プロフィギュアスケーターでオリンピックにも2度出場経験のある村主章枝が、ヌード写真に挑戦することで話題を集めている。
その写真集『月光』(講談社)は2017年2月に発売予定で、『週刊現代』(講談社)12月19日発売号では先行で写真が掲載されているのだが、世間からは「一体なぜ?」「そこまでお金ないの?」と疑問の声が。
今年の4月にも週刊誌のグラビアでセミヌードを披露していた村主。
しかし仕事がないというわけではない。大人向けや子供向けのスケート教室を行っているし、『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)や『アウト×デラックス』(フジテレビ系)などの人気バラエティ番組にもちょくちょく出演、シーズンにはスポーツ新聞などでスケート評論も行っている。
だが、12月5日の深夜に放送された『あの天才のその後…今を追跡してみました』(テレビ東京系)にはまるで「すっかり落ちぶれてしまった人」のような扱いで出演。
収入について「普通のOLさんよりないと思う」と話し(ちなみに番組によるとOLの給料の平均は276万円とのこと)、ヌードグラビアについても「やるときはやるしかない」「仕事ですから」とお金のためにやったというようなことを匂わせた。
しかしやはり仕事がないわけではない。
月の半分以上がホテル暮らしで、食事はコンビニのサラダなどで済ませてしまうという話をしていたが、実際これは、全国各地を転々としてコレオグラファーとしての仕事をしているためである。
時には海外遠征もあり、月の半分も家に帰れないほど仕事自体は多く入っているということだ。ではないだろうか。
となると問題なのは、そのギャラの安さということになってくる。五輪出場経験や数々のグランプリ経験を持ち、知名度も実力もある村主が、一年中稼働しっぱなしでも「年収276万円以下」しか稼げないワーキングプアだとしたら、フィギュアスケート界も問題視すべき事柄なのではないだろうか。
もちろん村主の言う「OLの給料」がどれほどの額をイメージしているのかは不明で、遠征費やホテル滞在費などの経費を差し引いた手取りが「OLの給料以下」という可能性もあるが……。
ちなみにメダリストなど人気の元・フィギュアスケート選手は、プロに転向し、アイスショーで稼ぐパターンが多い。荒川静香や安藤美姫、高橋大輔、織田信成といった人気者たちはみんなショーに出ている。
荒川静香クラスのスター選手なら1回のショー出演でギャラが100~200万円、有名でなくとも10~20万円と言われている。
だが村主はショーへの出演が極端に少ない。自らスケートを滑るよりも、後進の育成に努めたいということなのだろうか。
33歳まで選手生活を続け、晩年は全日本選手権で4年連続予選落ちの低成績で引退したという経緯から、プロとしての需要があるタイミングを逃したと厳しい指摘もある。
ただ、『あの天才のその後…今を追跡してみました』では最後に「自分が取れなかったメダルを自分が振付をした子がとってくれたら」と語っており、引退後も競技としてのフィギュアスケートへの並々ならぬ想いが溢れていた。
村主は落ちぶれたのではなく、選手としての人生にこだわり続け、あえていばらの道を進んでいる。そんな気がしてならない。
[via:http://mess-y.com/archives/39155/]