1人の女性のツイートが日本、そして世界のサッカーファンの心を掴んだ。
そのツイートには、日本代表が使用したロッカールームの写真が添えられていた。
「これは94分でベルギーに負けた日本のロッカールームです。スタジアムでは代表のサポーターに感謝し、ベンチやロッカールームをきれいにし、そしてメディア対応をしました。またロシア語(キリル文字)で『ありがとう』と書かれたメモまで残していきました。すべてのチームの模範だと思います」
そのツイートの主は、オランダ人のプリシラ・ヤンセンスさん。FIFA(国際サッカー連盟)の運営スタッフとして今大会に関わってきた。
オーバータイムで逆転された日本代表が、怒りや悔しさでいっぱいだったことは容易に想像できる。しかしまるで使用前のように清掃、整頓し、メモまで残した姿に感動したのだろう。
「日本には品格がある」
このツイートは瞬く間に広まり、日本人はもちろん世界中のメディアや多くの人々が反応した。
「日本はClass(品格)がある」
「素晴らしいマナーだ。いつか日本に行ってみたい」
「子供にスポーツを教えているコーチは、こういうことも教えるべきだね」
こういった言葉がSNS上に並んだ。
選手が清掃したと伝えた海外メディアもあったが、実際に片付け、メモを置いたのは代表スタッフだった。しかし日本代表として戦っていたスタッフも選手と同じような悔しさがあったことはまちがいない。
そういった気持ちをかみしめながら、会場のスタッフやボランティアへの感謝をメモに残す気遣いはなかなかできることではない。
ロッカーが散乱しているのは普通
ロッカールームが散らかっているのは、ワールドカップだけに限らず、スポーツ現場ではよくある光景だ。怒りにまかせて椅子を蹴ったり、壁を殴ったりする選手を現場で見たことがある。
関係者にとってはそういったことは、良くも悪くも見慣れた光景なので、飲みかけのボトルやゴミが落ちていたり、椅子が床に転がっていても、スタッフたちは黙々と作業をするだけだ。
プリシラさんのツイートにグッときた日本人ももちろん多いはずだ。大会前には監督解任の報が流れ、批判の声も上がった。グループリーグの最終戦のプレーには日本はもちろん世界から疑問の声もあった。
「日本を応援する気がなくなった」
「決勝ラウンドではベルギーを応援する」
そんな言葉もあったが、ベルギー戦での日本の戦いぶり、その後、1枚の写真と言葉を見て、考え方を変えた人は多かったはずだ。
「Integrity(気高さ)」
選手や関係者を含めて日本代表がどういった姿勢でワールドカップに臨んだのか、そして舞台からどう去ったのか垣間見ることができた。
守秘義務違反で解任されていた
多くの人の心を動かしたプリシラさんのツイートだが、その後、彼女は当該のツイートを削除し、そして大会期間中にも関わらず、任務を解かれている。
「突然、私の冒険は終わりを迎えてしまいました。モスクワに戻り、帰路につきます。FIFA、そしてロシア、関係者の皆さん、素晴らしいトーナメントの一員にさせてくれてありがとうございます」
プリシラさん本人そしてFIFAに問い合わせたものの返答はないが、おそらくボランティアを含む大会関係者が遵守すべき「守秘義務」への違反が問題になったのだろうと思われる。
今大会の組織委員会で働くロシア人スタッフによると、大会前にそういった規則、守秘義務などにサインをさせられたとのこと。
そしてこのツイートだけではなく、SNS使用や写真撮影などで問題が起きていることも教えてくれた。
確かに関係者しか立ち入りができない場所での情報を関係者やボランティアが次々とSNS上などで上げてしまったら収拾がつかないことになるし、今回のような「いいニュース」だけではなく、ネガティブなニュースが出ないとも限らないため、守秘義務などの規則があるのは当然で、雇用された側が遵守しなければならない。
きれいなロッカーは稀だったからこそ話題に
規則上、仕方のないことだったのかもしれないが、プリシラさんが大会の期間中に去ってしまったことは残念でならない。しかし彼女が善意と好意を持って行ってくれたことから学べることは多いと思う。
使った場所をきれいにする。
ゴミを拾う。
