10月16日、卓球の「愛ちゃん」こと福原愛(24)がマネジメント事務所を通じて出した父・武彦氏逝去に関するFAXの中身は驚愕すべきものだった。
さらに、コメントには続きがあった。
「以後は電話やメールでのやり取りも、一度もない関係となりました」
武彦氏の死去が公表されたのは、都内で開かれた来春の世界卓球選手権団体戦の記者会見後のこと。会見での福原は、卓球以外のことについては一切語らず、一方的にコメントを送っただけだった。
「福原にしてみれば父親との関係について、よっぽど触れられたくなかったのでしょう。10代前半の多感な時期から常に父親との関係に悩まされてきただけに、関係者にとっても親子関係についてはある種のタブーでした」
そもそも福原父子の冷えきった関係が露呈したのは04年。この年5月、福原は弱冠15歳にして、アテネ五輪の出場を決めたが、時をほぼ同じくして福原家に"異変"が起きていたのだ。
わずか4歳の時に「泣き虫愛ちゃん」として福原が注目されてきた時から夫唱婦随で娘を支えてきたはずの両親が離婚していたことが発覚。さらに武彦氏は離婚と前後するように、家族と住んでいた家から2キロほど離れたアパートで独り暮らしを始めたと報じられたのだ。
「武彦さんは90年から建設会社を営んでいました。代表は妻の千代さんが務めていましたが、経営はうまくいかなかったようです。事業に絡んだ連帯保証によって1億4000万円もの負債を抱えてしまったそうで、結局、家族の知らないうちに金額が膨れ上がってしまった。負債の原因は武彦さんが会社の金を使い込んだからとの話もありました」(スポーツライター)
だが、福原の卓球選手としての成長は、武彦氏の存在抜きに語ることはできない。
「福原の競技生活を支えたのが武彦さんでした。練習環境を整えるために仙台、大阪、青森などに拠点を移し、専用卓球場も所有。卓球王国である中国出身のコーチも招くなど、自営業とはいえ資金の捻出が容易でないことは想像がついた。借金報道があった時は『そういうことだったのか』と思いましたね」(アマチュアスポーツ担当記者)
その後、福原は明石家さんまとの勝負に負けて泣いてしまうけなげな姿などが茶の間の人気を集め、一躍国民的アイドルに成長。CM出演料は卓球選手としては破格の1本3000万円とも言われたほどだった。
「バラエティ番組に出すぎの感もありましたが、父親の借金という理由があったのでしょう」(前出・スポーツライター)
しかし、福原がいくら稼いでも会社の経営は好転せず、結局は倒産の憂き目に。その頃から債権者による督促も相次ぐようになった。
「債権が第三者に譲渡されるようなことになれば、福原の稼いだ金が差し押さえられるような事態も考えられました。離婚も家族に迷惑がかからぬようにするための偽装だったと聞いています。離婚によって武彦さんは個人として負債を背負った。そのうえで自己破産することによって借金を帳消しにし、家族を守った。そうするしか選択の余地がなかったのでしょう」(前出・記者)
この借金問題は、08年に再び取りざたされることとなる。
「中国のテレビ番組に出演した福原が、中国人インタビュアーに『家族全員の稼ぎを担っているそうですが、大変ですか』という質問を受けて泣きだしてしまったこともありました。そこで家族が案じて、以降は長男の秀行氏がマネジメントを担当するようになった」(前出・記者)
武彦氏は晩年、秋田県湯沢市の温泉関連会社で役員を務めて平穏な日々を送っていたという。はたして福原の口から"不肖の父"への真の思いが語られる日は来るのだろうか。
[アサ芸プラス]
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