「いい球を投げられた」
昨年3月に右ひじ靱帯再建手術を受けたレンジャーズのダルビッシュ有投手が、28日(日本時間29日)に本拠地で行われたパイレーツ戦で復帰し、5回を投げて3安打7奪三振1四球1失点と好投した。
チームは5-2で勝利し、ダルビッシュは670日ぶり勝利。最速98マイル(約158キロ)の豪速球も披露した日本人右腕は「ちゃんとスピードも出ていた」と復活に手応えを披露した。
今季3番目の大入りとなる本拠地グローブ・ライフ・パークの4万6950人の大観衆に万雷の拍手で迎えられたダルビッシュは、期待通りの豪快なピッチングを見せた。
「今までのリハビリ登板と変わらずに落ち着いていました。ちょっと力は入りましたけど、緊張とかはなかったです」。試合後の記者会見では穏やかな表情で話した。
[引用/参照/全文:http://dailynewsonline.jp/article/1112184/]
逆境をチャンスに変え肉体改造
女房役のウイルソンは、「素晴らしい投球だった。ストレートは158キロだったし、シンカーも145キロを超えていた」と絶賛。
自軍のバクスター監督も、監督就任以来、初めて見る“生ダル”に「私が記憶にあるままのピッチング」と賛辞を惜しまなかった。
昨年3月にトミー・ジョン手術を行い、その後、プラン通りに順調にリハビリを重ねたが、ダルビッシュが常人と違うのは、このピンチをチャンスに変えたことである。
「逆にチャンスだと思った。野球選手はオフが2、3か月しかないため、本当に体を変える時間がない。長い時間をかけて、自分のやりたいことができるのは、滅多にないこと」
この間、ダルビッシュは栄養学を学び、肉体のメカニズムを学び、長期ビジョンにのっとった肉体改造に取り組んだ。
筋量を増やすには、トレーニングと栄養が重要で、しかもピリオダイゼーション(期分け)と言われるトレーニングの計画性が必要だとされている。
1か月に2キロ以上も体重を増やすような急激な増量は、脂肪を同時に増量させ、しなりがなくなり、筋肉が動くための効率が落ちるためだ。
1か月に1キロ、5か月で5キロを増やして、次に2か月をかけて3キロを減らして、正味の筋肉を2キロ増やすような計画性が理想とされているが、ダルビッシュは1年をかけて体重を6キロ増やした。理想の肉体改造である。
その結果、何が生まれたか。
復帰戦のダルビッシュのピッチングには、明らかに力みが消えていた。打順やピンチにギアを入れ替えしながらパワーの出力を変えるのがダルビッシュのピッチングの特徴だが、ハイパワー時にもブレが少なかった。
先頭打者として、いきなりセンター前ヒットを放ったパイレーツのジェイソは、試合後、
「彼はよく見えた。手術の影響など見えずに普通だった。自分でしっかりとピッチングを支配していた。
ストレートもちろんよかったが、故障する前よりカーブがよくなっていた。
彼は以前いいカッターを多用していたが、あそこまでカーブはよくなかったのではないか」
と証言した。キャッチャーのウィルソンは、ダルビッシュの親友、ペレスがウイニングショットとするシンカーの進化を口にした。
カーブ、シンカーと変化球にキレが増したのも、まぎれもなく肉体改造により“排気量”が増えたためだ。
要所、要所でバッターの目線を縦に大きく動かすカーブと、145キロ近いスピードで手元で落ちてくるシンカーは、リーグでチーム打率1位のパイレーツ打線を翻弄していた。
トミー・ジョン手術は失敗例も多く、逆に手術前の状態を取り戻すのに3年はかかるとされているが、ダルビッシュは、休んでいる間に、手術前の状態より進化させてみせたのである。
感動の復帰白星を手にしたダルビッシュは、試合後、冷静に「球速も出ていたし、いい球がいっていた。通用するとは思った。でも重要なのは、この試合だけでなくトータルで結果を残せるかどうか。自分を評価するのは、それからです」と、言葉を発した。
ダルビッシュはトミー・ジョン手術を受けるピッチャーの成功例として新しい進化モデルを全米に示すのかもしれない。
[引用/参照/全文:https://thepage.jp/detail/20160530-00000001-wordleafs]
右ヒジ異常なしを強調
一夜明けたこの日、試合前に取材に応じ、「体の張りとか反応はマイナーで投げた後と変わらないです」と全く問題がないことを明かした。
「マイナーで投げたときも楽しかったけど、やっぱりメジャーはまた違った感じで楽しめましたね」と復帰戦をあらためて振り返った。
自宅では特にお祝いすることもなく、普段通りだったという。
祝福のメッセージは「ちょいちょい来てた」と少なからず届いたようで「川崎さんと岩隈さんからも連絡があったけど、サプリをあげている青木さんからはなかったな」と笑わせた。
また、チームメートとの裏話も披露。「(左腕エースの)ハメルズに『マイナーで97マイル(155キロ)出てたけどメジャーでは無理だろう』と言われた」「(仲の良い)ペレスには『2か月で3勝だろう。オレは1日で1勝だ』と言ったよ」
テキサスの地元紙もエースの復帰を大歓迎した。
ダラス・モーニング・ニューズ紙は総合1面の右下に「お帰り!」とボードを持ったファンの写真を掲載し、スポーツ1面では「予想通りの復帰」との見出しで「切れ味鋭い復帰登板により、ダルビッシュはレンジャーズに強力なローテーションをもたらす」と報じた。
[引用/参照/全文:http://www.tokyo-sports.co.jp/sports/baseball/546536/]
ネットの反応
・前に比べて四球ださなくなったな
・手術明けでも安定感が他の日本人ピッチャーとは違いすぎる
・パワーアップしてましたね
・とにかく怪我するな、体調にだけは気をつけてと願うのみ
・158㎞とかすげえ
・何よりもダルビッシュのあの体よ 単にお休みしてただけではなかったんだな
・田中も手術しろよー
>桑田はダメになったじゃん。マー君だってどうなるかわからん!
・球速はやくなりすぎw
・ダルビッシュがマウンドに上がる時の歓声が凄かった
・最初の三振のときはスタジアムが揺れたからな
・投げ終えたあとや試合後のダルの表情みてると 自分への期待感がみてとれたな
https://www.youtube.com/watch?v=wJgeXdtX0Zs