きに変更して機上の人となった。現地ではトレーニングを積みながら、代理人からの朗報を待つ。

松坂が一昨年に受けたトミー・ジョン手術(腱の移植手術)は実戦復帰した翌年に完全復活を果たすケースが多い。上がり目を期待して獲得する球団があってもよさそうだが、現時点で進展がないのはメジャーでの松坂の評価が低いからだ。メジャー契約にこだわれば、所属先が決まらないまま開幕を迎えることになりかねない。

本人も最悪の事態を想定しているのだろう。近い関係者に「焦って契約しても仕方がない。今年1年は棒に振っても仕方ない」と浪人も辞さない覚悟を明かしたそうだ。

昨季途中に復帰したとはいえ、11試合に先発して1勝7敗、防御率8.28。今年の9月で33歳と、まだ老け込む年ではないだけに、「投球フォームをじっくりと見直すのも悪くはないかもしれません」と話しているという。

今季の開幕前にはWBCがあり、17日に発表される出場国のロースターには各球団のエース級投手が名を連ねる見込みだ。09年にMVPに選ばれた松坂がレギュラーシーズン開幕後に故障したように、これまでWBC後に離脱する投手は少なくなかった。今季は先発の頭数が不足する球団が出てくる可能性もあるだけに、松坂が食い込むチャンスは十分にある。

<「日本には戻れない」>

松坂は「まだ日本には戻れません」と話し、日本球界への復帰は選択肢には入れていない。今季の松坂がメジャーのユニホームを着るのは当分先か。

[日刊ゲンダイ]
http://gendai.net/articles/view/sports/140513

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