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錦織圭がトップ10入りするためにすべきこと

錦織圭とダンテ・ボッティーニコーチとの二人三脚は3年目に入った。

錦織圭
錦織圭

昨年自己最高のATPランキング15位を記録した錦織は、2013年シーズンもボッティーニコーチと世界を転戦している。

「昨年自己最高のランキングを出したので、コーチを変える理由はなかった。ダンテと課題にしているのは、もう少し攻めるテニスをやることです。チャンスを見つけてしっかり攻めるテニスをするよう心がけていきたいですね」

今季開幕戦のATPブリスベン大会準決勝で、左ひざの炎症のため途中棄権した錦織は、悪化の不安を抱えたまま、左ひざにテーピングをしたまま。さらに昨年秋に痛めた右足首には、予防のためのサポーターを装着して、ベストコンディションではないままオーストラリアンオープン(全豪)に臨んだ。

日本から応援に駆けつけた父・清志さんは、息子の痛々しい姿に心配を隠せなかった。「どうなるかわからない。メルボルンでは、最後まで無理をしてでも戦うのではないか」

ATPランキング18位(大会時)の錦織圭は、ランキング上位の欠場者が出たため繰り上がって、グランドスラムでは自身最上位の第16シードがつき、周囲の期待は高まった。

「たぶん今週(大会第1週)はひざのことを考えることになると思いますけど、できるだけやります」と語った錦織は、1回戦から3回戦まで、シード選手らしい落ち着いたプレイで、2年連続のベスト16に駒を進めた。

「ひざのことがあったので、正直ここまで来られると考えていなかった。どこまでできるのか自分でもわからなかった。あまり先のことを考えられず、目の前の戦いだけを目標にしていた」

ただトップ20にいる錦織は、ベスト16入りを冷静に受け止め、4回戦から本当の実力が試されることを自覚していた。

「いい意味でそんなに嬉しくないというか、舞い上がっていないというか......。今までベスト16だと大きな結果でしたけど、本当にいい意味でそれに慣れてきた。これが当たり前になってくれば、上へのステップになると思う。今回どれだけいけるかわかりませんけど、16シードになって、ベスト8に入る試合がやっぱりカギになってくる。そこを勝ち進んでいけるかどうかですね」

ダビド・フェレール第4シードのダビド・フェレール(5位)との4回戦では、第1セットでの錦織の出だしが素晴らしく、グラウンドストロークのコースやスピードを先に変えて、自分から早めに展開した。ただ、第1ゲームで1回、第3ゲームで3回、錦織がブレークポイントをつかむものの、あと一本が取れない。

「ブレークポイントがあったけど、それをしのいだ。たしかにあれがキーだった」

フェレールはこう振り返ったが、ツアー屈指のスピードを誇るフェレールのフットーワークによるコートカバーリングと、最初から最後までレベルの落ちない切れ味鋭いカウンターショットに、錦織は徐々に追い詰められていった。

「攻めて早めに展開するのを心掛けていた。バックのダウンザラインとか、最初はうまくいっていたが、ダビドが慣れてくると、しぶとくやられて、自分が打ちすぎてミスしてしまった」

錦織は、フェレールに対して、コーチと取り組んでいる攻撃テニスを実践し、30 本のウィナーを決めたが、ミスを65本も犯した。ウィナーとミスが共に24本のフェレールに差をつけられ、2-6、1-6、4-6のストレートで敗れて、2年連続で全豪ベスト8入りはならなかった。

「やはり結果に満足するのは難しいですね。ただ、ひざの痛みがありながらも、ここまで来られたのはよかった。今日しっかり最後までやれたので。彼ら(フェレールらトップ5の選手)に勝つには足りないところがあり、もっと伸ばさないといけないところも見えた。彼らは本当にミスが少ないので、勝つにはかなりの忍耐力と体力がいる。まだ自分がそこまでいっていないことを感じさせられた」

伊達公子今回の全豪で単複3回戦に進出したクルム伊達公子も、錦織の結果を残念がった。「錦織君は、本来であれば、クオーターファイナル(準々決勝)に入ってもおかしくない実力を持っている」

錦織のケガがなければと振り返る人も多いが、ケガをしない体をつくって、ツアーを転戦することも実力のひとつだ。まずはケガを完治させ、春の北米ハードコートシーズンに備えたい。

ケガと向き合う息子に、清志さんは次のように語った。

「私は、いくつかの大会で1回戦敗退があっても構わないと思っています。その分、大きな大会でたくさんのポイントが取れればいい。でも、(テニスの)感覚を大事にする圭には、それができない」

早期敗退が少なく、安定した結果を残せるのは錦織の強みではあるが、今シーズントップ10を目指すには、グランドスラムやマスターズ1000大会などの大舞台での上位進出が必要だ。約10カ月の長いテニスシーズンを戦うために、今の錦織には、しっかり休んでケガを完治させる選択肢も必要だろう。

フェレール戦の立ち上がりで見せたハイレベルなテニスが示すように、23歳の錦織は、トップ10入りできるポテンシャルを、間違いなく持っているのだから。

[webスポルティーバ]
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130123-00000304-sportiva-spo

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