「秋晴れや かがやき求め 文科省」。馳浩氏は自身の文部科学相就任を記念した祝賀会で、自作の俳句を披露した。元プロレスラーという経歴ばかりが取り上げられるが、実は教員免許を持ち、高校で古典を教えていた経験もあるのだ。
政治家としては参議員6期目を迎えたベテラン。プロレス出身者として初の大臣に登りつめた。彼を知る人物からはさまざまな評価や期待の声が出ている。
尾木ママは太鼓判「期待大」
アントニオ猪木氏や大仁田厚氏、神取忍氏。これまでプロレス出身の政治家は数多くいたが、大臣にまでなったのは馳氏が初めてだ。
かつて「ハセケン」コンビでタッグを組んだ佐々木健介さんは「昔からの夢を実現に向かってグイグイ進んで行く、馳は男としてカッコいいと思います」(2015年10月7日ブログ)と喜ぶ。
プロレスラーとしてはタイトル争いをするなど1流の成績を残したが、政治家としての手腕はどうか。教育評論家の「尾木ママ」こと尾木直樹さんは10月7日のブログで
「やはり文科大臣には期待大ですね!!」
と太鼓判を押す。「教師感覚とても素敵なところありますよ。不登校の子ども、立場の弱い子どものこと温かいです」と評価した。
同郷の大先輩である森喜朗氏の引き立てもあってか、馳氏は政務官や副大臣を務めるなど、政界進出後は一貫して文教族の道を歩んできた。五輪招致などのスポーツ行政のほか、児童虐待防止法の成立、改正にも携わった実績がある。
同じプロレスラー出身の政治家からも期待が高い。元参議員の大仁田厚氏は、
「心から感謝します プロレスラーの世間からの偏見を打ち破ってくれたことに 元プロレスラー大臣として頑張ってください」(10月7日、ツイッター)
プロレスの師匠筋にあたり、参院議員のアントニオ猪木氏は、
「いつか、国会で大臣に質問をする事があるかと思いますが、今からどんな技をかけるか楽しみです。おめでとう!1・2・3ダーッ!」(10月7日、馳氏がフェイスブックで公開した書面)
とそれぞれエールを送っている。
「彼はウラとオモテがあるからね」
一方、辛口評価がない訳ではない。血で血を洗う、まさに死闘を繰り広げた蝶野正洋さんは10月7日放送の「バラいろダンディ」(TOKYO MX)で、
「内閣決める時にちゃんと下調べをしてないんですかね?」
「2、3か月で多分ダメになるんじゃないかな」
「(人柄は)素晴らしいけど、彼はウラとオモテがあるからね」
などとこき下ろした。もちろんヒールとしての悪態で、戦友への彼なりのエールであったのだろう。
馳氏は2006年8月、プロレスラーとして引退する思いをつづったブログにこう書いている。
「プロレスラー上がりの総理大臣が出てもいいじゃないか、そう評価されるように地道に政務に取り組んで行きたい。そして、『総理大臣になってSPを従えてリングに登場する!』というささやかな夢を追いかけて、リングシューズを脱ぎたい」
文科相就任が、夢への一歩となるかもしれない。
[引用/参照/全文:http://www.j-cast.com/2015/10/09247540.html?p=all]