楽天次期監督大物ズラリ 星野、桑田浮上に東尾の名も
パ・リーグ最下位に終わった楽天の監督問題が風雲急を告げた。
楽天は29日の今季最終戦終了後、成績不振を理由に2年契約1年目のブラウン監督(47)の解任を発表した。
後任候補に元巨人の桑田真澄氏(42)、阪神シニアディレクター(SD)の星野仙一氏(63)、元西武監督の東尾修氏(60)、はたまた野村克也名誉監督(75)の現場復帰…とビッグネームが乱立。
ペナントレースでは低迷した楽天が、ストーブリーグの主役となりそうだ。
万年最下位からリーグ2位となった昨年の快進撃から一転。
今季は熱パをよそに低迷し続けた楽天が、ブラウン監督を契約1年を残して解任した。
成績不振は客足にも響いた。
今季のKスタ宮城の入場者数は1試合平均1万6000人弱。
昨季に比べて1000人ほど減少し、今季は億単位の赤字が見込まれるという。
「勝てば来ていただけると考えているので、この成績は(観客減に)大きな影響を及ぼした」と米田球団代表。
エース岩隈のメジャー挑戦が確実となり、ファン離れに歯止めを掛けたいことも、解任の大きな理由になった。
米田球団代表は「まったく決まっていない」としたが、現状打破に見合う後任監督の条件は「勝てる」ことと「ファンを呼べる」こと。
この両方の条件を満たす人材となると限られてくる。
後任の候補者は、ビッグネームがズラリと並んだ。
まずは、元巨人、パイレーツの投手、桑田氏だ。
まだ指導者の経験はない桑田氏だが、野村名誉監督も、その卓越した野球理論に一目置いている。
楽天監督在任中にテレビ番組で対談した際には「後継者ができた。
彼なら安心して譲れる。
早くユニホームを着て」とラブコールを送ったこともある。
2006年には巨人を戦力外になった桑田氏を楽天が獲得に乗り出した。
結局、メジャーリーグのパイレーツ入りに至ったが、桑田氏は楽天に恩義を感じている。
さらに桑田氏は昨年12月4日、楽天・三木谷浩史球団会長が早大で特別講師を務めた「トップスポーツビジネスの最前線」の講義を聴講。終了後に控室を訪れ歓談した。
桑田氏は「あいさつ程度ですよ。(三木谷会長とは)以前から親交がありますしね」と語り、両者には太いパイプがある。
楽天本社は6月30日に2012年中に社内公用語を英語に切り替えることを発表。
パイレーツでも通訳をつけず英語がペラペラの桑田氏なら、本社のイメージにもピッタリの人材だ。
続くは、阪神SDの星野氏だ。
野村前監督の解任騒動に揺れた昨年10月、星野氏は三木谷会長と料亭で密会したところをフライデーに激写された。
楽天・仁村徹2軍監督(48)は現役時代から“星野一派”として知られている。
「星野さんが、子飼いの仁村さんに“先に行って様子を見てこい”ということだろう」とチーム内でささやかれているのは事実だ。
星野氏も今年4月に大阪市内で行ったトークショーで「もうひと勝負したい。闘志だけはまだある。オレも背広よりユニホームが似合うんや」と現場復帰宣言をしたばかり。
日本代表を率いて惨敗し、大バッシングされた08年北京五輪の汚名を仙台でそそぐか。
昨年、野村監督の後任候補として最後まで残っていたのが元西武監督の東尾氏。
この1年で、“石田純一の義父”としてスポットライトを浴びたが、1995~2001年まで西武を率いて、すべてAクラス。指揮官としての手腕は光る。
来季、楽天入りがささやかれるメジャーリーガーの松井稼頭央内野手、西武から戦力外となった工藤公康投手とは師弟関係。
実力、話題性ともに有力候補といえる。
また昨オフ、泣く泣く現場を去った野村克也名誉監督の復帰、ヤクルト・荒木大輔投手コーチ(46)の名も。
内部昇格なら、佐藤義則投手コーチ(56)、仁村2軍監督とまさに候補者乱立の様相だ。
が然、白熱の楽天次期監督レースから、目が離せなくなってきた。
ワシが監督じゃよ