圧勝だった。12月12・13日にスペイン・バルセロナで行なわれたフィギュアスケートのグランプリファイナル男子シングルで、羽生結弦が優勝した。昨シーズンの福岡大会に続いての連覇である。
2位のハビエル・フェルナンデス(スペイン)につけた点差は実に34.26。ショートプログラムの94.08点、フリーの194.08点、合計288.16点、そのすべてが今シーズンの世界最高得点と、他を圧倒しての文句なしの優勝だった。
中国杯の衝突事故による負傷の影響に苦しんだNHK杯から約2週間を経ての今大会、羽生がどこまで調子を取り戻しているかに、まず関心は集まった。
公式練習で復調の気配を感じさせた羽生が、心配を払拭したのは、ショートプログラムの冒頭の4回転トウループだった。最初の大技を、羽生は本来の力強さで跳んで成功させてみせたのだ。
後半のトリプルルッツ-トリプルトウループこそやや強引さがあって転倒したものの、復調を確信させる演技で1位に立った。
フリーでは、最初に予定している2つの4回転ジャンプ、サルコウ、トウループともに、大きな加点を得た。とりわけ、サルコウはこれまでにないほど完成度が高いものだった。
「サルコウは、跳んだ瞬間に、きた!って思いました」
羽生自身も、会心のジャンプを演技後にこう振り返った。
後半トリプルルッツこそ転倒したものの、フリーの自己ベストを更新し、歴代でもパトリック・チャン(カナダ)に次ぐ2位の得点をたたき出し、優勝を決めた。
羽生はNHK杯後、練習でかなり厳しく追い込んできたという。体の回復あってこそだが、練習の中では、NHK杯前にはできなかった通し練習も行なった。
思うように練習できなかった状態から劇的に回復し、充実した毎日を過ごせたことが、グランプリファイナルの出来につながっていた。
そして今大会改めて実感させられたのは、逆境にあるとき、追い込まれたように見えるときこそ力を出す、力を増す、そんな羽生の特性だった。
もちろん体調はかなり戻っていただろうし、その間は練習を積むことができたのだろう。とはいえ、普通は1週間も休めば感覚は容易には戻らない、と選手やコーチに何度か聞いたことがある。それを考えれば、羽生のリカバリーの早いは際立っている。
さらに、勝負への強いこだわりも力を出すための源になっているだろう。
ただ同時に、今回のグランプリファイナルでは、羽生がこれまであまり見せてこなかった一面も、演技に強く作用したのではないだろうか。
フリーで印象的な場面があった。ジャンプの転倒のあとのステップで、笑みを浮かべたように見えたのだ。そこには、滑ること、演じることの喜びがあるようだった。
「スケートができることが、いちばんの幸せです」
試合後のコメントにも喜びがあり、それは逆に負傷後の苦しい心中をうかがわせるものでもあった。
練習できない、思うように滑れなかった日々。
中国杯からNHK杯までの日々、練習できない、練習を再開しても思うように滑ることができないという状態は、スケーターとして苦しい時間だったはずだ。それこそ、手足を縛られたようなものだったかもしれない。
ハードな練習を徐々に取り入れ、自らのパフォーマンスと向き合えるようになるまで、滑れない苦しみは続いただろう。バルセロナに入り、公式練習で調子を取り戻してきていることを実感したときには、すでに心中に喜びがあったように思える。
そしてショートプログラム、フリーと続く中でもその自信はふくらみ、さらに演技を高みへ押し上げたのではなかったか。
羽生本人も言う「幸せ」という感覚は、フリーを滑り終えた直後、苦笑いしつつ舌を出したしぐさにもうかがえる。
ジャンプでの転倒を悔やんでのことだったが、それでも思わず明るい表情がこぼれたことにも、演技中の心持ちが表れていた。
滑る喜びをあらためて実感した今大会は、羽生がこれまでも発揮してきた勝負へのこだわり、負けず嫌いといった性分とともに、これからの財産の1つになっていくことだろう。
大会を前にした12月7日には、20歳の誕生日を迎えた。 最良の形で20歳のスタートを切った羽生は、26日からの全日本選手権で、NHK杯とは異なる姿を見せるはずだ。その演技に注目したい。
[引用/参照:http://number.bunshun.jp/articles/-/822274]
□ Yuzuru Hanyu 羽生結弦 FS – 2014 GPF
浅田舞のクソビッチには呆れた
結弦とのHの影響でリプニツカヤちゃんのフリーは膝がガクガク……ツンデレちゃんも身体は正直だよね♪