「(女性の)表情は見えなかったですが、力はまったく入っていないようで首がガクッと下を向いていて……もう意識はなかったです」
救急隊員が駆けつけ、搬送されるまでの一部始終を目撃した近隣住民はこう振り返った。
現場は入居募集が始まったばかりの新築マンション
5月23日金曜日未明。東京・江東区の亀戸駅から徒歩数分、今春から入居募集が始まったばかりの新築マンションで事件は起きた。
現場となったマンション
変わり果てた姿でマンションの一室から運び出されたのは、女子プロレス団体「スターダム」に所属し、看板レスラーとして活躍していた木村花さん(享年22)だった。
彼女が所属していたスターダムは23日、HP上で以下の通りコメントしている。
《当社所属選手 木村花選手が本日5月23日逝去いたしました。突然のことでファンの皆様、関係者の皆様には深いご心配と、哀しみとなり、大変申し訳ございません。
詳細につきましては、いまだ把握出来ていない部分もあり、引き続き関係者間の調査に協力してまいります。木村花選手のご冥福を深くお祈り申し上げます》
第一発見者は母親だった。23日未明に娘と連絡が取れないことを心配した母親がマンションに駆け付け、部屋で倒れている木村さんを発見したという。
「死因は明らかにされていないが、自殺を図ったとみられています」(社会部記者)
「午前3時半くらいにサイレンが鳴り響いて」
現場となった自宅の近くにスターダムの事務所がある。彼女は今年1月に東京ドームで行われた新日本プロレスの興行にも出場するなど、将来を嘱望される女子プロレスラーだった。
「深夜、午前3時半くらいにサイレンが鳴り響いて、目が覚めました。外を見てみると、目の前のマンションに救急車と消防車が何台も停まっていました。表の通りにも3台の消防車が停まっていたそうです。
「水! 水!」と叫んでいた
10人くらいの救急隊員が外階段で3階まで上がっていって、バタバタとしていました。消防隊員は酸素マスクをしていて、救急隊員は慌てた様子で下に向かって『水! 水!』と叫んでいました」(前出・近隣住民)
「硫化水素」「起きろ、花!」
別のマンション住人が語る。
「ハシゴを使って消防隊員2人が3階のベランダから入り、窓を開けたタイミングで少し異臭が漂いました。
中からは『ピピピー』という警報音が鳴っていた。外階段から救急隊員10人くらいがマンションへ入り、隊員らの会話から『硫化水素』という言葉が聞こえました。
間もなくして、救急隊員がぐったりしている女性を背後から脚ごと1人で抱きかかえて、3階の部屋から救急車へ運んでいった。
車中では、心臓マッサージをしているのが見えて、その様子を見ながらお母さんらしき人40代くらいの女性が手を合わせて、拝みながら泣き崩れていました。
プロレスの関係者っぽい黒髪の女性は、救急車の外から窓に向かって、『起きろ、花! 戻ってきて!』と必死に声を掛けていた」
木村さんは2019年9月からネットフリックスで配信され、フジテレビでも放送中の人気恋愛リアリティー番組「テラスハウス」に出演していた。番組内での言動に関して、SNSでは誹謗中傷を受けていた。
「テラスハウス」はひとつ屋根の下で共同生活する若い男女6人に密着する番組で、中高生を中心に熱狂的な支持を集めている。
「マジでテラハから出てけ!」
「特に酷く書かれたのは、3月31日の出演シーンです。花さんは、試合で使用する大切なコスチュームを誤って洗濯機で洗ってしまった男性共演者に激怒した。その対応について、花さんのSNSに1日100件近く心無い書き込みが殺到しました」(テレビ局関係者)
木村さんのツイッターにはこんな酷い言葉が並んでいる。
《テラハ史上最低女! マジでテラハから出てけ! 出てけ出てけ出てけ出てけ出てけ出てけ出てけ》
木村さんへの誹謗中傷コメント
《傷付いたのは否定できなかった》とリストカット写真が
エスカレートする誹謗中傷に、死亡当日の未明、木村さんはツイッターでリストカットしたと思しき血だらけの手首の写真とともに、こう綴っている。
《毎日100件近く率直な意見。傷付いたのは否定できなかったから。死ね、気持ち悪い、消えろ、今までずっと私が1番私に思ってました。お母さん産んでくれてありがとう。愛されたかった人生でした。側で支えてくれたみんなありがとう。大好きです。弱い私でごめんなさい。》
同日のインスタグラムでは、愛猫と一緒に写った自撮り写真とともに、《愛している、楽しく長生きしてね。ごめんね。》というメッセージを残している。
「テラスハウス」は、木村さんの急死を受けて直近の配信休止を発表した。同番組はこれまでも出演者による不祥事や、やらせ疑惑などの問題がたびたび取り沙汰されている。SNSの誹謗中傷のきっかけが番組側の演出にあったのだとすれば、その対応に問題はなかったのか——。
