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【MLB】元DeNAグリエルの人種差別行為 ダルビッシュの寛容な姿勢に称賛

MLBのマンフレッド・コミッショナーは28日、ワールドシリーズ(WS)第3戦でドジャース・ダルビッシュ有投手(31)を差別する言動があったアストロズのユリエスキ・グリエル内野手(33)に来季開幕から5試合出場停止処分を科すと発表した。

グリエルはダルビッシュから本塁打した後、ベンチで目尻を指で押さえて目を細くし、スペイン語でアジア人の蔑称「chinito(中国人の少年の意)」と口にした。

グリエルは「私の行為で傷つけられた全ての人に心から謝罪する。深く後悔している」と声明を出した。

コミッショナーはWSを出場停止にしなかった理由について「ア軍の他の24人へ影響があり不公平」などと説明したが、ボストン・ヘラルド電子版は「ダルビッシュがグリエルをWS出場停止から救った」という記事を掲載。

[via:https://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/201710300000171.html]

ベルトランが仲裁


シリーズ開幕前日にダルビッシュとの再会を喜ぶベルトラン[10月23日]

アストロズのカルロス・ベルトラン外野手(40)まず第3戦終了後、大勢の報道陣に囲まれる直前のグリエルと話し合った。プエルトリコ出身のベルトランと、キューバ出身のグリエルはスペイン語で気兼ねなく会話ができる仲。

ただ、第3戦終了直後のグリエルは事の重大さに気づいておらず、多くのメディアが集まっていることを知ると、とても驚いていたという。そして「だれかを傷つけようとしたわけじゃないんだ」と繰り返した。

そんなグリエルに対しベルトランは、同内野手の行動が差別に当たると説明。「オレたちがワールドシリーズを戦っていて、みんなが注目していることを忘れちゃダメだ」と諭したという。

ベルトランはその後、ダルビッシュが出した「誰でも間違うことはある。この出来事から学ぶことができれば、人間としての大きな1歩となる」という声明を読んで感動。同投手へメールを出した。

「君の声明文を読んだよ。いかに君が素晴らしい人間か分かるものだった。それと同時にユリ(グリエルの愛称)も間違いを犯したことを悲しみ、後悔している。

ヤツのことは好きだし、リスペクトもしている。それほど悪い人間ではないと思うんだ。だから何か君たちの間に問題があればオレに言ってくれ。君と君の家族に神のご加護がありますように」

ダルビッシュもメールを返信。

「僕にも家族がいる。だれも、自分の家族が悲しみに打ちひしがれているところを見たくはないと思う。みんな間違いを犯すし、僕だってたくさんやった。

彼が間違いから学ぶことは、とても意味のあることだと思う。彼のプレーを見るのが好きだし、いつでも対戦したいと思う。その気持ちに変わりはないよ」などとつづった。

ベルトランが、このダルビッシュからの返信メールをグリエルに見せると、ほっとした表情を浮かべていたという。

[via:https://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/201710300000651.html]

MLBコミッショナー
「ダルビッシュ氏に心を動かされた」

両選手と個別で話し合いの場をもったという同コミッショナーは「グリエル氏はすぐに自分の過ちを認識し、深く反省していた」と同選手の様子を報告。

ダルビッシュとの会話については「この困難な状況の中で彼の考え方は模範となるほど素晴らしかった。中でも特筆すべき点は、このネガティブな出来事を人々が学び、深く理解するための機会にしたいという意見だ」と称賛。

さらに出場停止処分のタイミングがシリーズ期間中ではなく、来季にした理由の一つとして「ダルビッシュ氏との会話の中で前に進みたいという彼の気持ちに心を動かされた。(グリエルの)処分の時期を今ではなく、来季にする後押しになった」と説明した。

[via:https://www.daily.co.jp/mlb/2017/10/29/0010686423.shtml]

グリエルのコメント

グリエルは試合後、通訳を通じてこう言っている。

「誰も攻撃したつもりはなかった。彼も日本にいる誰のことも攻撃するつもりはなかった。僕は日本でプレーしたし、とてもリスペクトしている」

同時にこうも言っている。

「キューバではアジアから来た人は全員、『Chino』と呼んでいる。日本人とか中国人とか呼ばないで、彼らのことを『Chino』と呼んでいるんだ」

アジア人を誰でも「Chino」と呼んでいることを明らかにしたのは少し間違っているような気もするのだが、グリエルにはそれがアジア人蔑視である意識はない様子だった。

それが問題の核心かも知れない。ツイッターでは、ある人がこう呟いている。

「(テレビではグリエルが)スペイン語の『Chinito』って言ってるように見えたが、それは『Little Chinese』って意味だ。アジア系の人々を馬鹿にしている」

コミッショナー裁定で来季開幕から5試合の出場停止処分を受けたわけだから、グリエルの真意が何であれ似たようなことを言ったのは間違いないだろう。問題は試合後のインタビューでそういう風に話してしまうところが無警戒すぎる、ということ。

普段のグリエルは「無邪気な人」という形容がピッタリくる人。子供のように喜怒哀楽を表わすし、気さくに何でも話してしまう。それが今回は完全に裏目に出たようだ。

[via:http://number.bunshun.jp/articles/-/829180]

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