□ もはや、どうせテレビ番組はヤラセばかりと思っている視聴者が多い。

ヤラセ疑惑とニュースになっても、世間の人々は驚かなくなっている。まるで、その事実を以前から知っていたかのようなコメントも目立ち、冷めた反応しかない。

しかし、これだけ数多くの番組が放送されているため、ヤラセの一切ないクリーンな番組も存在しているのだろうか。業界関係者に聞いて回った。

テレビ番組制作会社スタッフに聞いてみても、「ヤラセがない番組ですか？うーん、それは難しい質問ですね。探しておきますよ」と言ったきり、このスタッフから回答は得られなかった。

テレビ業界で働く人々にとって、この質問に回答するのは相当難しかったようだ。多くの方々から同じように曖昧な答えが返ってきた。

「自分が担当していない番組のことは知らないので、そういう番組の中にはヤラセがない番組もあるんじゃないでしょうか」（テレビ番組ディレクター）

「クリーンな番組が存在していると信じたい気持ちはありますよ」（放送作家）

「ヤラセはないと思ってますけど、演出はありますから、クリーンかどうかは微妙なラインです」（テレビ局関係者）

当初は答えにくい質問なのかと考えたが、要はヤラセがないクリーンな番組の存在を誰も知らないだけだ。つまりは、ほとんどの番組において何らかの形でヤラセがあることを意味していた。ヤラセがない番組など皆無なのであろうか。

ところが、ある芸能事務所のマネージャーからこんな回答が飛び出してきた。

「テレビ東京の『田舎に泊まろう』ですね。あの番組に担当していたタレントが出たことがあるんですが、ヤラセはおろか、演出レベルのことも皆無でしたよ。本当の意味でガチンコでした」

番組に出演した芸能人からも、この発言はよく聞かれる。

「たしかに『田舎に泊まろう』は清々しいくらいにヤラセの"ヤ"の字もない番組ですよ。

普通、タレントを地方ロケに連れて行くなら、万が一にも泊まる家が見つからなかった場合に備えて、ホテルを取るとか保険を用意しておくじゃないですか。

あの番組は、そういうことを全くしないんです。ひたすら、泊めてくれる家が見つかるまで歩くんです。あんな番組は後にも先にもないですね」（芸能プロダクションマネージャー）

「昼間にロケを始めて深夜の一時頃までひたすら歩きました。スタッフの皆さんも歩いているので文句を言うわけにはいきませんでしたが、十数時間ずっとディレクターさんは着いてくるだけで、何も指示しないんです。当時は嫌になりましたが、今になって思えばこういう番組は大事にしてほしいです」（某若手俳優マネージャー）

因みに、『田舎に泊まろう』を放送していたテレビ東京はガチの制作が多いと知られる局。他の番組にも、ヤラセを当たり前にしない制作を望みたい。

残念ながら、『田舎に泊まろう』は2010年3月にてレギュラー放送が終了している。

その後不定期に特番的な放送はあるが、ヤラセがない番組を制作することがいかに難しいかがレギュラー放送終了の理由なのだろうか。

[引用/参照：http://tocana.jp/2014/10/post_5076_entry.html]

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