□ 俳優・岩城滉一の発言が炎上騒動になって以来、在日を隠して活動している芸能人がますます身を明かしづらくなっているという。

問題の岩城の発言とは、事もあろうか岩城がCMの記者会見席上でサッカー日本代表に対して「猿かオランウータン」「まねしかできない」などと暴言を吐いたところ、岩城の在日韓国人という出自と結びつける批判、攻撃が殺到したのだ。

多くは、岩城を在日韓国人だからと攻撃する内容。

「岩城は在日で犯罪者」

「日本人じゃないヤツが何をいってるのか」

「在日が日本人にヘイトスピーチをしている」

「韓国に帰れ」

岩城が出席したCM発表のスポンサーであるホーユーにまで、「日本企業がなぜ韓国人を起用するのか」と抗議が絶えないという。

単純に在日だからと攻撃するのもどうかと思うが、岩城の発言そのものは過激で自業自得との声も多い。ただ、これまでにも在日であることをカミングアウトして差別にさらされた芸能人は何人もいる。

女優の南果歩などはデビューそのものが在日韓国人を扱った映画への主演であり、本人も在日であることを明かしている。

10月2日に開催された「第19回釜山国際映画祭」には夫の渡辺謙と出席し、こう挨拶した。

「毎年、祖父母のお墓参りに釜山経由で来たり、この街自体に愛着があるので『さよなら歌舞伎町』を公開前に釜山国際映画祭で見てもらえるのが嬉しいです。親戚も見に来ている」

ところが2chでは、南の在日事実を攻撃する書き込みが殺到。渡辺と前妻の娘である杏のことまで、在日だったのかと勘違いする意見が流れてしまっている。

芸能界のご意見番的な和田アキ子も、発言のたびに差別的な批判をされてきた。

「在日がエラソーにいうな」
「オマエに日本の芸能界のことをいう資格はない」

和田は黙っているが、心底日本の陰湿な差別体質にあきれているに違いない。

ネット上のSNSを覗けば、芸能人の在日疑惑に関する書き込みが簡単に見つかる。ほとんどは根拠のない噂だが、これでは隣国が日本叩きをする姿を責めることもできないはずだ。

実際に在日である芸能人も多いが、カミングアウトすれば叩かれることが明らかなだけに事務所が隠すケースがほとんど。

「たしかに、日本の芸能界には在日韓国人、朝鮮人がかなりいますし、ほとんどの人はその出自を明かしていない。でも、それは本人の意向というより、事務所サイドから強制されているんです。

デビューする時点で『在日だと売れないから』と、必ず日本名をつけられ、在日を隠すようにいわれる」（芸能関係者）

女優の井川遙もモデル時代には趙秀恵として活動していたことがあり、その後も自身が出自を明かそうとしたが周囲からストップがかかった。

2001年の月刊「現代」（講談社／休刊）インタビューでは在日韓国人である話をしたものの、カットされたという。

「これも当然事務所の意向でしょう。本人がそれを公表したくても事務所が止めてしまう。井川は当時、家族についても語りたいという意向があったのに、それを強引にもみ消したのです」（同）

こうした芸能界の在日差別も一時、解消されそうな気配があった。韓流がブームになって、ソニンのように最初から「在日」であることを公表し通名ではなく本名で活動する芸能人も現われたからだ。

だが、それもここ最近の嫌韓ブームや右傾化、そして在特会の抗議活動によって、暗黒時代へと逆戻りしてしまった。

最近は、在日を隠すどころか、在日のタレント志望者を採用しない傾向まで出てきているという。前出の芸能関係者がこう証言する。

「隠してもネットで暴かれたりするので、事務所側もかなりナーバスになっているんです。CMに出演すると、スポンサーのところにもネトウヨが抗議をかけたりしますから、やっぱり、在日のコはどうしても敬遠しがちになる」

芸能界だけでなく、日本社会全体にまでこうした風潮が進んでしまえば、穏やかな情勢は望めそうもない。陰湿な差別社会化は日本のあらゆる場所に広がっているということらしい。

[引用/参照：http://news.livedoor.com/article/detail/9399660/]

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