楽天は25日、田中将大投手(25)の新ポスティングシステムでの来季のメジャー挑戦をついに容認し、日本野球機構(NPB)へ申請した。
NPBは米大リーグ機構(MLB)に楽天が上限2000万ドル(約20億8000万円)で設定した譲渡金を通知した。これで年の瀬まで長引いた移籍問題にようやく終止符が打たれた。それにしても既定路線だったはずの「メジャー容認」が、なぜここまで遅れたのか?
ケビン・ユーキリス内野手(34)獲得に端を発した”ヤンキース密約説”や”代理人あっせん説”まで浮上した舞台裏のドタバタ劇に迫った。
仙台市内の球団事務所で行われた田中と立花球団社長による話し合いは、約40分に及んだ。注目の結論は「入団以来、7年間の田中投手の貢献を高く評価している。そういった点を十分に考慮し、三木谷浩史オーナーは今回の田中選手のメジャー挑戦の希望を容認し、ポスティングシステムの申請を行う決断をした」(立花社長)。
晴れてメジャーへの道が開けた田中は「容認していただいて球団には感謝している。ひとまず一歩前に進んだなという感じ。ここでやってきたことを胸に刻んで、これからもやっていきたいです」。代理人に関しては「選定中です」とだけ話し、具体的な話は避けた。
日本一でシーズンを締めくくった11月3日から約2か月。ようやく容認にこぎつけたが、その間、球界内では発表が遅れていることに対して、さまざまな臆測が飛び交っていた。容認か否かで協議している最中、ユーキリスの獲得が発表された際にはこんな説まで浮上した。「楽天はヤンキースと手を結んで、田中を獲らせる代わりにユーキリスを安く獲得できたのではないか」(球界関係者)
ヤンキースからFAになっていたとはいえ、ユーキリスの今季年俸は1200万ドル(約12億円超)。そんな大物メジャーリーガーを楽天は契約金込みで1年総額3億円という破格の安さで獲得した。これが不可解だというわけだ。今季のユーキリスは腰を手術するなど本調子とはほど遠く、値段を叩きやすい状況ではあった。それでも球界内で「ヤンキースが(ユーキリスの)年俸をいくらか補てんすることで(田中の)譲渡金上限の20億円プラスアルファとしたのでは」(前出)との噂が出たのは、田中の去就に関する楽天の決断があまりにも遅く”表に出せない事情がある”と勘繰ったからだ。
球団内でも別の臆測が飛び交っていた。その一つが”代理人あっせん説”。田中が球団側の用意した代理人のもと、米球団と交渉することを容認条件とするもので、その人材探しに手間取っているという説だ。こちらも噂の域を出ない話だが「20億円という額に納得いかない球団が、交渉成立後のプラスアルファを見込んで仕掛けるのでは」(球団関係者)と、まことしやかにささやかれていた。
くしくも、米国で代理人候補として名前が挙がっているのはヤ軍の主将デレク・ジーター内野手(39)の代理人を務めるケーシー・クロース氏(50)と松井秀喜氏(39)の代理人だったアーン・テレム氏(59)の2人。ともにヤ軍と太いパイプがある…。
ここまで周囲をやきもきさせ、発表が遅れた原因は何だったのか。複数の球団関係者の話を総合すると、結局は三木谷オーナーの”悪あがき”だったという。
今回、メジャー挑戦の容認は既定路線と言える状況だった。ところが同オーナーは、新移籍制度に中心となってメスを入れることで得られるであろう「日本球界での絶対的地位」に着目。容認しなければ「絶対エースの残留」という”オプション”が付くこともあり、反対派として意欲を燃やした。一部報道や米メディアに対し「ポスティングシステムは容認しない」と発言したのもそのため。なんとか世論を味方につけ「新制度はおかしい」という風潮を作り上げたかったのだが、失敗に終わった。
紆余曲折はあったが、何より関係者が胸をなでおろしたのは懸念材料だった”ケンカ別れ”を避けられたこと。「球団には言葉では表せないぐらい感謝している。ファンの方々にもそうです」と感謝を述べた田中は移籍球団からの年俸などの一部を寄付することを決めた。金額や用途の決定は移籍先決定後になるが、球場の整備や東日本大震災からの復興に充てられることになりそう。楽天も感謝の気持ちでいっぱいだろう。
[東スポ]
http://www.tokyo-sports.co.jp/sports/baseball/218146/
当然って言えば当然の結果だなぁ
田中の紅白で審査員をする肛門をクンカクンカしたい