女子プロゴルフのKKT杯バンテリンレディースは20日、首位に1打差の2位につけていたアマチュアの勝みなみ(鹿児島高1年)が5バーディー、1ボギーの68で回り、通算205の11アンダーで史上最年少優勝を果たした。


勝みなみ

アマチュアの勝は優勝賞金を手にできず、1打差の2位だったイ・ボミ(韓国)が1800万円を獲得した。

15歳でのツアー優勝に、日本女子プロゴルフ協会の小林浩美会長は「気持ちの持ち方、決めたことをやり通すところがすごい」とメンタル面の強さに驚く。しかし、優勝の記者会見では、目標としている宮里藍が初優勝した年齢を追い抜いたことを聞かれ「まだ、実感がわかない。ちょっと時間がたてば、テンションが上がってくるかな」と、15歳の顔に戻った。[毎日新聞]
http://mainichi.jp/sports/news/20140421k0000m050101000c.html

■完全な独学で成長してきた異色の存在

天才少女がのびのびと育った背景には、ゴルフを始めるきっかけを作った祖父や、周囲の人々の温かいまなざしがあった

勝は5歳で地元のスポーツ少年団に入り、運動神経のよさを発揮した。縄跳び、テニス、バック転...。そこに目を付けたのが祖父の市来(いちき)龍作さん(74)。勝が6歳のとき、「老後に一緒にプレーできたら」という期待を込めて小さなゴルフクラブを贈った。

ゴルフ場に連れていかれたが、まったく興味が湧かなかったという。広々したなかで楽しんだのは、スミレ摘みや池のおたまじゃくしすくい。普通なら「まじめにやりなさい」とたしなめたくなるところを、龍作さんは孫の好きなようにさせた。

あるとき、シングルの腕前を持つ龍作さんが放った、糸を引くように飛んだボールに目を見張った。「かっこいい」。8歳から本腰を入れ、9歳で100を切り、小学5年生で龍作さんを抜くようになったという。

龍作さんが指導したのはグリップだけ。それとて自己流にアレンジしてしまい、ドライバーの飛距離を伸ばし続けた"自然児"だ。龍作さんは練習場やゴルフ場への送迎などで勝をサポート。ともに小学校教諭の両親は、おじいちゃんの下で成長をするわが子を温かく見守った。

周囲の応援も力になっている。所属のゴルフ場は昨年、優勝カップや賞状、同じ鹿児島県出身の横峯さくら(28)とのツーショット写真を展示した、みなみちゃんコーナーを開設。


勝みなみ＆横峯さくら ツーショット

スター扱いによって、一流選手を目指す意志が強まったともいえる。[zakzak]
http://www.zakzak.co.jp/sports/etc_sports/news/20140421/spo1404211536006-n1.htm

■プロ転向へのリミットはあまりに短い4週間

日本女子ツアーの歴史を大きく塗り替えた勝。こうなると注目は、天才少女がいつプロに転向するかに集まる。勝は「プロになるかどうかは、まだ考えていない」と話したが、悩ましい問題も横たわっている。

今回の優勝により、勝は日本女子プロゴルフ協会に対して「単年登録」の申請をしてプロゴルファーとなれば「優勝した翌日から365日以内の日本でのツアー競技出場」の資格を得られる。ただし、申請の期限は4週間しかない。そのため、権利を行使するかを5月16日までに決断する必要がある。

プロテスト、QT(予選会)受験に年齢制限のない男子と違い、女子はいずれも「18歳以上」が条件。これは「プロゴルファーにとって、プロアマ戦での『接待』も重要な仕事。そのためには18歳以上が妥当」との考えがあるからだ(単年登録は年齢制限なし)。

「プロアマ」では文字通り「ホステス」としての仕事が求められる。かつてはここでセクハラまがいの被害を受けた選手もいた。

そんな"仕事"を18歳未満にやらせるわけにはいかない...との考えはもっとも。とはいえ、現行の「4週間以内」のルールでは、15歳のうちにオトナの世界に飛び込むかどうかを決断しなければならないのだ。 藍がアマチュアで優勝したのは18歳101日。

2年前の「サントリー」を16歳332日で制した金孝周(キム・ヒョジュ=韓国)は日本ツアーのメンバーにならなかったため、年齢問題が表面化することはなかった。

当初のプランだった「高校卒業後にプロテスト受験」では今回Vの「特典」は何もなくなる。人生の選択をどうするか。15歳の女子高生ゴルファーが答えを出すには、あまりに短い4週間といっていい。[東スポ]
http://www.tokyo-sports.co.jp/sports/golf/258305/

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