[via:文春オンライン]
https://bunshun.jp/articles/-/38009
亡くなる数時間前のインスタ
テラハ「コスチューム事件」
女子プロレスラーの木村花、試合の衣装を洗濯機にかけたまま外出
↓
同居人のコメディアン志望のフリーター小林快が、衣装に気づかないまま上から自分の服入れて乾燥までする
↓
花が発見したときには衣装は縮んで色もあせて着れない状態になってた
衣装はデザイナーと相談してつくった一点物で10万円以上する
はじめて東京ドームで試合した時に仕立てたもので思い入れも強い
↓
花がマジギレしそうだったから同居人のドイツ系モデルのビビがなだめようとするが、花は聞かずに怒鳴りだし、ビビが泣きだす
↓
花が快の帽子を叩き落として終了
↓
快が気まずくなって退去
シーズン第38話(3月31日放送)で花さんが共演者の男性を強く非難する様子が放送されたことが原因なのではないかとみられている。
この回が放送されると、ネット上では花さんに対して「早く消えろ」など心ない誹謗中傷が巻き起こり、彼女自身のSNSにもリストカットを行ったと思われるショッキングな投稿がなされた。
木村花 3/31のインスタストーリー
Twitterでの誹謗中傷
現場に問う不幸の元凶
自ら死を選んだ原因については、出演中の人気番組「テラスハウス」の中で、彼女が他の出演者に対して厳しい言葉を発したことなどに対して、視聴者などからSNS上で誹謗中傷が相次いだためではないか、と言われている。
ネットでのバッシングが、22歳という一人の若い女性を追い詰めてしまったのだとすれば、それは非常に悲しい出来事であるし、誹謗中傷をした人々の行動は非難されてしかるべきものだと思う。
その点については、すでに多くの人々が意見を表明されている。私はテレビ番組の制作に長年携わってきた立場として、今回の悲しい出来事の原因になったかもしれないと考えられるもう1つの問題について指摘したい。
彼女が出演していた「恋愛リアリティーショー」が抱える「恐ろしさ」と「危うさ」だ。
人気の番組形態に潜む落とし穴
「テラスハウス」をはじめとする「恋愛リアリティーショー」は、いま非常に流行している番組形態と言っていいだろう。
若者のテレビ離れが指摘される中、この番組形態は数少ない「若者たちにも見てもらえるコンテンツ」だからだ。中でもインターネット配信の番組としては、これ以上ないほどのキラーコンテンツだといえる。
男女のリアルな恋愛や駆け引きを、あたかも“覗き見”する感覚でハラハラドキドキしながら見守るのは、とても面白い。
思わず没入してしまうし、学校や会社で思わず友達に話したくなってしまう内容だ。視聴者に深く刺さるし、話題性もあるという意味では、まさにこの上なく「テレビ的」であると言えるだろう。
しかし、ここに1つの「罠」があると言えるかもしれない。あまりにリアルなので視聴者はあたかも本当の恋愛を目撃しているつもりになるが、実はそれはあくまでも「リアリティーのあるショー」だということだ。
リアル男女の恋愛模様を描いているかのように演出されている「フェイク」であるということを、見ている側が忘れてしまいがちなのだ。
それはある意味、仕方のないことかもしれない。制作側はそれこそ、できるだけ“演出がそこには存在しないように”演出しているからだ。
いうなれば、視聴者が「これは本当の話だ」と錯覚するように巧みに演出している。だから、そうした勘違いをしてしまうのも無理はない。
木村花さんの場合も、番組の中で彼女がとった行動が、あたかも彼女が現実でとった行動であると多くの視聴者にとられてしまい、その結果、ネット上での誹謗中傷につながってしまったのだと思われる。
しかし、考えてみてほしい。木村さんはあくまでも「ショー番組の出演者」だ。番組で描かれたものは「真実」ではない。そこには演出が加えられている。
たとえ彼女が共演者に向かって語った言葉が「彼女が言ったそのまま」であったにしろ、その言葉が発せられた背景や文脈は、多分に「演出されている」と考えなければならない。
あえて言えば、ドラマで悪役を演じた俳優さんのことを、ドラマの中でその俳優さんが語ったセリフを元に「悪いやつだ」と判断して、誹謗中傷するようなものなのではないか。
恋愛リアリティーショーは「やらせ」なのか
ここで誤解のないように説明しておきたいが、恋愛リアリティーショーは「やらせ」のようにすべてを捏造しているのかというと、そうではない。
その番組がどこまで誠実に制作しているかによって程度の差はあるが、番組の出演者たちは実際にリアルな設定の中に置かれ、実際に誰かのことを好きになったり、嫌いになったりしている場合が多いと思う。
以前に、こうした番組の演出に関わった知り合いから「若い子たちは本当にすぐ恋愛しちゃうから、それを見るのは本当に面白いよ」と聞いたことがある。
