そんな中、消耗が最も激しいと言われているタレントが「若手お笑い芸人」である。現在のテレビ界も、去年の年末から今年初頭にかけてブレイクした芸人が数多く存在し、厳しい生存競争を戦っている。
「8.6秒バズーカー、クマムシ、ピスタチオ、厚切りジェイソン、とにかく明るい安村、じゅんいちダビッドソン、マツモトクラブ、ゆりあんレトリィバァと、多くの若手芸人がひしめきあい、日々イス取りゲームを繰り広げています」(芸能ライター)
「まず芸人生命が長持ちしそうなのが、漢字の成り立ちの難しさを笑いに変えるアメリカ出身の芸人、厚切りジェイソンです。『Why Japanese People!?』と絶叫するお決まりのフレーズでも有名です。
ボビー・オロゴンもいますけど、芸風でいうと少し違う。最近でこそ国際化の波によってハーフ芸人も増加。デニスの植野行雄や、マテンロウのアントニーもいますが、"生粋の"と言えるのは、それまではパックンだけでした。
そんな長らく対抗馬がいなかった枠に厚切りジェイソンという新星が現れたわけですから、使わない手はありません。
彼は現在、『ネプ&イモトの世界番付』(日本テレビ系)や『所さんのニッポンの出番』(TBS系)など、日本そして海外を紹介するバラエティ番組に次々と起用され、今や本職(IT企業役員)を半日休んで収録現場にやってくると聞いています」(制作会社社員)
つまり彼は、今まで手薄だった「面白い外国人」枠にうまくハマったというわけか。さて、「面白さ」に加えて重要視されるポイントとして「ギャグの使い勝手のよさ」が挙げられると語るのは、さるテレビ局の編成マンだ。
「それは特に、CMの世界で効果を発揮します。例えば『ゲッツ!』というギャグを持っているダンディ坂野が現在複数社の企業とCM契約しているということからもわかると思います。
最初のブレイクから10年以上たっても彼が活躍できているのは、ほかならぬそのフレーズのおかげであり、さらにはCMでの需要があるおかげ。というのも、『獲得する』という意味のこの一言は、商品を購入してもらうためのコマーシャルには自然とフィットするんです」
そう語るテレビマンから「生き残る」芸人として名が挙がったのが、「♪あったかいんだからぁ」という歌のフレーズでおなじみのお笑いコンビ、クマムシだ。
「グルメ番組のレポートでもこのフレーズを使って乗り切っていますけど、例えば讃岐うどんチェーン・丸亀製麺の『だし玉肉うどん』のコマーシャルに出演し、2人で歌っている。
さらにはNTTドコモのドコモ光パックの5秒CMに登場、『♪あったかいんだからぁ』を『♪お得なんだからぁ』に替えて歌っています。さらに、『温かい食べ物』が恋しくなる冬になれば、また彼らの需要、そして露出も上がることでしょう」(同)
その上で、テレビマンは最後にこう語った。
「若手芸人時代に、CMでも多用できるポジティブな響きの言葉で、ギャグにも応用できる普遍的なキラーフレーズを考えておくことは、意外と重要です。
もちろん、そうした言葉を生み出すことはたやすいことではないとは思いますが。旬が過ぎても、ギャグが芸人としての寿命を延ばしてくれるのですから」
むろん、今回名前の出た2組以外にも冒頭のように数多くの若手芸人がしのぎを削っている。年末まで無事、姿を見られる芸人は果たして誰なのか?
[引用/参照:http://www.cyzowoman.com/2015/05/post_15885.html]
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