彼がうつ病とアルコール依存症に10年間苦しんだというのも、何となく納得だ。
競泳で5つの五輪金メダルを獲得したイアン・ソープ(31=オーストラリア)が13日放送の豪テレビ番組で、同性愛者であることをカミングアウトした。
イアン・ソープ
ソープは2年前に出版した自伝で「私は同性愛者ではないし、過去の関係もすべて異性とのもの」と記し、”ゲイ疑惑”を完全否定してきた。
ところが、この日の番組では「王者がゲイであることをオーストラリアが求めているかどうか分からなかった」「身近な人たちに打ち明けられるようになったのは、最近2週間の話」と涙ながらに告白。長く深く悩んできたようだ。
それもそのはずで、スポーツ界にはまだまだ偏見が残っている。
「米プロバスケ選手ジェーソン・コリンズが昨年『Iamgay』と告白、オバマ大統領が支持を表明して話題になりましたが、バスケのNBAをはじめ、大リーグ、NHL、NFLの米4大プロスポーツ界で、同性愛をカミングアウトしてから契約を結べた選手はコリンズが初めて。ま、大リーグでもシャワー室で同僚選手にシリをなで回されたなんて話はいくらでもありますが」(在米ジャーナリスト)
五輪金メダリストの荒川静香がかつて「同性愛の人が多い」と口を滑らせたフィギュア界はさておき、アスリートの告白にはかなりの勇気がいるようだ。
「むしろ日本の方がおおらかなぐらいで、世界にはいまだに宗教絡みで同性愛にゆがんだ偏見を持っている人たちがいる。男性アスリートに”男らしさ”を求めようとします。
そもそも一流選手ほど恋愛なんて二の次というストイックな生活を強いられるし、イメージを大事にするスポンサー絡みでカミングアウトできないケースもある。ソープは一線から離れ、さまざまな抑圧から解放され、ようやく自分の気持ちに素直になれたのでしょう」(スポーツライターの織田淳太郎氏)
ソープはこれでスッキリ、うつ病も快方に向かうことだろう。[日刊ゲンダイ]
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sportsx/151863
■現役引退後のソープ氏は悲惨な日々
・06年にいったん引退したが、11年に復帰を表明。翌年のロンドン五輪出場を目指したものの果たせなかった
・12年に出版した自伝では、うつ病やアルコール依存症に10年間苦しんだことを明かした
・うつ病の苦しさから逃れようとしてアルコールに依存していった経緯などを明かしていた
・ソープ氏は著書の中で、「私が人生において長い間、うつ病に悩まされながら過ごしていたことは家族でさえも気づいていない」「それは隠すべき自分の恐ろしい闇だ」と記した
・「うつ病は避けられないもので、その感情を人工的な方法で他に転嫁するしかなかった。それがアルコールだった」と付け加えていた
・2014年1月28日に自宅で転倒して肩を負傷し、29日に手術を受けた。翌日には退院したが、痛み止めや抗うつ剤などの作用で混乱状態に陥ったとみられる
・警察が発見した時は、他人の車を友人の車と間違えて乗り込もうとしていた。酒に酔ってはいなかったという
・ロンドン五輪を目指して復帰したものの出場できずに失望し、競技引退後の生活に適応できないことに悩んでいたという友人の話を報じている
・ソープ氏は2014年2月3日午前3時(現地時間)ごろ、シドニー南部郊外のパナニアの通りを徘徊しているところを発見され、病院に運ばれた
・自宅の近くで物音に気づいた14歳の少年が、私道に停車していたトラックに乗り込もうとするソープ氏を発見し、通報したという
・ソープ氏は「放心状態で」で何らかの影響を受けている様子だった、と同局は伝えている
・オーストラリアのイアン・ソープ氏(31)が、深刻な感染症のためシドニーの病院に入院していると8日、同国のメディアが報じた
・この2か月間で左肩の手術を複数回受け、その影響で感染症を患ったという
・代理人は地元メディアに「命に別条はないが、競技に復帰することはないだろう」と述べた[naver]
http://matome.naver.jp/odai/2139701794251734601
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