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【W杯予選】サウジ戦が好ゲームだったワケ MVPは伊東?南野?キーマンは?試合中に修正できた2人の会話


W杯アジア最終予選
日本2-0サウジアラビア
◇B組◇1日◇埼玉ス

機転の利いた守田の判断

「アジアで同じ相手に2度負けられない」

1日の2022年カタールワールドカップ(W杯)アジア最終予選・サウジアラビア戦に向け、森保一監督は危機感を露にしていたが、万が一この強敵に敗れたら、日本代表はW杯出場権が自動的に与えられるグループ2位からの転落もあり得る状況だった。

勝負のホーム2連戦のラストに無様な結果だけは許されない。強い緊迫感を持って、彼らは大一番に挑んだ。

予想通り、序盤からボールポゼッションで優位に立たれて攻めこまれる。日本代表としては不穏なムードも漂うスタートを余儀なくされた。

日本代表は絶対的1トップ・大迫勇也が激しいチャージを受け、サウジアラビア代表は中盤の要・アブドゥレラー・アルマルキ(8番)が左ひざの負傷で交代を強いられる。開始20分間はお互いに激しいバトルが続いた。

こうした中、インサイドハーフの守田英正と田中碧がポジションを臨機応変に入れ替え始める。これによって攻撃スイッチが確実に入った。


守田英正と田中碧

「最初、左だった時は(長友)佑都さんを前に上げたかったし、(南野)拓実君を中に入らせてあげたかったんで、タイミングを見計らって下がろうと思った。でも自分がそのタイミングをつかめていなかったんで、碧に言って左右を変わってもらった」

守田はこう説明したが、伊東純也と酒井宏樹のいる右サイドの関係性が向上。バランスのいい三角形ができ、伊東がより効果的に背後のスペースを突けるようになったのだ。

修正につながった伊東と南野の会話

迎えた32分。日本は待望の先制点を奪う。相手スローインを遠藤がカットしたのが発端だった。

素早く縦につけ、伊東が落とし、酒井宏樹が持った瞬間、背番号14は迷わず縦に疾走。爆発的なスピードで相手センターバックのアリ・アルブライヒ(5番)を抜き去り、鋭いマイナスクロスを入れた。

これに呼応した大迫と南野がゴール前で交差し、大迫がスルー。ファーで受けた南野が1枚はがして左足を振り抜いた。

GKモハンメド・アルオワイスの足に当たったものの、シュートはネットを揺らす。最終予選無得点だったエースナンバー10に待望の初ゴールが生まれ、チーム全体が大いに盛り上がった。

1点目

 
「後半はプレッシャーかけて前に」

1-0で前半を折り返すことに成功した日本代表。だが、シュート数こそ3対1と上回ったものの、ボール支配率は43%対57%と下回り、アグレッシブとは言い切れない内容だった。

主力数人を欠くサウジアラビア相手とはいえ、攻撃のギアをもう一段階上げないと追いつかれる危険性は高い。そんな戦況を察知した伊東と南野の間ではハーフタイムにこんな会話が交わされたという。

「前半の終わりの方はプレッシャーがうまくはまらなくて、俺と拓実が引きすぎてしまったかなと。後半頭から『もう1点取るぞ』ってことで、相手CBには俺と拓実がプレッシャーをかけてどんどん前に前に行こうと2人で話しました」

重責を果たした「中堅世代」

両サイドアタッカーが意思疎通した修正点が直後からハッキリとピッチで表れた。

前半は大迫が相手CB2枚を1人で追っていたため、なかなか高い位置でボールを奪えなかったが、後半から両翼の2人が思い切りプレスに行ったことで、チーム全体の守備がより前へ前へと変化した。

相手に引っかかっても田中と守田が2度追いして奪い返したり、デュエル王・遠藤も確実にカバーに回り、厚みのある守りがリズムをもたらした。

開始5分の2点目はまさにその流れから生まれた。

一度は失ったボールを中央右寄りの位置で守田、伊東、遠藤が3人がかりで寄せて奪いきり、遠藤が中央左にいた南野を経由して外を上がってきた長友に渡った。中国戦で激しい批判にさらされた35歳の大ベテランは躍動感ある走りで中にラストパスを出す。

