NHK教育テレビで放送されている『Q - 私の思考探求 - 』。
この番組は一人のゲストがあるテーマについての疑問を提示し、それについて専門に研究している学者が対話形式で答えていくというもの。
Q~私の思考探求~
過去、ピース又吉が「言葉」について、カンニング竹山が「働く意義」について、光浦靖子が「恋愛」についてなど、お笑い芸人も多く起用され、興味深い探求を展開していた。
2月26日の放送では、鳥居みゆきがゲスト出演。テーマは「賢い人づきあいとは?」。それに答えるのは社会学者の菅野仁。
こういう番組の中であっても彼女は「鳥居みゆき」らしさは崩さない。だがその奥に漂う知的で鋭い視線が滲み出るとても興味深い放送だった。
人見知りだった少女時代。一人ぼっちですごす時間が多かったという鳥居みゆき。出かけるときはいつも姉の後ろを付いて行った。
「ちょっとたいしたことじゃないんですけど、、、」と前置きした彼女の悩みは「友だちができないこと」。
対話スペースに「先生! 来たよ。ンフフ」と笑いながら登場した鳥居。
先生が「よろしくお願いします」と挨拶を交わすと「どうぞ、よしなに!」と自分のペースを崩さない。
そして「あのねぇ、人と一緒にいるのが、できないです」と話し始める。
「ずっと一人でいたんですよ、高校3年生まで。一人でいると、一人が淋しいじゃなくて、一人でいてやるんだっていう気持ちを無理やり作ろうとして、そうすると、人より上行ってる感じの、、、になってるから」
と「孤高」を気取って友だちがいないことをごまかしていた。
鳥居みゆき
「それって一番淋しいことだと思います、あのー、淋しいことを「淋しい」って言えなかった。」
彼女が芸人になろうと思った動機のひとつに、「友だちがいなかった」ことがあるという。
「ちょっとふざけたりすると、あんまり受け入れてもらえなくて、だから認めてもらえるところに立とうと思ったんです、表現出来る場所に立とうと思って。」
「人とつながっている」ということは「幸せ」を求めるからだ、と先生がいうと彼女は即座に「そんなのはありません!」と強く否定する。
「友だちっていうのは、怖い存在」でもあるという鳥居。
「人という字は人と人とが支えあってるって言ってるけどさぁ、みんなこっち(一画目)の上のほうになりたがってる!」
みんな「支える」んじゃなくて「支えられたい」のだと。
「自分もこっち(支えられるほう)、先生は支えるほう!」と笑ってかわすがそういう依存した人間関係を嫌悪しているのだろう。
「みんな仲良くなんてありえないと思います。」
「そこに依存しちゃうと、ちょっと裏切られただけでもダメでしょ。ボロボロって崩れちゃうでしょ。私も、昔、そういうことがあって、なんか誰かに裏切られたりするとイラーっとしちゃう。」
「私、他者との間に、見えない「ベルリンの壁」を作るようにしてて、それで一応保たれるんです。」
「崩さないで、先生!」
最近は「大人になって丸くなってきた」という彼女は、ちょっとイラッとしたら、一日の出来事と、それに対して思ったことや感じたことを書き出しているのだという。
「嬉しかった、楽しかった、悲しいとか、嫌だ、とか書いたら、(その後に)矢印にして[なんで?]を遡っていくと、全部自分のせいになるんです。」
でも、自分を突き詰めすぎると、「無」になっちゃうから、そこまではやりらない、というが、彼女の深い思考回路を垣間見れる話ではないだろうか。
「やっぱり言葉って限界があるじゃないですか。辞書とかよく読むんです、暇なときとか。だけど、私が表したいのは、「これ」じゃないんですけど、「これ」か「これ」しかないんで、「これ」と「これ」の間っていうことがよくあって。だから言葉っていうのに限界があるから、思ったのと(表現できるのが)違ってる感じなんですよ。」
「それがちょいズレ、ちょっとズレがあるんです。だから、100%の理解は得られないです、お互いに。だから、本人にしか分からない。全っ然、分かり合えない!」
先生と鳥居のこの一連の対話は、彼女が時折、「あたしはカルボナーラを食べてる時が(一番の)幸せです!」「一番じゃないです、4番目です。ふっふー」「一番はそりゃ、、、言えないですよ。ンフフ」などとわざとズラすせいで核心から遠回りしていく。
彼女は自身のキャラクターを強固に守ると同時に、キャラクターだけではない何かを守っているように見える。
しかし、逆にそれは彼女の人格をあぶり出している気がする。
結婚後の夫婦での関係を問われ彼女は、ポイント、ポイントではちゃんと連絡したり紙に書いて伝えるが「あんまり重くならないようにわざとすれ違うように生活して」ると明かす。
「ほとんどコミュニケーションをとらないのがコミュニケーションです。」
ズレて遠回りするからこそ核心に迫ることができる。
鳥居みゆき
鳥居みゆきは番組半ば、不意にこう漏らしている。
「今までずっと「人」だと思ってたけど、「人間」になりたいと思った時があります。」
これだけメディアに露出しながらもその掴みきれない「分からなさ」を維持し続ける様は凄いが、この番組でほんの少しだけ彼女の底知れない本質が映っていたように思えなくもない。
でも、また「全部ウソですけどね。ふっふー」と笑っているような気もする。やっぱり掴みきれない。
[てれびのスキマ]
【関連画像】
□ 鳥居みゆき幼少⇒学生⇒素人時代
ドッキリで青木さやかの相談に乗ってたときもいいこと言ってたの思い出した(゜ω゜)
それは、あんたが堅いからだよ。
孤独は淋しい
孤立は悲しい
孤高は逞しい
鳥居は孤高の人だね。
「ああ、なんかわかるわ~。」って思った人が結構いるはず。
その「なんか」の部分が正に鳥居の言ってる伝えきれない部分なんだろうな。
そしてその「なんか」には麻薬的な魅力がある
人間はまだまだおもしろい!
>>1
まぁ向こうもオマエを受け入れないけどな
こいつ本気で頭良い
文章長すぎて途中で読むの辞めた
そうだね 反省だね
こいつまじきちやがぁ
鳥居さん凄いな~!
なんか感動した!