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日米野球で米スカウトの目に留まった日本人選手の評価・・・「大谷獲得には200億円が必要」

8年ぶりに開かれた日米野球が終了したが、前田健太(広島)、金子千尋(オリックス)、大谷翔平(日本ハム)といった今後メジャー行きが噂されている選手たちを見るために、数多くのメジャーリーグスカウトが訪れた。彼らの目に、侍ジャパンの選手たちはどのように映ったのか。

日米野球 侍ジャパン
某メジャー球団のスカウトA氏はこう言う。

「前田(健太/広島)にしても金子(千尋/オリックス)にしても共通しているのは球種が多く、しかもどの球でもストライクを取れるコントロールがあるところ」

ただ、現段階では前田の方がメジャーに向いていると、A氏は言う。

「前田の方が金子よりも体が大きく、ストレートにも力がある。内面的な部分でも、金子のハートが強くないと言っているわけじゃないが、前田の方がよりタフに見受けられる」

前田健太(広島)米スカウトの評価「日米野球だけで判断するわけではないけども」と前置きしつつ、メジャー球に近い今回の使用球への順応も前田の方が良かったと、A氏は言う。

「(昨年の)WBCで使っているから慣れているというのもあるかもしれないが、前田の方がアメリカのボールをよりうまく使えているように感じた。とりわけ、京セラドームの試合(第1戦)ではツーシームがよく決まっていたし、視界から消えるチェンジアップも良かった」

また、別球団のスカウトB氏は前田のスライダーに注目する。

「(第1戦では)スライダーで空振りを取れていた。あのスライダーは厄介だね。ストライクゾーンを広く使えるのも良い」

他のスカウトの意見も含めて、前田は田中将大(ヤンキース)とはタイプが違うが、メジャーでローテーションを務めることは十分に可能だという声が多かった。

では、将来は確実にメジャーへ行くであろう大谷についてはどうか。メジャー相手に162キロのストレートを投げ込んだ右腕を、スカウトたちはどう感じたのだろうか。

「球は確かに速いが現段階ではまだ成熟できていない」とスカウトA氏は淡々と話す。だがこうも付け加える。「20歳という年齢を考えればそれも当然で、マウンドでのアグレッシブさとポテンシャルは、やはり文句のつけようがない」と。

スカウトB氏も、大谷のマウンドさばきが一番印象に残った様子だった。

「あの年齢であれだけ堂々と投げられるのは素晴らしいし、そうそうお目にかかれるものではない。もう少し経験を積んで投球術というものを学んだら、アメリカで十分に活躍できる」

また別球団のスカウトC氏は、「大谷はただ球の速いだけの投手ではない」と評価する。

大谷翔平(日本ハム)米スカウトの評価「あの若さであれだけハードに投げられるのもすごいが、打者に対して少しも恐れずにアタックしていたのが良かった。あの年齢でボールをプレートの上に投げ込むことができるというのは、実は最も大事なことなんだよ。

もちろん球速はあったほうがいいけど、私は大谷のセカンダリーピッチ(速球以外)も素晴らしいと思うね。とりわけスプリットが印象的だ。

90マイル(約144キロ)のスプリットなんて誰が投げられるというんだ。今はまだ全体的にコントロールが良くないけれども、経験を積んで自分の思うところに速球や変化球を投げられるようになれば、手がつけられない男になる」

C氏に「大谷がこのまま順調に成長して、ポスティングでメジャー移籍することになれば、ヤンキースが田中獲得に費やした金額(約160億円)を超えるか?」と尋ねると、次のような答えが返ってきた。

「間違いない。200億円までいくかもしれない」

今回の日米野球で、前田、金子、大谷に注目が集まるのは、大会前からある程度予想されていた。では、彼ら以外でメジャースカウトたちの目に留まった選手は誰か。

もっとも鮮烈な印象を残したのが、第3戦で5イニングをパーフェクトに抑えた則本昂大(楽天)だ。「人生最高の投球」と則本自身が語ったように、ストレートはうなりを上げ、スライダー、フォークともこれ以上はないほどのキレを見せた。

則本昂大(楽天)米スカウトの評価ただ、ひとつ気になるのが則本のサイズだ。身長178センチは、メジャーの投手の中ではかなり小さい。体力的な問題も含め、サイズの小さい投手は敬遠したくなるのではないか。

だが、スカウトB氏は「みんなサイズのことを気にしすぎだよ」と言い、身長の高い、低いで選手の能力を判断することに懐疑的だ。

とはいえ、サイズの小ささに対する懸念が少なからずある一方で、一般論としてさらに厳しい評価を受けているのが野手だ。実際、多くのメジャースカウトがシーズン中に視察に訪れているが、彼らの目的はあくまで投手を見るためだ。

C氏は菊池涼介(広島)について、「これまでメジャーでプレイした日本人内野手と比べてレベルは高いと思うけど、メジャーの速くて動くボールに対応するのは難しいんじゃないか」と見ている。

そんな中、スカウトB氏はここ数年、日本から才能溢れる若手が次々と出てきていることに着目している。

たとえば、今回の日米野球で活躍した菊池、柳田悠岐(ソフトバンク)、山田哲人(ヤクルト)といった面々は、いずれも昨年行なわれたWBCのメンバーに入っていなかった選手たちだ。

B氏は「彼らはこの短い期間で日本のトッププレイヤーに上り詰めた。日本の野手については、この3年ぐらいの間で間違いなく成長している」と興奮気味に話した。

この他にも、糸井嘉男(オリックス)、中田翔(日本ハム)、坂本勇人(巨人)らといった野手が、メジャースカウトたちのリストに入っているようだ。

[引用/参照:http://japan.techinsight.jp/2014/11/watanabenaomi-nyryugakuhiwa-haranbakkusho20141123.html]

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