制作側も、できるだけリアルなものを撮影するために、可能なかぎり、リアルな状況にこだわっているのは確かだ。
むしろ、恋愛リアリティーショーにおける主要な演出は「増幅」だ。
実際にある要素を何倍にも大きく膨らませて、大げさに描いていくことによって、よりドラマチックに恋愛の駆け引きを見せていくという手法は、どの番組でも確実に使われている。
もし、撮影したそのままの材料をニュートラルな視点で編集したら、あまりドラマチックにはならない。リアルな人の感情表現なんて、そんなものだ。まして、あまり感情を表に出さない日本人のデート風景なんて、見ていてそれほど楽しいものではない。
「芽生えた恋心」や「嫉妬の感情」を、ナレーションや、映像の順番を変えたり、他の映像やインタビューを間に挟んだりして、実際よりも大袈裟に「煽って」見せることで、より一層面白くしていくのだ。
もう1つの主要な演出は「単純化」だ。あたかも矢印で結ぶように人間関係を整理し、わかりやすく型にはめていくことで、視聴者は恋愛ストーリーに没入しやすくなっていく。
「誰は誰のことが好きだけど、誰は誰のことは気になっていない」とか「他の人のことが好き」などのわかりやすい構図は、撮影された素材を元に、ある程度、意図的に演出陣によって「解釈」されていく場合が多いだろう。
そして、その解釈を補強するように、次からの撮影は行われ、演出陣が描いたストーリーに沿って物語は進行されていく。そして、どこかでその物語は「面白く裏切られる」ことにならなければならない。
どんでん返しで意外な結末に向かうように、出演者たちの行動はある程度、演出側の意図に沿った形で撮影・編集されていくのが通常だ。
これがもし、ニュース番組やドキュメンタリー番組であったとしたら、このような「演出意図に基づいた意図的な編集」は許されない。
しかし、「リアリティーショー」なわけだから、出演者の行動はあくまで、面白くストーリーを展開するための素材にすぎない。
演出側は、それをリアリティーを損なわない範囲で“おいしく料理”して、ショーとして面白く仕上げていく。
つまり、恋愛リアリティーショーの怖ろしいところは「出演者の人格がリアルなショーの素材として演出されてしまう」ことにあるのではないだろうか。
番組の展開上、「嫌な女」であることを求められた出演者は、「嫌な女」として描かれていく。「ズルいやつ」「裏切り者」「純情で可愛い女」「浮気者の男」「一途なイイやつ」……。
プロデューサーやディレクター、そして放送作家の頭の中で決められた配役が、実在の人物に次々と「その人物が実際に持つ人格」として割り振られ、誇張されていく。
もちろんそれは、面白い恋愛ショーを作るうえではある程度必要なことなのではある。だが、制作側は「リアル」を謳う以上、出演者の実生活にその演出が与える影響を考えて演出しなければならないのではないか。番組がその人に与えた「誇張された人格」は、その人に良い意味でも悪い意味でも一生ついて回るのだから。
そして番組の性質上、出演者の多くはまだ若い、悩み多き未成熟で繊細な人たちであることも十分に考慮されなければならないのだと思う。
元・担当Pが訴える制作側の持つべき感覚
ABEMAの人気恋愛リアリティーショー「オオカミくんには騙されない」の初代プロデューサーを務めた、テレビマンユニオンの津田環さんは「きっと木村花さんは、すごくまじめに、自分の役割をわかっていて、期待に応えてプロの仕事したのではないか。そう思うと、可哀想でならない」と話す。
津田さんは、自らが恋愛リアリティーショーのプロデューサーをしていたときには、「ひとさまの子どもを預かって仕事をしていると常に思って仕事をしていました。すごく難しいとは思うけれど、つねにその辺りには気をつけていました」と言う。そして「今回のことはとても他人事とは思えません」と心情を明かしてくれた。
まさに、この「ひとさまの子どもを預かっている」という感覚が、われわれテレビ制作者には大切なのではないかと思う。もちろん、テラスハウスの制作者も誠意をもって番組づくりをしていただろう。
それでも自戒の念を込めて、あらためてわれわれテレビ制作者は「出演者の人格を素材として、番組を演出すること」についていま一度、その責任の重さを考え、自分に問い直してみる必要があると思う。
[via:東洋経済オンライン]
https://toyokeizai.net/articles/-/352379
誹謗中傷に責任転嫁するワイドショー
作家でタレントの乙武洋匡氏(44)が25日、ツイッターでSNS上の誹謗中傷問題に言及。ワイドショーの姿勢を批判した。
乙武氏は現在ワイドショーが「テラスハウス」に出演していた木村花さん(享年22)の死で、SNS上の誹謗中傷の責任をネット民に押し付けていることを問題視。
