初優勝に喜ぶ富山第一イレブン
開始から主導権を握っていたのは、富山第一だった。1トップの渡辺仁史朗(3年)の走力を生かし徹底して裏のスペースを突く、ゴリゴリと相手を押し込むサッカーで星稜に圧力をかけた
しかし、ここまで4試合無失点で勝ち上がってきた星稜DF陣の壁は厚かった。寄せが素早いうえ、ボールを蹴り出すまで粘り強く対応されて、なかなかゴールネットを揺らすことができなかった。
すると、思わぬところに落とし穴が待っていた。守備でも星稜のカウンターにきっちり対応し、危ないシーンはほとんどなかった富山第一だが、前半34分、ゴール前のラフプレイからPKを取られて、まさかの失点を喫した。
「先制点を取って逃げ切ろうと考えていたが、あの失点でプランが崩れてしまった」(富山第一・大塚一朗監督)
想定外の展開となったことで、富山第一の攻守の歯車がやや狂い始めた。
そして後半25分、富山第一はまたもや一瞬の隙を突かれて、星稜に2点目を許した。星稜の堅実な守備が崩れる気配はなく、これで勝負は決まったと思われた。が、絶体絶命の中、富山第一の選手、監督はまだ諦めていなかった。
富山第一の選手は、ほとんどが地元出身者。対する星稜は、愛知や大阪など、県外出身の選手も多い。「北陸決勝」と騒がれていたが、富山第一の面々には「本当の北陸のチームは、オレたちだ」という自負があった。それが、逆襲の原動力となった。中盤で奮闘していた細木勇人が言う。
「(星稜と違って)こっちは、北陸の子ばかり。絶対に負けるわけにはいかないと思った。みんなで、最後の20分にかけよう!と誓った」
そんな選手たちの気迫に応えて、大塚監督も勝負に出た。システムを4-2-3-1から4-3-2-1に変更し、大塚翔を1トップに上げて、突破力のあるFW渡辺と途中出場のFW高浪奨(3年)を2シャドーに配置。さらに、攻撃的MF村井和樹(3年)を「3」の左サイドに投入し、超攻撃型の布陣にした。これが、功を奏した。
「前にスペースができて、自分のスピードが生かしやすくなった」という渡辺が、相手のプレッシャーから解き放たれて、星稜DF陣を翻弄。もうひとりのシャドー・高浪も効果的なドリブル突破を仕掛けて、それまで以上に厚みのある攻撃を見せた。
完全に息を吹き返した富山第一の攻撃は凄まじかった。残り時間はすでに5分を切っていたが、後半42分、左サイドを抜け出した村井のクロスを高浪が押し込んで1点差に詰め寄った。「これでいける!」と点を奪った高浪がボールを拾ってセンターサークルへ急ぐと、国立競技場のボルテージは最高潮に達した。
その大声援に後押しされ、富山第一の波状攻撃は一段と迫力を増した。左右、中央から果敢に仕掛けていくと、終了間際、左サイドバック・竹澤の鋭い突破に星稜DFがペナルティーエリア内で思わず足を出してしまった。富山第一は、まさしく"土壇場"でPKを奪取したのだ。
キッカーは、大塚監督の息子で、主将の大塚翔。決めれば同点で延長戦に向かえるが、外せば敗戦となる。大塚翔の頭によぎったのは、1年生のときの苦い思い出。ある大会でPKを外し、試合後に「父親が監督だから、試合に出ているんだろ!」とインターネット上で誹謗中傷されたことだった。
父である大塚監督も、同じことが頭に浮かんだ。ゆえに、PKの際には地面に膝をついて、手を合わせて祈っていた。
「父親が監督ということで叩かれて、かわいそうな思いをさせてしまった。その悔しい思いがこのPKで報われてほしい」――。
息詰まる瞬間、3年生になった息子は確実に成長していた。父の願いに応えるように、大塚翔は過去の"悪夢"にも怯(ひる)まず、渾身の力で右足を振り抜いた。そしてボールは、今大会ナンバー1とも言える星稜GK近藤大河の逆をついて、左サイドネットを揺らした。地鳴りのような歓声とともに、90分間終了のホイッスルが鳴った。
抱き合う富山第一の選手たち
試合後、富山第一の大塚監督は「うちは寮を持たない。富山の選手たちばかりでここまで来た」と話すなど、地元出身の選手だけでもしっかりとしたスキルとメンタルを持つ選手が育てられることを繰り返し強調していた。両校の監督や選手たちは、試合前から「北陸対決」をあおられて、"北陸"を強く意識させられたが、その思いが強かったのは、富山第一のほうだったのかもしれない。そんな"北陸魂"が奇跡をもたらした。
[sportiva]
http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/jfootball/2014/01/14/___split_48/index3.php
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みんな冷めたコメントしとるなー おまえら心腐ってるなマジで
俺は試合見てたから、この記事見て目が潤んだよ
星陵のうつ向きたい振り向きたい肛門をクンカクンカしたい
単なる星稜の選手の慢心でしょ?
欧州CLのグループリーグ
バイエルン対マンCの試合と一緒♪