覚せい剤使用などの罪で有罪判決を受けた元女優の酒井法子さん(39)の自叙伝「贖罪(しょくざい)」が書店に並んでから4日が過ぎた。
酒井さんが逮捕された時はマスコミが大騒ぎするなど大きな注目を集めたが、今回の「告白本」の反響はさほどでもないようだ。
テレビコメンテーターの中には、本の内容が「贖罪」(本のタイトルでもある)になっていない、と厳しい感想を述べる人もいる。
「読んでて腹立ってきました」
テリー伊藤さんは、酒井さんの本の感想について「サンデージャポン」(TBS系、2010年12月5日放送)でこう述べた。
「犯罪行為を営利行為に結びつけるのは抵抗」
テリーさんによると、酒井さんの薬物使用や一時「供述拒否」したことについて、酒井さんが本の中で、夫や子どもを「矢面」に立て、「自分はそんなに悪くないんで、という言い回し」をしているという。
テリーさんは「もう少し本質的なことを、贖罪っていう言葉を使うならそこをやんなくちゃいけないのに、何やってんの」と批判した。
他人のせいにせず自身の罪ともっと深く向き合うべきだ、という趣旨のようだ。
同番組では、元裁判官の八代英輝弁護士も発言し、「執行猶予期間中でも社会的活動はしてよいわけですが、自分の(過去の)犯罪行為を営利行為に結びつけるのは抵抗がある」とやはり厳しい見方を示した。
酒井さんは09年11月に懲役1年6か月、執行猶予3年の刑を言い渡され、控訴せずに同判決が確定している。
八代弁護士はさらに、「贖罪」というのなら、売り上げの一部を薬物撲滅の活動に寄付するなどすれば、まだしも理解できるがそうではないようだ、という点も指摘した。
夕刊フジも10年12月6日、酒井さん本への厳しい見方を報じた。
本の中身については「悲劇のヒロインを演じている印象もぬぐえない内容だ」とし、通販サイト・アマゾンの「本のベストセラーランキング」で9位(7日夕段階では14位)と「思ったほど売れ行きはよくない」と皮肉っている。
同記事ではさらに、芸能プロダクション関係者の話として、執行猶予中の表立った活動は控えるべきだ、という考えの元所属事務所に対し、出版のあいさつもせず本を出した、として「かえって復帰が遠のいた」との見方を伝え、「(出版は)早すぎたか」と結んでいる。
実際、同事務所の社長は11月末にマスコミの取材に答え、酒井さん本の出版について「報告を受けていなかった」「執行猶予期間中は何に関しても自重する方がいいのでは」と話していた。
酒井さんの本が出版された12月3日前後の朝の各局ワイドショーをみても、あっさりした扱いだったり取り上げていなかったりという状態だった。
3日の「スーパーモーニング」(テレビ朝日系)はやや詳しく報じたが、同番組コメンテーターの山口一臣・週刊朝日編集長が「贖罪」(朝日新聞出版)出版の企画の「当事者」という事情もあるようだ。
歌舞伎役者の市川海老蔵さん殴打事件が連日ワイドショーを賑わせている最中であるとはいえ、酒井さん本が特別大きな注目を集めている、とは言えないようだ。
関心の高低だけでなく、執行猶予期間中の活動への批判に配慮した可能性もある。
一方で酒井さんを「擁護」する声もある。
12月5日のサンデージャポンで、作家の新堂冬樹さんは「出版社にのせられて書いちゃったんでしょう」と話した。
また、酒井さんのファンが多い中国や台湾からは、酒井さん本の翻訳の問い合わせが寄せられているようだ。
[J-CASTニュース]
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