「各局ワイドショーが『SNSでの誹謗中傷よくない』という論調で放送しているようだが、『今週の標的はコイツですよ』と指令塔の役割を果たしてきたのは、どこの誰だよ」と皮肉を込めて批判。
さらに「すべての責任をネット民に転嫁し、自分たちは反省の色なし。どれだけ面の皮が厚いんだよ」とバッサリ切って捨てた。
[via:東スポ]
https://www.tokyo-sports.co.jp/entame/news/1868031/
放送継続願う投稿相次ぐ
テラハが最直近で、25日のフジテレビでの放送と、26日と6月2日のネットフリックス配信を休止することを伝えている投稿には、
「打ち切らないで欲しい」
「保存していた分だけでも見せてほしい」
「木村花さんの出演回は最後まで放送してほしい」
「テラハに罪はないですほんとに!アンチにわからせるためにも放送してほしいです」
と願うコメントも集まっている。
ただしこの時期の投稿ということもあり、「打ち切りにしないでって書いてるのは自分が続きを見たいだけでしょ」「花の死よりテラハ継続を気にしている人が多い事に心底驚く」と指摘する声もあり、物議を醸している。
[via:デイリースポーツ]
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200525-00000042-dal-ent
自宅から遺書見つかる
捜査関係者によると、木村さんは23日午前3時半頃、江東区の自宅マンションのベッドで心肺停止状態で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。
遺書はリビングで見つかり、母親に向けて「ごめんね。産んでくれてありがとう」などと書かれていた。ベッドの近くに薬剤の容器があり、警視庁は、木村さんが有毒ガスを発生させた可能性があるとみている。
[via:読売新聞]
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200525-OYT1T50075/
木村花さんのTwitter投稿(現在は削除)
ネットの反応
・若いのにかわいそすぎる 打ち切るなとか言ってるやつ どうゆう気持ちで見るんだろ
・無理やりヒール役させられてたのなら事務所、制作側にも問題あるよね この辺きっちり調査して欲しい
・リアルショーではないところがミソ
・リアリティー = 本当っぽい = 本当ではない
・カメラ複数台置いて撮影して何がリアリティショーだよ
・今回はスタッフが花を悪人に仕立て上げようとしただけ そして行き過ぎた編集に持って行った
・はっきり言って番組が殺した
・今後はフィクションですって冒頭にテロップいれろや
>それを免罪符にされてもなー
>出来の悪い素人のドラマとなって視聴率が取れない
・冒頭でYOUが台本は一切ございませんって毎回言ってるが
・酷い番組もあったもんだ
・これをノンフィクションでやるのがフジテレビ
・中途半端な有名人になると、実は得する事って少ないのかもね
・10万円もする高い衣装をわざわざ自宅じゃないテラスハウスに持ってきて洗濯したの?何で?
>そう言う台本なんやろな
・プロレスが出来ず生き甲斐を無くした状態でテラハの件が引き金になったんだろう
・なぜ剥き出しの悪意を当事者にわざわざぶつけるのだろうか。
・有名人は反論しづらい。それをいいことにサンドバッグにしてないか。
・彼女を追い詰めた畜生どもの責任は重い
・けんけん早く捕まれや。
・精神状態が極限だったんだよね
・メンタル弱いのに悪役出演を承諾するからこうなっちまう
・団体批判、番組批判をかわすためにすっかり誹謗中傷で死んだことにされてるな
・この手の番組がやってる擬似覗き見ってスタイルがゲスい欲求を刺激するんだろなぁ
・中傷してる奴への対応とリアリティーショーの問題は別の領域の話だけど、まあどっちも必要なんだろうな
・「産んでくれてありがとう」これはリアルな言葉だな ご冥福を
・愛されたかった人生でしたっていう、それが一番インパクトあった
・ご冥福をお祈りします
番組内で彼女を批判していた山里のTwitterをみたが、あなたは悪くない発言で庇う人ばかり。
絶対におかしい。少なくともそうさせた責任の一端はある。
大丈夫‼️😆そのまま頑張って下さい⁉️
⑤←人に不愉快な思いをさせることを発信しないで欲しい。
とか、コイツはあれこれ言ってるけどさ
そもそもエンタメってのはそれを見たり経験したりすれば当然賛否両論があり、万人に不愉快な思いをさせないってのは不可能。
さらに言えば⑤のコメ自体が木村花の関係者を不愉快にさせてるんだからさ
コイツのように中身の無い矛盾な発言する奴ほど、日頃からターゲットを見つけて誹謗中傷しちゃったりしてんだろなぁ笑