ヤクルト・林昌勇投手(34)が、年俸3億6000万円プラス出来高の2年契約でヤクルトに残留することが28日、発表された。
交渉は条件面が折り合わずに難航を極め、1カ月以上に及んだ。
その結果、年俸は今季の1億4600万円から2・5倍増で、3年目は双方が合意すれば契約延長となり、林は最大で14億2000万円の巨大契約を勝ち取ることに大成功。
しかし林は、大金と引き換えに、チームメートから”銭ゲバ”のイメージがついてしまい、関係を修復しなければならなくなってしまった。
ヤクルトの独占交渉期限は、あす30日までで、一時は決裂が決定的とみられていた。
期限が目前に迫った27日に林が来日し、4時間半の交渉を経て、28日の午前0時半に合意。
ヤクルト・奥村国際担当は「本人が『ヤクルト残留が第一』と伝えてきたので、それを信じて粘り強く交渉してきた」と話したが、笑顔はなく、疲れ果てた様子だった。
林はヤクルトナインに「巨人はヤクルトが提示した倍額を出すと言っている」「ロッテからは5年契約で、コーチや引退後の保証もしてくれると言っている」などと話し、間接的にヤクルトからの条件つり上げを狙っていたととられかねない言動をとってきた。
ところが、ある主力選手が独自に関係者を通じて調査したところ、巨人が用意していたのはヤクルトと同等の条件で、ロッテはオファーすら出していなかったことが判明。
「あんなに金にがめついと思わなかった。
残留しても、これまでと同じように接することは難しい。
林に3億円も払うなら、1億円の投手を3人獲った方がよっぽどマシ」と同選手。
チーム内で林の株は急落してしまったのだ。
ここまで交渉が難航した理由を林の代理人であるパク・ユヒョン氏は「日本国内なら最初からヤクルトだった。
提示には満足していたが、メジャーに行くか本当に悩んでいて、1日に3、4回考えが変わることもあった」と明かす。
実際に林は今オフ、サンフランシスコとテキサスにメジャーのプレーオフを観戦に行った。
ただ、メジャー志望についても、シーズン終盤には「今はメジャーは考えていない」と発言していただけに、ナインへの悪い印象はぬぐえない。
結局、林はヤクルトからケタ外れの条件を引き出して残留したものの、チーム内には”銭ゲバ”のイメージが定着。
一度失った信頼は、お金では取り戻せそうにない?
[ZAKZAK]