そこに反応したのがエース・伊東。右足でシュートをゴール左隅に豪快に突き刺し、前回予選の原口元気に並ぶ最終予選4戦連続得点の離れ業をやってのけたのだ。

2点目

 
「あのシュートは半分ラッキーって言うか、ファーに思い切り打って(ボールが)行ったところがラッキーだったと思います」と自然体の男はいつも通りの口ぶりだったが、この日も1得点1アシストという目に見える結果を残し、大一番の勝利を引き寄せた。

2018年9月に森保ジャパンが発足した頃はジョーカー的な位置づけで、攻撃陣の中核から遠い存在だった。

そんな伊東が最終予選で日本代表をけん引し、重要な局面で南野としっかり話し合って改善へのアクションを起こすというのは、紛れもない大きな成長だった。

負傷離脱中のキャプテン・吉田麻也の代役としてマークを巻き、アンカーポジションで攻守両面に安定感を与えた遠藤、攻撃のスイッチ役となった守田、先制弾を奪った南野、そしてエース級の輝きを見せた伊東。

20代後半の「中堅世代」がそれぞれに重責を果たしたからこそ、サウジという強敵から2-0という勝利をもぎ取ることができた。

もちろん長友や大迫らベテラン勢の復調、田中碧や板倉滉ら東京五輪世代の奮闘も見逃せないが、今回に関しては中堅世代の存在感がチームにとって非常に大きかったと言っていい。

注文をつけたいラスト20分間

ただ、長友と大迫が下がった後半ラスト20分間のゲームコントロール力には少し注文をつけたい部分もある。

この時間帯は前田大然が1トップに陣取り、右FWに伊東、左FWに浅野拓磨、左サイドバックに中山雄太と若いメンバー中心の構成だったが、相手も巻き返しを図ってきたせいで、後半開始直後のようなボール奪取や粘り強い守備ができず、自陣に下がり気味になってしまった。

「後半ブロック引くシーンはあったけど、割り切って守る、カウンターを狙うと。チームとしてハッキリしていたので、相手に合わせながらやった」と遠藤は話していたが、そこでも彼や伊東、守田らを中心に主導権を握れるようなチームになれれば、ベテランに依存しない日本代表へと脱皮できるはずだ。

11月に迫ったW杯本大会の後は、彼ら中堅世代が長友や大迫の役割を引き継いで、新たな代表をけん引しなればならない。特に伊東や南野には、そう遠くない近未来も視野に入れ、より強い統率力と牽引力、影響力を身に着けることが肝要だ。

同日の試合でオーストラリア代表がオマーン代表に引き分けたこともあり、3月24日のアウェイ戦で日本代表がカタール行きを決める確率は俄然、高まった。

前向きな機運に乗って、彼らには今回のサウジアラビア戦で打った布石を今後につなげるべく、最大限の努力をしてほしい。

[via:FOOTBALL CHANNEL(元川悦子)]
https://www.footballchannel.jp/2022/02/02/post452868/


長友佑都「批判はガソリン」

試合後、伊藤のコメント

伊藤が試合前に「いままでの相手よりボールを握られると思うので、握られたときの攻守の切り替えで背後のスペースを突いていけたらいいと思います」と語っていた通り、カウンターで右サイドを破って南野のアジア最終予選初ゴールを演出した。

相手の攻撃的な左サイドバックの背後には広大なスペースがあり、「相手の左サイドがストロングポイントで、攻めてくるのはわかっていたので、うまく裏返せればいいと思ってました」と伊東は振り返る。

狙っていた1点目のアシスト

「ワンタッチで酒井(宏樹)くんに落とした時にサイドバックが自分についてきていたので、そのまま流してもらおうと思った」とスペースを狙ったパスに抜け出し、カバーにきた相手のセンターバックも「うまく入れ替わることができた」とスピードでぶち抜いた。

そして「サコくん(大迫勇也)と(南野)拓実が見えたので、うまくあそこに入れれば決めてくれるかなと思って、マイナスに折り返したら拓実がうまく決めてくれた」と、互いにチャンスの少ない展開で欲しかった先制点をお膳立てした。

2点目「シュートは打たなきゃ入らない」

「シュートは打たなきゃ入らないんで思い切って打とうと思って、ファーにふかさず打とうと思ったら、いいところにいきました」

伊東は「あのシュートは個人的には半分ラッキー」と謙遜するが、思い切って足を振ったからこそ生まれた価値ある追加点だった。

「出してほしいタイミングでパスを出してもらえていますし、周りがうまく自分のところで1対1を作らせてくれたり、いいタイミングで酒井くんがオーバーラップしてシンプルに(自分を)使ってくれてチャンスを作ったのもありますし、そういう自分がいくところと周りを使うところがうまく連係できているかなと思います」

