阪神・藤浪のプロデビュー戦に大きな注目が集まった神宮球場では、ある歴史的な"雪解け"の瞬間が訪れていた。

ヤクルト元監督の古田敦也氏(47)が3月31日、阪神の試合前練習中にグラウンドに姿を見せた。フリー打撃のケージ後方で本紙評論家の金森栄治氏と話していると、試合開始に備えてヤクルト側のベンチに入ってきたのは宮本慎也内野手(42)だった。


古田敦也｜宮本慎也

駆け寄って話の輪に加わって談笑する様子に、"事情"を知る関係者は色めき立った。

古田氏は選手兼任監督だった2007年、成績不振などもあったが不本意な形で監督を辞任。ヤクルト一筋、ミスタースワローズとまでいわれたが、その後は古巣と疎遠な関係が続いていた。神宮に足を運ぶのも、目をかけていた選手の引退試合など数えるほどしかない。

今春のキャンプではテレビ番組の取材で訪れた際、打撃投手をかって出るなど和解の気配もあったが、この日もヤクルトの練習中には姿をみせず、やはり一定の距離を保っているかに思われていた。

ところがだ。古田氏が「慎也、きょうはお休み(先発を外れる)らしいね」と問いかけると、宮本も「きょうは岩村(明憲内野手)が出るんです」と答えるなど、かつての和やかな空気がよみがえっていた。

チームリーダーの歩み寄りをきっかけに、後輩選手も次々に接触。ついには古田氏の方からヤクルトベンチに出向き、小川淳司監督(55)はじめ首脳陣にあいさつした。これには球団関係者も「退団してから初めてのこと。すごいことが起こった」と驚きを隠せない。

そもそも古田氏が神宮に来たのは、ヤクルトありきではない。記念すべき阪神の大型新人のデビュー戦を生中継する読売テレビの解説者としてだった。古田氏と古巣の復縁を取り持ったのも"藤浪効果"といえようか。

[zakzak]
http://www.zakzak.co.jp/sports/baseball/news/20130402/bbl1304020729003-n1.htm

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