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恋人殺害事件の義足ランナー 裏の顔

殺人容疑で逮捕された南アの「義足のランナー」オスカー・ピストリウス被告(26)の二面性には驚く。約1000万円で保釈が認められたものの、これまで彼を称賛してきた南ア国民の受けた衝撃は、さぞかし大きかったろう。

オスカー・ピストリウス
オスカー・ピストリウス

昨年のロンドン五輪に義足選手で初めて400メートル、1600メートルリレーに出場。その姿は不屈の魂の見本のようで、「神々しい。人間を超越している」とまで言われた。その男がサプライズで訪れた恋人を、不審者と思い込んで拳銃で射殺...。第一報は『バレンタインの悲劇』だった。1日平均44件の殺人事件が起きるという犯罪大国で身を守るには仕方ないのか、と同情の余地もあった。

しかし、警察の調べが進むにつれ、出るわ出るわ...。血の付いたクリケットのバット、男女の言い争う声、誤射というわりには「現場に不法侵入のあとがない」といった不利な状況もある。地元紙は、ロンドン五輪中に交際していた別の女性をめぐって複数の男性を恐喝したとか、バーで女性に暴行したといったダーティーな面も伝えた。

O・J・シンプソンかつて、米プロフットボールの英雄だったO・J・シンプソンが被疑者となった殺人事件を思い出す。1994年、元妻と男友達が殺され、シンプソンが第1級殺人罪で起訴された。殺害現場の血の足跡や、血痕がDNA鑑定で一致するなど状況は極めて不利だった。しかし、シンプソンは5億円をかけ全米から腕利きの弁護士を集め"ドリームチーム"を編成。刑事裁判では無罪を勝ち取った。結局、男友達の父親による民事訴訟では殺人が認定される"ねじれ現象"で、殿堂入りの名選手はすべてを失った。

「義足ランナー」はテレビで見る限り、相当な豪邸に住んでいる。スポンサーにも恵まれているようだ。裁判になれば、強力弁護団に守ってもらえるかもしれない。だが、たとえ「過失」と認められても、地に墜ちた英雄のイメージは戻らない。しょせんは金と名声で自分を見失った、ただの弱い人間だったようだ。

[zakzak]
http://www.zakzak.co.jp/sports/etc_sports/news/20130226/spo1302260710001-n1.htm

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