[via:FOOTBALL CHANNEL(抜粋)]
https://www.footballchannel.jp/2022/02/02/post452852/

内田 影のMVPは田中碧

この大一番を中継したテレビ朝日で解説を務めた元日本代表DFの内田篤人氏は試合後、同局の「報道ステーション」に出演。まず番組の冒頭で、この試合のMVPを訊かれ、1ゴール・1アシストでMOMにも輝いた伊東を挙げた。

さらに、番組の後半に再登場した際、大越健介キャスターから「もうひとり選ぶとしたら?」と問われると、「テレビでは扱いにくいんですけど、今日はピカイチだった」として右のインサイドハーフで躍動した田中碧の名前を挙げた。

「危ないなと思ったところにすぐに駆け付けて守備をする。90分これをやると彼のポジションでやると本当にきついんですけど、攻守に渡って本当にアグレッシブに動いていた」

目立たないながらも、汗かき役として機能した23歳のMFを、そう絶賛した。

[via:SoccerDigest]
https://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=104813

ネットの反応

・後半立ち上がりの前線からのプレスは良かったよね。あれで相手のロングボールをカットしてマイボールに出来ていた。
・監督から戦術的な提案はあったんでしょうかね?
・後半に劇的に改善したが、まさか選手同士の会話だったとは…
・あれが監督からの指示ではないと言う所が頼もしいのだが、逆を言うと「じゃあ監督は何やってんの?」って話になる
・普通は選手を呼んで監督が前半のうちに修正すべきもの。
・マジで森保って戦術は選手に丸投げなんだね
・遠藤、守田、田中の3人だから成立するトリプルボランチ。これは森保の数少ない発見。
・吉田の不在が功を奏したかも。
・伊藤は「ただただ速いだけでサイドを縦に走るだけ、でも速い」って選手から代表に無くてはならないピースに成長したなぁ。
・シュートは打たなきゃ入らないという言葉は、試合中常にゴールを狙っている伊東が言うからこそ意味のある言葉だ。
・伊東は守備の貢献度も高い。2点目のゴールも、しっかりプレスして、ボール奪取のきっかけ作ってる。
・オーストラリア戦、伊東のスピードカウンターがカギになりそう。
・守備の面は危なげなくて良かったが攻撃は問題大ありだったでしょ。
・こんな点の取り方は毎試合無理。浮かれてるが攻撃面は何も改善されていないのが事実。
・今回勝ったけど豪州戦で負けたら出場が危なくなるのは変わりない。

海外の反応

・堂安、久保、前田、中山がスタメンにいない…
・日本、強いな!
・最終予選の中でも断トツで一番の試合内容
・今日の(サウジの)パフォーマンスは本当に酷いぞ!
・この試合、伊東は他の選手達とは完全にレベルが違う
・伊東純也は本当に優秀だ、彼は日本の攻撃の大部分に関与してる
・流れるようなサッカーだ、観客の反応も最高だった

 >ああ、これは典型的な浅野だわ
・こんなに相手の脅威になる日本代表を久しぶりに見たわ。
・ついに日本代表が素晴らしい試合をしてくれた。堅実性、美しい崩し、まだかなり不正確なプレーはあるけど、これまで以上にチームに手応えを感じられた。
・田中碧と守田はチームに大きく貢献していて、遠藤航にとってもやりやすくなっている。
・中盤で遠藤航は本当に驚異的だ、あのデュエル力で相手を牛耳っている。
・伊東はまじで上手いドリブルを持っているな
 >乾貴士を思い起こさせる、日本が予選突破したら彼は注目の選手だな
・冗談抜きに欧州4大リーグのクラブが伊東純也をまだ獲得してない理由が分からないわ
・堂安と久保がいるのに(原口)元気をインサイドハーフで使う理由が分からない。でも、これが森保だ。
・伊東純也だけでなく、田中碧とセンターバックの板倉と谷口もこの上なく良い試合をしたわ
・すぐに前田大然を飛行機に乗せてくれ
・長友佑都「バモス、タキ!」

 >もし日本が予選突破したら、長友にはカタール行きの飛行機に搭乗して欲しい理由はこれだ。頼れる先輩で本物の男だ。スタメンではないけど、頼むわ。

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