□大相撲の横綱白鵬が27日、名古屋場所で歴代最多32度の大鵬、31度の千代の富士に次いで史上3人目となる30度目の優勝を遂げた。

角界を引っ張ってきた功績は大きいが、日本相撲協会内には土俵での振る舞いに批判もある。最多記録更新を目指す第一人者の今後の動向が注目される。

ことしの春巡業。勧進元に請われた記念写真に嫌な顔一つせず収まり続けた。存在感は群を抜いており、尾車巡業部長（元大関琴風）が「たいした男だよな。こっちの方から『お疲れさまです』って言っちゃいそうだよ」と、親方が冗談を交えて評価するほどだ。

2010年の野球賭博問題、11年の八百長問題と不祥事続発で相撲界への風当たりが強まる中、10年2月から12年9月まで一人横綱だった。

10年に歴代2位の63連勝を達成。土俵外では会長職にある力士会をまとめ、東日本大震災の被災地に土俵を寄贈するなど社会貢献にも積極的だ。

横綱審議委員会の内山斉委員長は「異国から来て、これほどの横綱になったのは並大抵の努力ではない。日本人の心で頑張っている」と褒める。

だが、対外的なイメージとは裏腹に、横綱としての行動に品格を欠いているとの声は協会内部に蓄積されてきた。

勝負がついた後の駄目押しを気にする意見がその一つ。名古屋場所でも4日目に豊真将を寄り切った後で土俵下へ押しやった。協会幹部は「白鵬があんな感じで、全体的に殺伐とした雰囲気になっている」と嘆く。

出稽古では最近、白鵬の訪問を断る部屋もある。

部屋持ちの親方衆からは「遅い時間に来て、うちの力士を負傷させられるのは嫌だ」と、自分勝手に調整する姿勢に不満の声がある。

取組直前に胸板の汗をしっかり拭かないのも目につく。

北の湖理事長（元横綱）は「汗を取るのは当たり前」と強調。名古屋場所中も審判部から汗を拭くよう通達が出され、一般ファンから協会に苦情の電話があるが、なかなか改善しない。

ある審判部の親方は、暴力問題で引退した元横綱朝青龍と比較して「白鵬は外面がいいだけに、余計にたちが悪い。師匠も何も言えず、まるで"裸の王様"だ」と言い、宮城野親方（元幕内竹葉山）の指導力不足も挙げて立腹した。

大鵬、千代の富士とも顕著な功績をたたえられ、しこ名のまま親方になれる「一代年寄」を与えられた（千代の富士は辞退）。日本国籍を取得していない白鵬は現時点で年寄になる資格がない。

白鵬は「国籍はまだなんです。でも相撲で活動して、応援していきたい」と親方になることには前向きだ。関係者によると、国籍を変更しようとしないのはモンゴル相撲の横綱でレスリング五輪メダリスト、父ムンフバトさんへの配慮がある。

国籍変更で母国の英雄である父の面目をつぶしたくないとの思いだ。永住者の在留資格で協会に残る策を探る考えもあるというが、必要となる規則改定に協会側は否定的で、先行きは不透明だ。[共同通信]
http://www.47news.jp/47topics/e/255652.php

◆大相撲名古屋場所4日目
○白鵬（寄り切り）豊真将●
□横綱白鵬が豊真将を寄り切った際に無用な駄目押しを行い、審判長を務めた朝日山審判部副部長（元大関大受）は「褒められたものではない。ひどいものが続くようなら通達する」と苦言を呈した。

白鵬は立ち合いで変化した豊真将に少してこずり、勝負がついた後も土俵下の相手をにらみ続けた。

横綱の品格を問われかねない行為に、朝日山副部長は「強いのだから、にらみ付ける必要もない。いろいろな面で大横綱になってもらいたい」と述べた。

ただ、北の湖理事長（元横綱）は駄目押しに「あれくらいはいい。横綱としてたたき付ける感じでいい」と不問にした。

日本相撲協会審判部は先場所、横綱日馬富士の駄目押しを受け、東西の支度部屋に自粛を促す張り紙を掲示した。[スポーツ報知]
http://www.hochi.co.jp/sports/sumo/20140716-OHT1T50163.html

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