Jリーグ開幕20周年
当初はあるスポーツ団体から強烈なバッシングを受けた、地域密着を謳って発足したJリーグの功績。それはさまざまな媒体で報じられているから割愛するが、一つだけいえるのは、内向きだった日本人のスポーツ観を外向きに変えたことだろう。これは間違いなく大きな功績だと思う。
Jリーグが始まる以前、日本のプロスポーツと呼べるのは大相撲とプロ野球しかなかった。そこにそれまでの日本的伝統に逆らうように、プロの興行として新たな理念を持ち込んだサッカーは、ある意味で既得権益を持つプロの団体、特に野球の関係者からは目障りな存在にしか映らなかったのかもしれない。
Jリーグが開幕した2年後の1995年に、野茂英雄が村上雅則以来31年ぶり2人目の日本人メジャーリーガーになった。そのときでさえ、野茂は日本球界から裏切り者扱いされた。ヨーロッパや南米のプロリーグを導入部に、サッカーに親しんできた者としては、この感覚が理解できなかった。日本人選手が世界最高の舞台で活躍しても喜ばないという事実を。その意味で当時の日本のプロ野球は日本国内だけで完結する、かなりドメスティックなものだったのだろう。
20年の歳月が過ぎ、もう時効だから書こうと思うのだが、それはマスコミ関係者にもあてはまった。Jリーグ開幕年の93年10月28日、中東カタールでいわゆる「ドーハの非劇」が起こった。イラクのオムラムの同点ヘッドが決まった瞬間、某新聞社では歓声が沸いたという。残念なことに、その声の主はプロ野球担当の記者だった。さすがにそれはまずいということで、その記者たちは注意を受けたそうだが、うわさに戸を立てることはできない。ドーハから傷心で戻ってきたサッカー記者たちにその話は瞬く間に伝わった。
Jリーグ開幕当初、なぜプロ野球関係者はサッカーを毛嫌いするのかと不思議に思った。少なくとも僕たちの年代はサッカーに携わっていても、少年時代には草野球も楽しんでいる。「どっちも楽しめばいいんじゃないの」というのが素直な気持ちだった。ところが当時の野球関係者は「野球こそが唯一無二」という感覚を持った人が多かったように思う。そういえばスポーツ新聞の記者をしていた当時、デスクによくこう聞かれた。「それでナインの表情はどうだった」と。「イレブンだよ」と思いながらも、この国のスポーツ新聞とは名ばかりで、本当はプロ野球新聞なのだなと思ったものだった。
Jリーグという土台ができ、日本のサッカーは確実に強くなった。ワールドカップ(W杯)に初出場を果たした98年フランス大会のメンバーは、すべてJリーガーで占められていた。そして、現在の日本代表を見るとそのほとんどがヨーロッパのクラブに所属する選手で占められる。なかにはマンチェスター・ユナイテッドの香川真司、インテル・ミラノの長友佑都と、20年前では想像すらできなかったビッグクラブに所属する選手もいる。
香川真司|長友佑都
そしてサッカーは、現在の日本では、まだマイナーといわれるスポーツ団体にも希望を与えたはずだ。そんな彼らの活躍を追うマスコミ関係者の視線も、今は各競技団体とともに世界が基準になっている。
[47news]
http://www.47news.jp/EN/201305/EN2013051501001533.html
【関連商品】
ツイート
話題の記事&画像
【関連記事】
- 顔面を踏みつける「史上最悪のファール」に批判殺到!なでしこ大儀見が問題提起
- 川崎F戦でマリノスサポーターがバナナを振ってレナト選手を挑発→試合終了後わずか数時間で処分される
- 冗談まじりも軽率な船山貴之選手の"ファックサイン"問題意識が希薄なJリーグ
- 低位安定が続くJリーグに刺激!?小野、松井の帰国とフォルラン加入の可能性
- C大阪・柿谷曜一朗の人気に依存する日本サッカーの危うさ
- Jリーグをプレミアリーグ化することが日本の課題
- ビッグネーム移籍でJリーグのバブル再来か!?
- 監督も金も底ついた浦和の暗い先行き
- 「J監督交代」盛り上がらないワケ「安さとコネ」
Jリーグの初期の頃は選手達が変な演出のCMに出まくってた肛門をクンカクンカしたい
ホントに強くなったんか?
全体的にレベル落ちしてるだけじゃねー?
プロ野球は、何処かの新聞社の主宰を満足させるだけのモノでしょ?
WBCも負けたから、日本の野球は世界一とはもう言えないしね!