「ツォンガ・コール」が巻き起こったアウェーの雰囲気の中、日本のエースが4時間近いフルセットの大熱戦で力尽きた。
2日にパリで行われたテニスの全仏オープン男子シングルスで錦織圭(25=日清食品)は地元フランスのジョーウィルフリード・ツォンガ(30)に敗れ、日本男子で1933年の佐藤次郎選手以来82年ぶりとなる4強進出に届かなかった。
強風が吹き荒れ、第2セット途中にセンターコートの大型ビジョンに設置された金属製の板が観客席に落ちるアクシデントも起きた。
約40分の中断を経て錦織が2セットを取り返すと、指導するマイケル・チャン氏(43)がガッツポーズを繰り返した。多くの日本人ファンからも「頑張れ」「行けるぞ」と大声援が飛んだが、悲願の四大大会初制覇は持ち越しとなった。
激闘を制しコートに「Roland Je t’ aime ※注①」の文字を書いたツォンガ
観戦した40代の男性は「サーブを打つ時でもフランス人がやじを飛ばす逆風の中で紙一重の勝負だった」と無念そうな様子。40代の女性は「本当に悔しい。完全アウェーの中、劣勢をはね返して素晴らしい戦いだった」と振り返った。
[引用/参照:http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2015/06/03/kiji/K20150603010469760.html]
※注①「ローラン、愛している」の意
ローランとは、全仏オープンの舞台であるローラン・ギャロス競技場のこと。
勝利後にツォンガは、彼の名を叫び続ける観客の声援を浴びながら、たっぷり時間を掛けてコートの土に「ROLAND JE T’AIME」とシューズで書くと、「JE」と「’」の間に大の字になり寝そべった。
それは、自らの身体を「T」に見立てた粋なサイン。「ROLAND JE T’AIME」。
「いつか、やろうと思っていたことなんだ」という取って置きのファンへのメッセージをこの日にやったのは、それだけ錦織戦の勝利がツォンガにとって大きな意味を持つということ。
そして、この日に向けてメディアとファンが一体になり醸成した空気が、それだけツォンガの心を震わせた証だろう。
□ 修造は激闘に男泣きツォンガ「アリだった」
元プロテニスプレーヤーで、スポーツキャスターの松岡修造氏(47)が3日、自身の公式サイト内のコラムを更新。
全仏オープンの男子シングルス準々決勝で錦織圭(25=日清食品)をフルセットの末に破ったジョーウィルフリード・ツォンガ(30)を「蝶のように舞い、蜂のようにさした!」と伝説の名プロボクサー、モハメッド・アリに例えて絶賛した。
松岡氏は「ツォンガはモハメッド・アリだった」とし、ツォンガは風貌だけでなくテニスもモハメッド・アリに似ていると断言。
㊧ツォンガ モハメッド・アリ㊨
「今日のツォンガは、軽快だった。切れがあった。蝶のように舞い、蜂のようにさした!」とし、「圭の強打を軽やかなフットワークとともにかわしていく。それはまるでアリのジャブのようだ。そして、チャンスと見ればカウンターの強打!」と解説。
「それによって圭は・・・自分を見失った・・・」と日本男子82年ぶりの4強入りを逃した錦織が第1、2セットを連続で落とした原因を分析した。
その上で「圭にとって、グランドスラム制覇のチャンスだっただけに、、、悔しいです。残念です。辛いです」と振り返った松岡氏は「試合中、圭の諦めない姿に心を打たれた。感極まった。夜中涙が止まらなかった・・・」と夜中に男泣きしたことも告白。
そして「ウザがれても僕は圭に応援ソングを贈りたい。できる、できる、圭ならできる♪ 圭は、日本の、宝なんだから!Don’t worry, don’t worry.Be—–happy!」とエールを送った。
[引用/参照:http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2015/06/03/kiji/K20150603010470730.html]
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