その人気はどうなっているのか。日経エンタテインメント!では、2015年も全国の男女1000人を対象に、「一番好きなお笑い芸人」「一番嫌いなお笑い芸人」「2014年にブレイクしたと思うお笑い芸人」について、世論調査を実施した。
「好きな芸人」1位の座は今回も明石家さんま。一時期は2位に追い上げられたこともあったが、2015年は昨年に続き、圧倒的強さを示して首位になった。
自身の環境の変化から動きを見せたのが2位のタモリ。2014年には、32年の幕を閉じた『笑っていいとも!』の影響もあり、あらためてその人物像に関心が持たれた結果といえる。
時代が終わるどころか、むしろ人気は上向きという点に底力を感じさせる。サンドウィッチマンや博多華丸・大吉といったバラエティーの名脇役が躍進したのも特徴だ。
「ブレイク」は「ダメよ~ ダメダメ」の日本エレキテル連合が、2位の有吉弘行とあばれる君に10倍以上の差をつけて1位に。
日本エレキテル連合とあばれる君はインパクトの強いコントが得意。4位のどぶろっく、5位のクマムシ、6位の8.6秒バズーカーら、そのほかで上位に入ったのは目下大ブーム中の歌・リズムネタ芸人たちだ。
全体通して浮かぶ上昇キーワードは3つある。
ひとつ目は「複合技」。
「タモリ×散歩」「サンドウィッチマン×地引き網」のように、芸人と番組企画の組み合わせによって魅力が最大限に発揮され、結果、評価を上げる例が増えている。
2つ目は「スーパーサブ」。
メインMC(番組の司会・進行役)を巧妙にアシストしながら番組を盛り上げる立場の芸人で、サンドウィッチマンや博多華丸・大吉がそうだ。
メーンでなくても、「誰がその場を面白くしているのか」は視聴者にきっちり見られているということだろう。ちなみにこの2組は、忙しくなった今も出身地で番組を持ち、地元を大切に活動しているという共通点がある。
東京という大舞台で活躍するようになっても、地元に変わらぬ愛を注ぐ姿勢がまた評価を高めている一因だろう。
3つ目は「歌・リズムネタ」。
Vineのような新たな動画サービスの後押しもあり、クマムシや8.6秒バズーカーらの人気が拡大している。時代のツールがお笑い界を盛り上げているといえそうだ。
その理由は「キャラクターが好き」が74%とトップ。世代・性別のすべてのカテゴリーで1位となり、揺るぎない強さを示した。
「60歳近いのに年齢を感じさせないのがすごい」(44歳女性)という声もあるように、トークの切れ味は衰え知らず。テロップだらけのバラエティー番組がまん延するなか、それに頼らないしゃべりで笑いをとり続けている。
一時は60歳での引退をほのめかしていたが、2014年にそれを撤回。2015年4月からはフジテレビ深夜で『さんまのお笑い向上委員会』という新番組もスタートし、お笑い界の活性化に向けて一役買う。
2位は2014年の5位からアップしたタモリ。さんまと同じく「キャラクターが好き」(75%)が一番の理由だ。2014年は『笑っていいとも!』終了もあって、タモリ関連書籍が多数出版。
テレビで毎日見る顔ながら、どこか謎めいた人物像にあらためて注目が集まったことがランクアップの要因と考えられる。
「民放はタモリの番組以外見ない」(50歳男性)、「何でもコアなところが好き」(30歳女性)など、支持の熱さが特徴。
2014年10月に始まった『ヨルタモリ』(フジ系)の視聴率も上昇傾向にあり、2015年4月からは『ブラタモリ』(NHK総合)の新シリーズもスタート。新たなファンを獲得していきそうだ。
3位はサンドウィッチマン。さんま、タモリと異なり、「ネタが面白い」(82%)が圧倒的だった。
ネタ番組は少なくなっているものの、毎年全国ツアーで新ネタを披露し続けている彼らは、2014年、『バイキング』で担当した「地引き網クッキング」のコーナーも話題に。昼の顔として、生放送ならではのハプニングを楽しむ姿が票にも反映したといえそう。
