「世界5位という位置はまだ居心地が悪い......」
「居心地がよくなるために必要なものは何?」
聞かれた錦織は、
「時間が経てば」
と回答。
自己最高位になってからたった3ヶ月しか経っていないところでトップ5に入ってしまったことが、準備期間の不足を感じさせたのかもしれない。
他の女性記者からの質問では、「何位くらいが居心地いいのか?」という質問も飛んだ。
錦織は苦笑しつつも、
「多分、15位とか20位......」
この回答には、インタビュールームに笑いが起こった。このポジションは、長らく錦織がとどまっていた位置だ。
トップ20入りしたのは2012年1月、2014年5月にはトップ10入りしたが、それまで2年半も15位から20位くらいにいたのだ。
ロジャー・フェデラーなどはたった2ヶ月で、ノバク・ジョコビッチは3ヶ月もたたずに上位に進出した。ラファエル・ナダルはわずか2週間でトップへと上り詰め、世界の王者となった。
フェデラーは昨年、20代の若手選手に対して苦言めいたことを述べた。
「若いといっても、彼らはもう期待され始めて長いし、もう何年もツアーにいる。僕やラファやノバクは違ったよ。もっと若いときにトップまできた。今、テニス界がより欲しているのは10代の新星じゃないかな」
そういえば、錦織がテニス界を騒がせ始めたのも、彼が18歳でアメリカのデルレイビーチにてツアー初優勝をしたときだった。
そこからの2年半は、錦織にとって苦境といってもいい時代だったろうが、それこそが強みになっているのだろう。
体力も気力も、時間をかけて鍛錬を積み重ねてきたのだ。フェデラーはまた、錦織を含む新勢力に対して、こうも述べている。
「彼らが大きなことをやったのは確かだ。ただ、本当の力を評価するには、この1年を見ないといけない。普通、最初に結果を出すことは、それをキープすることよりも少し易しいことだからね」
錦織は今、昨年の全米オープン準優勝後にツアーで2週連続優勝、ツアーファイナルで準決勝進出を果たし頭抜けた選手として世界から注目されている。
フェデラーも言うとおり、今年こそ錦織の成果が見られる年になるだろう。シーズン最初のグランドスラムは敗退してしまったが、勝負はまだまだこれからだ。
[引用/参照:http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150128-00822569-number-spo]
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