関わってくれた人たちに感謝する。
相手に敬意を持って接する。
相手の文化を理解し、尊重する。
本当に些細なことだと思う。でも彼女のツイートにこれほどの反響があったのは、世界でも日本でもそれが「特別なこと」になっているからではないだろうか。自戒も込めて、自分の行動や姿勢を見直していければと思う。
[via:NumberWeb]
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180715-00831333-number-socc
試合前のロッカールーム
ネットの反応
・まぁ、そうだよね
・仕方ない
・まあこれ、写真アップされたときから言われてたしな
・FIFAの了解を取らないで個人が勝手にツイートするのはマズイだろうね
・契約だから仕方ないのだろうが可哀想ではあるな
・守秘義務どうこう言うならスタッフの私用スマホは回収にすべき
・悪いことした人に褒められてホルホルしてたのか残念
・このクビになった人に何かしてやるのが情ってもんだろう
JFAは日本観光ぐらい呼んでやれよ
・この人のツイートに嬉々としてたのは日本のマスコミやウヨたちだったじゃないか
クビになったら知らん顔とか、そりゃ薄情すぎるわ
・別に思い出ボランティアだろ
・こんなに厳しいと東京五輪のボランティア募集も人が集まらないかもな
・日本人て国際試合だとこれ見よがしにきれい好きをアピールするよな
国内だと、例えば野球場なんかゴミだらけだがw
>地元のJチームも試合後はゴミだらけだわ
・本当は内輪ネタで止めとくのが一番だったんだろうな
・スタメンダダ漏れのほうを何とかしろよ
英紙記者「日本はヤバいチームだった!」
6月14日に開幕したロシア・ワールドカップは全64試合を消化し、フランス代表の20年ぶり2度目の優勝で幕を閉じた。史上最高レベルの大会との呼び声が高く、数多の名場面や名勝負が想起される。
英紙『The Guardian』は、今大会の取材に13人の記者(フリーランスを含む)を送り込んだ。7月16日付けのウェブサイトで展開したのは大々的なレビュー企画で、それぞれの記者が思い思いに項目別の“ベスト”を語り尽くしている。
そんななか、ふたりの記者が「ベストゲーム」に選んだのがラウンド・オブ16の激闘、日本vsベルギー戦である。スチュワート・ジェームズ記者の描写が実に面白い。
「すっかりベルギーの楽勝だろうと思っていたが、日本は完全にヤバいチームだった。彼らがタカシ・イヌイ(乾貴士)のスーパーゴールでスコアを2-0にした瞬間、記者席で隣に座っていた『The Telegraph』紙のジェームズ・デッカーと見つめ合ったんだ。
『おい、これは地球上で起こってることなのか?』とね。そのあとのベルギーの反撃は尋常じゃなく苛烈だった。あんな勝ちっぷりは観たことがないし、最後の一撃は史上最高のカウンターアタック・ゴールだと思う」
大半の記者がスペインvsポルトガル戦、ブラジルvsベルギー戦、あるいはフランスvsアルゼンチン戦などをベストに挙げるなか、「ロストフの死闘」に一票を投じたもうひとりが、ニック・ミラー記者だ。
こちらも「その場にいたからかもしれないが、ベルギーvs日本戦ほど予期できないスリリングな試合を、わたしは観たことがない」と興奮気味に綴り、「今回のワールドカップの特異性を象徴したゲームであり、まさに“ノックアウト”と形容するに相応しい劇的な幕切れだった」と称えている。
なお決勝点となったナセル・シャドリのゴールをベストに推したのは4人の記者。ジョナサン・ウィルソン記者は「流れるような繋ぎ、抜群のスピードと連動性、ロメル・ルカクの見事な動き、なにもかもが美しかった」と絶賛している。
敗れたとはいえ、日本代表サポーターにとってもベルギー戦は長く語り継がれるだろう、胸を張れるベストバウトだった。
[via:NumberWeb]
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180715-00831333-number-socc
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