4位は2014年末に『THE MANZAI』で優勝した博多華丸・大吉。大吉はひな壇での秀逸なコメントが光る。どんな場面でも面白くできる冷静かつ客観的なトークで、今ではバラエティー番組に欠かせない存在に。
また、サンドウィッチマン同様に地元愛が強いコンビとして知られており、2014年は、福岡を舞台にした華丸主演の連続ドラマ『めんたいぴりり』(テレビ西日本)がフジテレビなどで放送された。
同作は、ATP賞やギャラクシー賞を受賞するなど、高い評価を得た作品。個人、コンビともにいい仕事をした結果が大きな躍進につながったといえそうだ。
このほか5位のバカリズム、10位のバナナマン、12位のナイツが2014年から大きく躍進。バカリズムは2014年秋に連続ドラマ『素敵な選TAXI』で初めて脚本を担当し、またひとつ才能を開花させたといえそう。
バナナマンはコンビで活躍する一方で、設楽が2014年のテレビ出演本数で国分太一に次いで2位に(ニホンモニター調べ)。当意即妙なトークと仕切り力が買われ引っ張りだこの状態が続いている。
ナイツはネタの面白さを評価されているサンドウィッチマン型の芸人。実力派芸人によるフジのバラエティー『ミレニアムズ』にレギュラー出演したことで、面白さを再認識した人も多いとみられる。
全体的には「好き」で上位に入るのはベテラン芸人が多く、20代でランクインしているのはイモトアヤコと柳原可奈子のみ。トーク番組やロケバラエティーが主流の今はネタを足がかりに躍進したい若手にとって厳しい状況が続いている。
また、「タモリ×散歩(『ブラタモリ』)」「サンドウィッチマン×地引き網(『バイキング』)」「イモトアヤコ×登山(『世界の果てまでイッテQ!』)」など、芸人×企画の複合技で、持ち味が発揮される例が増えつつある。
もはや芸人の「好き」「嫌い」は個人戦ではなく、番組スタッフも一丸となった団体戦といえるのかもしれない。
●調査概要
現在活躍しているお笑い芸人の人気度を測る世論調査を実施。
[質問項目]編集部が抽出したお笑い芸人290組を対象に、「一番好きな芸人」「一番嫌いな芸人」「2014年にブレイクしたと思う芸人」について当てはまる芸人をそれぞれ1組選択。併せて、その理由も各設問の選択肢(5項目)からいくつでも選んでもらった。
[調査方法]ウェブ調査
[実査期間]2015年2月4日~2月12日
[回答者]日経BPコンサルティング調査モニターより1000人が回答。男女は半々。25~34歳26.0%、35~44歳40.0%、45~54歳34.0%
※「一番嫌いなお笑い芸人ランキング」は次回紹介予定
[引用/参照:http://www.nikkei.com/article/DGXMZO85900670Q5A420C1000000/]
□ 一番好きなお笑い芸人ランキング2014
*1位明石家さんま
*2位有吉弘行
*3位内村光良
*4位さまぁ~ず
*5位タモリ
*5位ビートたけし
*7位イモトアヤコ
*7位江頭2:50
*9位サンドウィッチマン
10位上田晋也(くりぃむしちゅー)
10位ダウンタウン
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くりぃむロンブー雨上がりタカトシ辺りはテレビ出てる割には入らないね。あとブラマヨチュートフットとかも。
あと柳原可奈子よりはハリセンボンとかのが人気ありそうなのに
さんまは好きにも嫌いにも上位で入ってるから好みは別れるだろう。ハイセンスな芸達者タイプではないけど、明るくて庶民的で癒される的な?こういうザ・オシャベリ芸人って意外と少ないからさんまは残るんだろうな。緻密で面白い人と言うよりは楽しくしてくれる人
さんま、良いかぁ?
俺は、さんまの「他人の話を遮って復唱する芸」が超苦手で、
せっかくの面白トークを無意味に中断されて毎回イライラするけどな。