何のことかといえば、日本対ガーナの試合後に香川真司が言ったとされる発言だ。インターネットのおかげで、その言葉は世界中を駆け巡ることになった。
香川真司
だが、日本語でこの言葉は見つけられない。その理由は明らかだと思う。おそらくは、香川が実際にはこの言葉を言っていない可能性が高いためだ。
ガーナ戦の後、私はミックスゾーンでの香川のコメントの録音を聞いたし、彼が日本の記者たちに話した内容が文字に起こされたものも読んだ。「良い形で帰れると思ってるので、これをクラブで継続して、チャンスが来た時に結果を残せるように頑張りたいと思います」といったように、全体的には彼のコメントは自身のパフォーマンスへの良い手応えに言及したものであり、モイーズ監督のことは一切言葉に出していない。
実際には、香川は先週金曜日のグアテマラ戦後にユナイテッドの監督について言及していたが、それも日本人選手の大半がいつもそうであるように、あくまで謙虚な口調での発言だった。「(インドグランドに)戻ってから、もっとよく監督のことを理解し始めることができると思います」というものだ。
ベン・メイブリー氏もツイッターで指摘している通り、香川がガーナ戦後のミックスゾーンを後にする際に何らかの質問に対して丁寧に断りを入れ、「それはモイーズに聞いてください」と言ったことはあり得るかもしれない。だが当然ながらその意図と口調は、各国メディアにより伝えられているものとは異なっている。香川を知っている者であれば、たとえ直接的でなく単にスポーツ選手・有名人として知っているだけだとしても、彼がそういった横柄な態度を取るタイプではないことは分かっているはずだ。
ある意味では、一つの発言が国際メディアでこれだけ取り上げられるような日本人選手が出てきたというのは喜ぶべきことでもあるかもしれないが、話題になるならプレーそのものであった方がいいだろう。たとえばガーナ戦で香川が、クリスティアーノ・ロナウドのようなゴールを決めたといったようなことだ。
同時に、メディアにはもう少し文化的な面で適切な感覚を持ってもらいたいところだ。サッカー選手やアスリートとして、日本人選手にまだまだ成長の余地があることは事実だとしても、彼らがすでに模範的なプロフェッショナルであることもまた確かだ。公の場で監督を批判するコメントをするようなことはほとんど起こらない。サー・アレックス・ファーガソン前監督や、これまでに日本人選手たちを指揮した他の監督たちと同じく、モイーズ監督もそのことを分かっているはずだ。ニュースを書くことを生業とする者たちにも、同じように理解を持ってもらいたいものだ。
[goal]
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