常勝球団から、史上最悪の低迷球団へ。
日本ハムからFA宣言した森本稀哲(ひちょり)外野手(29)が1日、東京都内で会見し、横浜への移籍を表明した。
森本稀哲、移籍を表明
決断の理由について、森本は「なかなか勝てない横浜を、日本ハムで培ったものでなんとかしたい」と説明。
シーズン終盤の身売り騒動も「全く気にならない。
それは社長に任せて、元気にプレーしたい」と話した。
男気にあふれた挑戦とはいえ、5年で3度のリーグ優勝を誇る日本ハムから、史上初の3年連続90敗以上を記録した横浜への移籍は、奇異にも映る。
報道陣はなんとか納得のいく答えを引き出そうと、さまざまな角度から質問を浴びせた。
横浜からの提示は3年総額3億円以上とみられるが、森本は「びっくりするような条件ではなかった」と好待遇が決め手とは認めず。
横浜が実家のある東京に近いのも、「関係ない」とした。
さらに日本ハムでの起用法についても「けがしていないときは、ほぼ試合に出ていた」と述べ、出場機会を求めての移籍でもないことを主張。
FA宣言後も日本ハムの梨田監督や稲葉、金子らベテラン選手から「来年も一緒にプレーしよう」と慰留されたという。
ただし、今季の起用法を見る限り、首脳陣の信頼が厚いとは言い難い。
ロッテと3位を争った終盤戦では、好機の打席で、今季限りで戦力外となった坪井を代打に送られたこともあった。
定位置だった中堅は糸井に譲り、森本は左翼に配転。
そのうえ陽、中田ら内野では守備に難がある若手が、打力を買われて外野で起用される機会も増えている。
俊足強肩という森本の武器が、ヒルマン前監督時代より発揮しにくいチームカラーに変わりつつあるのは確か。
一方で来季の横浜には岡本総合コーチ、白井2軍監督と当時のヒルマン政権を支えた面々が入閣している。
札幌移転後の日本ハムにヒルマンがもたらした成功物語を、門下生たちが横浜で再現できるか。
[livedoorスポーツ]